(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年6月18日付)

独移民問題、与党強硬派が首相に最後通告 トランプ氏も干渉

カナダ・ラマルべーでの先進7か国首脳会議に合わせた集合写真の撮影を終え会話を交わすアンゲラ・メルケル独首相(左)とドナルド・トランプ米大統領(2018年6月8日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / POOL〔AFPBB News

 ドイツの首相から、ただ14日間の時間がほしいと頼まれているときに、「ノー」と言える人がいるだろうか。

 言ってのけた人が1人いる。ホルスト・ゼーホーファー氏がその人だ。

 ドイツ内相にして、アンゲラ・メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)の姉妹政党でバイエルン州を地盤とするキリスト教社会同盟(CSU)党首のゼーホーファー氏は、メルケル氏が首相として直面した中で最も深刻な政権の危機を引き起こした。

 ゼーホーファー氏は、ドイツの国境警備隊が他の欧州連合(EU)諸国で難民申請者として登録された人の入国を拒否することを望んでいる。

 メルケル氏は欧州全体としての解決策を求めており、今月末のEU首脳会議まで待ってくれるようゼーホーファー氏に求めた。

 ドイツ連邦議会のCSU議員46人は満場一致でゼーホーファー氏を支持した。

 ある議員は、メルケル氏は3年間もEU全体の合意をまとめられていないと述べた。2週間で何の違いが生じるのか、というわけだ。

 反移民を掲げる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に押されているCSUは、10月のバイエルン州議会選挙を控え、移民に厳しい党として態勢を整えようとしている。