食事に未来がやってきた!日本初の完全食『COMP』が、人々を生物的義務から解放する。コンプ代表取締役CEO/開発者・鈴木優太インタビュー

株式会社コンプ
代表取締役CEO/開発者・鈴木優太
(すずき・ゆうた)
1984年島根県生まれ。2007年、東京理科大学理学部卒業。2012年、東京大学大学院薬学系研究科修了、博士号(薬学)取得。医薬化学系メーカーの研究職として3年間勤務。2014年に自宅アパートで半年かけて日本初の完全食を開発。2015年10月に株式会社コンプを創業。

研究とゲームに夢中で食事の時間がない。自身の食生活を変えるべく、自宅アパートで日本初の“完全食”を作りはじめた

「寝食を忘れる」というけれど、仕事や趣味に没頭し、食事の時間が惜しいくらいに感じたことはないだろうか。人からすると食事の余裕もない大変な状況のように見えるかもしれないが、本人にしてみれば、自分がやりたいことに夢中になっている至福の時間だったりする。しかし、当然のことながら何も食べないというわけにもいかない。そこでカップラーメンやコンビニ弁当などで簡単に済ませるわけだが、一応は健康のことを気づかって野菜ジュースやサプリを一緒に飲んだりする。そんなときの食事の目的は、味覚を楽しむことではなく、完全に栄養補給である。

 こうした食生活が長く続くと、いずれは身体を壊してしまいかねない。たとえカロリーバーなどのバランス栄養食を食べていたとしても、全ての栄養素を網羅しているわけではないので、それだけで健康を維持できるというものでもないのだ。そこで登場したのが、人の健康に欠かせない必須栄養素を網羅した“完全食”という新たな食品の概念である。

 2016年4月に発売された『COMP』は、『厚生労働省 日本人の食事摂取基準』に基づき、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維など、健康的な食生活に必須の栄養素を網羅した日本初の完全食である。『COMP』販売元の株式会社コンプの創業者にして開発者でもある鈴木優太氏に“完全食”を作ることになった経緯を聞いた。

「大学と大学院では化学を専攻し、前職は医薬化学系メーカーの研究者でした。とにかく研究が大好きなので会社では実験に没頭し、趣味がプログラミングとゲームなので、家ではUnity(ゲームエンジン)を使ってゲーム作りに没頭するという日々を送っていました。やりたいことが多すぎて食事をとる時間がまったくない(笑)。一人暮らしだと栄養のことを考えることもなくて、おにぎりや菓子パン、カップラーメンで適当に済ませていたんですよね」

 健康のことを考えたつもりでカロリーバーを山積みにして、そればかりを食べながら研究や趣味の活動に没頭していたところ、体調を崩して倒れてしまったという。

「『手軽で健康的な食生活』と言いますけど、手軽さを追求すると健康の選択肢がとりづらくなる。時間がない状況では健康のことまで考えられないですし、サプリで栄養を補うにしても、その栄養素が自分に足りているのか足りていないのかもわからずに摂取していて、自分に必要な栄養素を可視化できていないわけです。一方で“美味しい”ものっていうのは、塩辛かったり脂っぽかったりと、身体に良くなかったりする。食品会社は“美味しいものを売ること”がもっとも優先順位が高いので、何も考えずに食生活を送っていると必然的に健康からズレてしまうんです」

 そんなとき鈴木氏は、「ソイレント」という“完全食”が反響を巻き起こしていることを知った。これはアメリカのエンジニアが食費および食事の時間と労力を削減するために開発したパウダー状の食品で、シリコンバレーを拠点としたスタートアップとして急成長している。

「巷の噂を聞きつけて、『ソイレント』を買ってみたところ、本当に健康的に生活ができたんです。でも、個人的に輸入していて(※日本未発売)、値段も少々高額だったために継続できなかった。完全食というものが作れるということがわかって、しかも作ったのがシリコンバレーのエンジニアですから、薬学を専攻していた自分に作れないわけがないと思い対抗心を抱いたんです。日本で完全食を作っている人間は僕くらいしかいないと思うと、価値ある研究だと思いました」

 こうして鈴木氏は2014年に自宅アパートで完全食の開発をスタート。本来は研究の仕事と趣味のゲームに没頭するための完全食の開発だったが、次第に完全食の研究自体に夢中になっていた。

