トップ > 岐阜 > 6月20日の記事一覧 > 記事
岐阜乗鞍岳にぎわい間近 ライチョウの姿も
高山市と長野県松本市にまたがる乗鞍岳(三、〇二六メートル)に十七日、記者二人と出掛けた。山肌に広がるハイマツの緑と残雪、青空のコントラストが美しく、高山植物も咲き始めていた。国の特別天然記念物のライチョウがえさを探す姿も見られた。 高山市丹生川町の山岳道路「乗鞍スカイライン」の終点、畳平(二、七〇二メートル)から最高峰の剣ケ峰を目指す。近くの鶴ケ池周辺では早くも、キンポウゲ科のハクサンイチゲの白い花や、イチゴのような葉のミヤマキンバイの黄色い花が咲いていた。畳平脇のお花畑の開花はまだ部分的のようだが、見頃を迎えるのは早そうだ。登山道脇のキバナシャクナゲの群落は、柔らかいクリーム色のツツジに似た花が見頃だった。 登山道は歩きやすく、山小屋「肩の小屋」の先は勾配が増した。残雪のある斜面は、踏み跡をたどれば危険はなさそうだが、滑り止め用に簡易アイゼンを登山靴に着けた所もあった。 山頂直下、笑顔で迎えてくれた頂上小屋の町野親生さん(66)は「斜面の雪は少なくない。大雨がない限り七月初めまで残る」と見込む。花は例年より早く「見頃は間もなく。訪れる方は予定を早めてもらう方がいいだろう」と話した。山頂からは穂高連峰や槍ケ岳、中央・南アルプス、御嶽山、白山などの名だたる高峰をぐるりと見渡せた。 帰路、ハイマツの茂みにライチョウが現れた。赤い眉のような「肉冠」は小さく、出会った乗鞍環境パトロール員の女性によると、繁殖期の今、つがいになれなかったオス。調査用の足輪がないため「昨年生まれて一年たたないオス」という。新しい命が生まれ、無事に育っているようだ。
メスたちは抱卵中で、畳平の観光センターにあったチラシによると、ことしは例年より一週間ほど早く六月下旬にヒナが誕生する可能性も。砂礫(されき)地では「高山植物の女王」と称されるコマクサが、ピンクのつぼみを膨らませており、乗鞍は間もなく一年で最もにぎやかな季節を迎える。 (近藤歩) 今、あなたにオススメ Recommended by
|
|