大阪北部地震「横ずれ型+逆断層型が混在」3断層帯が関係か?調査委「特定できず」
大阪府北部で発生した最大震度6弱の地震について、政府の地震調査研究委員会は18日に臨時の検討会を開き、「地震があった北側では逆断層型、南側では横ずれ断層型の地震が発生している」として、周辺の3つの活断層帯が関連した可能性があるという見解をまとめた。
きのうの地震が発生した震源周辺では、きょう午前9時までに発生した震度1以上の余震は計44回にのぼる。このうち最大は、19日午前0時31分に発生した震度4(M4)が1回で、このほか震度3が3回、震度2が7回観測されている。
これらの地震活動は、M6.1が発生した震源周辺の東西約5キロ、南北約5キロのエリアで起きているが、国土地理院が運用しているGPS衛星を使った観測では、有意な地殻変動は検出されていないという。
気象庁の観測によると、M6.1の地震は、地殻内の断層面に対し、東西の岩盤同士が押し合って起きたものだったが、その後の地震は、活動エリアの北側では逆断層型、南側では横ずれ断層型の地震が混在している。
この震源付近には、東西方向に延びる「有馬-高槻断層帯」と、その東端から南北方向に延びる「生駒断層帯」、西端から南北に延びる「上町断層帯」の3つが存在しており、今回の地震はこれらの活断層が関連している可能性があり、どの断層が活動したか断定することはできないという。
関東大震災があった1923(大正12)年以降、今回の震源の南に位置する柏原市から二上山にかけて1936(昭和11)年にM6.4の「河内大和地震」が発生し、推定最大震度5の揺れによって、大阪府と奈良県で死者9人、負傷者59人の被害を出した。
柏原市によると、このときも当初は、大阪府と奈良県の境界付近にある亀の瀬付近にある断層が原因だと報じられたが、その後、東京帝国大学(現在の東大)地震研究所が「震源は二上山の比較的浅いところで起こった局部的な火山現象に似た地殻変動だ」という見解を発表している。
地震調査委員会は、今回の震源周辺の地下構造は複雑なため、活断層を特定するにはさらなる検討が必要だとして、「揺れが強かった地域では、最初の地震よりも大きな地震が起こる可能性もある。2〜3日は警戒が必要だ」と注意を呼びかけている。