THE長文日記

長文とか短文とかのクレームは一切受け付けません

ゲームエンジン内製問題

Taitaiのスレッドでゲンロン8の内容がどうとか盛り上がってる。


まあ俺も思ったよ。「は?なんでゲーム特集やるのに俺呼ばないのさ」と



ゲンロン8 ゲームの時代

ゲンロン8 ゲームの時代

  • 作者: 東浩紀,井上明人,黒瀬陽平,さやわか,吉田寛,橋野桂,イバイ・アメストイ,ランディ・アウ,坂上秋成,アレクサンダー・R・ギャロウェイ,松永伸司,今井晋,オレグ・アロンソン,エレーナ・ペトロフスカヤ,上田洋子,許煜,仲山ひふみ,プラープダー・ユン,福冨渉,速水健朗,辻田真佐憲,市川真人,海猫沢めろん
  • 出版社/メーカー: 株式会社ゲンロン
  • 発売日: 2018/06/07
  • メディア: 単行本
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水臭いじゃん。

そして師匠含め色んな人が疑問を呈している(暇なのかな)



僕はあんまり「超クソゲー」的なゲーム作ってない人たちだけがゲームについて語ったりする本が好きじゃないので内容は読んでません(読む勝ちがあるかどうかまではわからない)。



フロムが内製のゲームエンジンを作ってたっていうくだりが出てくるらしいんだけど、それに関してTaitaiが「なんで内製にこだわるんだろう」みたいなことを言ってた。わかってねーな。


ゲームエンジンをつくるということはゲームプログラマーにとって最大の喜びなんだよ。その仕事だけが唯一、ゲームプログラマーになった理由と言ってもいい。


ゲームプログラマーになるということの意味は、ゲームエンジンをつくること、言い換えれば、宇宙そのものを作り出すことにあるんだよ。


おれはゲームエンジンというのは、数学、哲学、ソフトウェア工学の組み合わさった至高の芸術だと思っている。残念ながらこのゲームエンジンの良し悪しというのは素人にはわからない。


そのゲームエンジンがどのような思想を採用しているか、フレームワークか、ライブラリか、といった実装論から、そのゲームエンジンはどのようなスクリプトを許容するか、C#かJavaScriptか、Luaか、それとも独自のマクロ言語か、そのゲームエンジンは「ゲーム」をどのように定義しているか、2Dまたは3D空間をどのように表現しているか、エトセトラ、エトセトラ。



それを全部決めるのがゲームエンジンの開発なのだ。
さらに、グラフィックスをどう扱うか。素人さんには想像もつかないような苦悩が、グラフィックスの表現にはある。


コンテキストスイッチを最小化するためにオブジェクトとは別のグラフ構造でポリゴンを管理したりとか、半透明の処理を別立てにしたりとかZバッファをどう扱うかとか、今なら影や反射、映り込みの処理をどうするかとか


そういうことを考えるのがたまらなく楽しいのである。
エンジンを組むのが楽しくてゲームプログラマーをやってるやつに「はい、ゲームエンジン買うてきたよ」と見せても「は?」という話である。


F1カーのエンジンの設計者のところに「はい、カローラのエンジンです。これで車作って」と言ったら追い返される。少なくともそれは彼が好きな仕事ではない。



だから経営が内製エンジンにこだわることはまずなくて、プログラマーが内製エンジンにこだわるのはわかる。ちなみにフロムで内製エンジンを作っていた大前広樹は、いまはUnityの日本法人の代表である。



そういう意味ではもう楽しそうな現場はどこにもなくなった。
まあ内製エンジンを散々やった大前さんがUnityに行くというのはわかるけどね。



ちなみに「ゲームエンジン」という言葉のもとになったDOOMを開発したジョン・カーマックは今はOculusのCTOをやってる。


GearVRやOculus Goがすごいのは、単にカーマックが最適化したエンジンがすごいのだと、風のうわさで聞いたことがある。伝説は健在である。これぞコンピュータ・カウボーイ。


サブカル評論みたいな方向性に行くんだったら、ノベルゲーの話だけにとどめておけばよかったのに