「最初は栄養学の体系を理解するのに少々苦労しました。健康のために必要な栄養素を漏れなく入れるために配合を設計するスプレッドシートを作って地道に管理していきました。初期はたんぱく質と脂質と糖質が摂取できるきな粉を使っていたんですけど、きな粉の味が強すぎて何を混ぜてもきな粉になるので止めました(笑)。そこで大豆たんぱくと米粉とキャノーラ油に分割することにしたら、わりと飲める味になった。同じ栄養素でも味が変わる組み合わせがあるので、ひたすらいろんな材料を買って試行錯誤しました。スクリーニングというんですけど、米粉を10種類くらい買ってベストな米粉を調べたら、それを固定して、次は油を10種類買って調べるんです。そういうふうにスクリーニングを何周も繰り返すことで最適な配合を探り当てていく。1日10種類以上の条件で検討するのに数カ月かかって、家が粉だらけになりましたね(笑)」

 鈴木氏は『COMP』のプロトタイプだけを食べて3カ月間生活してみたそうだ。以前にカロリーバーばかりの食生活を送って体調不良を起こした鈴木氏だが、健康面はどうだっただろう?

「まさに人体実験ですよね(笑)。最初は体調不良になったんですけど、改良を重ねるうちにだんだん体調が悪くない状態になって、自分の身体の変化が見えて面白かったですね。僕は栄養摂取の反応が露骨に出るタイプで、カップラーメンを食べると翌日、一日中気持ち悪い状態になったりするんですけど、『COMP』だけの食生活では完全にピンピンしてましたね。他に食事を食べなくても大丈夫でしたし、体調の悪い日がほとんどないという事実に自分でも驚きました」

『COMP』だけを飲んで3カ月間も生活でき、しかも健康を維持できるとは実際すごいことである。あらためて鈴木氏が考える“完全食”の定義とは?

「厚生労働省が定めた健康的な食生活を送るための必須栄養素が47種類あるんですけど、これら全ての項目に準拠した食品のことを“完全食”と定義し、『COMP』は全てを満たしています。さらに厚生省の基準を100%とすると、ビタミンCに関しては『COMP』には250%入っていて、ナトリウムだけは低くしなければいけない栄養素なので50%に抑えるなど、最適なバランスで配合しています。サプリメント(supplement)が『不十分な個所を補う』という意味であるのに対し、『COMP』は『全てを補うもの』という意味で『complement』と表現しています。プロテインやサプリといった栄養補助食品は不足した栄養を考えて摂取するものであって、まだ健康について悩む余地がある。それに対して『COMP』は、これで全てだと言い切れます。『あなたはもう栄養について悩まなくてもいい』という価値を提供していることが明らかな違いです」

「完全食」はまだまだ進化の過程にある。次々とバージョンアップできるスピード感こそ、ベンチャーの強み

 2016年の販売開始から2年ほどで『COMP』の利用者は3万人を突破した。やはり鈴木氏と同じように、エンジニアやクリエイター、経営者など寝食を忘れて何かに没頭したいという人の需要が多く、一人暮らしの若い男性に好まれているそうだ。これまでに『COMP』は頻繁にパージョンアップを繰り返している。これが完成形ではなく、まだまだ進化の過程にあるという。

「健康を保つということは、栄養を満たすだけでなく、実は様々な複合要素が裏に潜んでいて、今はそれを一つひとつ潰しているフェーズなんです。たとえば腹持ちがその要素のひとつで、現在はほぼ解決し、普通の食事よりも『COMP』のほうが腹持ちがいいと感じる人のほうが多いくらいです。味に関しても、最初に出したものはかなり不味かった(笑)。今は豆乳みたいな味になったことがひとつのブレイクスルーでしたね。いきなり味が良くなったわけではなくて、不断の努力で少しずつ良くしていったわけです」

 さらに『COMP』は厚生省が定める基準のさらに先へと行こうとしている。

「実は栄養学自体が完成された学問ではなく、日々進化しているんです。誰もが食物繊維が必要だと認知していますが、実は厚生省が基準として策定したのが2000年でわりと最近のことなんですよ。栄養学の世界では1970年くらいに食物繊維が必要だとわかっていましたが、国の基準はレガシーになりがちなので、最新の栄養学に比べて30年くらい遅れているように思うんです。僕たちはその先を目指しています。国が30年後に採用するであろう最新の栄養学のエッセンスを先取りして入れるということをやろうとしています。2018年2月にリリースした『COMP』パウダーのバージョンが4.0なんですけど、今後も年に1回はメジャーアップデートしていく予定です」

 新たに配合した栄養素では、生活習慣病のリスクを抑制する効果が期待されるシナモン抽出物がある。効果のインパクトが高い順からエビデンスが整ったところで採用しているという。また、摂取方法にしても『COMP』は改良を重ねている。当初は水に溶かして飲むパウダータイプのみだったが、現在はドリンクとグミの3種類が発売されている。

