今日で最終回となりました、ロンドンコスメ散策。最後にご紹介するのは、私がロンドンで一番好きなコスメショップ Content Beauty&Wellbeing。メリルボーン地区に位置する小さなショップは、いつ訪れても美容好きなロンドンっ子たちで賑わっています。
人気の秘密は、創設者であるImelda Burkeの「ニッチコスメ」を選定する審美眼。まだまだ広く知られていないブリティッシュコスメに加え、イギリスにおいて知名度の低い、と同時に素晴らしいブランドコンセプトを持つ海外ブランドを次々と取り入れたことで、2008年のオープン以来じわじわと人気を伸ばしています。
そんな大好きなContent Beauty&Wellbeingについてもっと深く知りたい!と、Imeldaにインタビューをさせていただいたので、お店の魅力と共にご紹介させていただきます。
魚鱗癬という皮膚疾患に悩まされていたImeldaは、ニュージーランドからイギリスへ移り住んだことをきっかけに、ナチュラル&オーガニックビューティの世界を知ることになったのだそう。
「魚鱗癬の主な症状は、皮膚の乾燥。小さい頃は症状を和らげるためのお薬のせいで、バスタイムはいつも"グリーン"だった。エコとかそういう意味じゃなくて、お湯の色が緑色だったの!その後に、お医者さんから処方されたクリームを全身に塗るのが習慣だった。10代になって緑色のバスタイムが嫌になったから、クリームだけを1日1〜2回、20年以上も付けていたの」
そんなImeldaがイギリスへ移り住んだとき、クリームを輸入するよりも代替品を探そうと思い、リサーチを開始したのが全ての始まりだったそう。「クリームのリサーチがコスメのリサーチに、コスメのリサーチが美容業界のリサーチにと広がって、オーガニックやナチュラルコスメをヘルスフードストア以外で購入出来る場所がないと気付き、専門のブティックをオープンしようと思ったの」
Content Beauty&Wellbeingで扱われているブランドは、どれも創設者のこだわりがぎゅっと詰まったものばかり。以前ご紹介したTherapieや、ナチュラル成分で作られたネイルポリッシュブランド Kure Bazaar、自然の恵みを贅沢に瓶詰めしたかのような Lola's Apothecary、ナタリーポートマンも愛用しているというPaiなど、「ここだから買える」コスメもたくさん。ウィンドウのディスプレイも素敵で、お店のどこを切り取っても絵になります。
小ぢんまりとしたショップにも関わらず、棚はぎゅうぎゅう!Content Beauty&Wellbeingで商品を取り扱って欲しい、というブランドは後を絶たず、常にアプローチを受けているのだそう。「それに加えて、SNSや来店されたお客さまから直接リクエストを受けることも」あるのだそう。
日本でもおなじみのrms beauty。ネイルポリッシュは、石油系成分、パラベン、ホルムアルデヒド、トルエンなどのケミカル成分を使用していないのだそう。動物性成分も配合されていないので、ヴィーガンでも安心。
アメリカのスキンケアブランド Tata Harperの商品も、まだイギリスで広く知られていなかった頃から取り扱っているのだそう。天然成分のみで作られたTata Harperの商品は、出来る限り自社農園で育てられた植物のエキスを使用しているというこだわりの商品。ラグジュアリー寄りのお値段ですが、スキンケアに精通した人気ブロガー Caroline Hironsもお気に入りだそう。
Content Beauty&Wellbeingのもう一つの特徴は、接客レベルの高さ。販売員の数は多くないのですが、他のお店では何か質問をしても「知らないわ〜」「私の担当じゃないの」「どうだったかな、忘れちゃった」なんて返答がくることもしばしばあるロンドンで、こんなにしっかりした接客が受けられるのか!と感動したほど。
どの商品のことを聞いてもしっかりと答えてくれ、販売員だからこそ知っている裏技を教えてくれたりもするその接客は、ホスピタリティ面では非常にレベルが高いと言われる日本においてのそれに慣れている私たちでも、満足できるほどなのです。
販売員のトレーニングは「ほぼ毎週行っている」というImelda。「でも何よりも大切なのは、美容に対しての情熱と興味を持っていることね」
ナチュラル&オーガニックビューティに、そしてImeldaの世界観に興味がある方におすすめなのが、昨年の12月に発売されたImeldaの著書、The Nature of Beauty。
私は美容そのものが好きで、一時期オーガニック系コスメにどっぷり浸かっていた時期はあったものの、自分の肌に合うものに境界線はないと思うようになって以来、あまりナチュラル&オーガニックビューティの世界に触れてこなかったのですが、Content Beauty&Wellbeingの世界観や、ナチュラル&オーガニックコスメの持つリラクゼーション作用に惹かれるようになり、Imeldaの著書を購入。私のように「ナチュラル&オーガニックコスメマニア」でない人でも楽しめる内容になっていました。
中身は白黒で、目で楽しむ本というよりは、じっくり読む本。避けるべき成分のリストや、成分表の読み方、お肌の構造などの化学的なお話に加えて、色物コスメに関してはナチュラルコスメ特有のコツ、商品の選び方のヒントなども書かれています。もちろんボディケア、ヘアケア、そしてアロマセラピーにも言及されていて、ナチュラル&オーガニックコスメの世界を一気に堪能できてしまう、辞典のように読み応えのある一冊です。
最近は「使い捨てのコーヒーカップやプラスチックの食器などを減らす、ということをコンセプトにした 'Zero Waste(無駄をゼロに)' というセクションもオープンさせた」というImelda。「オーガニックスキンケアに加えて、こういったライフスタイルのフィロソフィーを提案していくことも、私がずっと興味を持っていたことなの」
素敵なお店に加えて、著書も大好評のImeldaですが「次はどんなことに挑戦したい?」と聞いたところ「世界中のオーガニックブランドを発掘し続けることかな!」と答えてくれました。あくまでも、彼女の芯となるのはナチュラル&オーガニックコスメ。そのブレない感覚こそが、Content Beauty&Wellbeingの魅力なのです。
Content Beauty&Wellbeing
公式サイト ※日本への送料も無料です!
14 Bulstrode Street
London W1U 2JG