「パウダーの発売後、大きなニーズが2つ出てきました。粉末をシェイクして溶かす手間とその後に洗うのが面倒くさいというのがまずひとつ。それを叶えるために2018年4月にリリースしたのがドリンクタイプです。もうひとつは『やっぱり噛んでいたい』という要望があって、それを満たす商品としてグミをリリースしました。グミは味を改良して美味しくなったということもあって、最近売上が伸びています。弊社の特徴はメーカーではありえない速度でメジャーアップデートしていることなんです。グミは2016年7月にリリースしたんですけど、1年の間に4回もアップデートしていますからね」

 意思決定と実装の速さこそ、ベンチャーの強みだ。もともと医薬化学系メーカーの研究者だった鈴木氏は、その違いをどのように捉えているだろう?

「会社が大きいと意思決定のフローが多いので大変だというのもありますけど、やりたいという意志があるかないかの違いが大きいと思いますね。大きい会社にも2種類あって、図体が大きいばかりの会社と、社内ベンチャーのような組織を内部に多数抱えている会社がありますが、後者は速いんですよ。残念ながら現在の食品企業の多くは後者の体制になっていない。僕たちはやる気がある+フローが単純で、まだ販売数が少ないこともあって商品のスイッチングがしやすい。そのためどんどん変えていくことができる。それが僕たちの強みだと思っています」

 大手メーカーの場合、お客さまの声や市場調査といったマーケティング分析の過程を経て商品に改良を加えていくわけだが、コンプではどういった基準で判断しているのだろうか。

「自分が欲しいものを作るという考え方で、基本的にはプロダクトアウトです。対義語として市場の声を聞いて最適なものを出すというマーケットインがあります。ただし僕の場合は普通のプロダクトアウトとはちょっと違っていて、まず自分が作りたいものを徹底的に考えて市場に出すわけですが、その後、お客さまのフィードバックを受けて、自分の視座を上げるんです。そのうえで自分が欲しいものは何かをあらためて問いかける。そうしたサイクルを回すことでより良いものが出てくるんです。マーケットインの一番ダメなところは、お客さまの声に左右されすぎて簡単に軸がブレることです。僕たちはあくまで自分たちの意志で作り続けているので、軸がブレずにレベルを上げていけるし、お客さまの声も聞いているため、一か八かになりにくいんですよね」

 テクノロジーは人々の生活様式を一変させる可能性を秘めているものだが、まさに『COMP』は人々の食生活を変える可能性をもった未来の食品だ。鈴木氏はどんな未来像を描いているだろう?

「よりカジュアルな状況にしていきたいですね。たとえば朝は少しでも長く寝ていたいので、おにぎりやシリアルすら食べないという人も多い。でも『COMP』だったら手軽に飲めますよね。ほかにも忙しいシーンはいろいろあって、たとえば子育て中のママさんや受験勉強の学生さん(※注:コンプは18歳以上の摂取を推奨しています。)など、食事以外の行為に労力と時間を割きたいという場面がありますよね。そうしたときに『COMP』は最高の選択肢なんです。人間は動物ですから、個体を維持するためには栄養・運動・睡眠といった3つの要素と、衛生を保つという要素が必要で、この3+1が満たされてこそ健康といえるわけですが、この生物的義務から人々を解放することが僕の夢なんです。栄養について思考的な労力を割かなくてもいい社会を作りたいですね」

 本来、食事は栄養補給である。しかし、一方では娯楽であり快楽でもある。それを否定しているわけではなく、豪華なディナーを食べに行ったり、人と会食したいときは普通に食事を楽しめばいいし、他にやりたいことがあるときは『COMP』で済ますというふうに、もうひとつの選択肢が提示されたのだ。ちなみに鈴木氏はもともと食にあまり興味がないらしく、普段は朝昼晩と『COMP』で済ませているが、メンバーと会食するときは普通に食事を楽しんでいるそうだ。

研究畑を10年以上歩み、レガシーな業界からベンチャーの創業者に転身。『COMP』ができたことで、頭のヒューズが飛んだ⁉

 医薬化学系メーカーの研究者時代に『COMP』を開発するようになった鈴木氏だが、もともと個人的な使用目的であり、起業を目的として『COMP』を作ったわけではなかったはず。潜在的に起業願望があったのか、それとも『COMP』を市場に送り出すために起業という道を選んだのか。研究者時代から起業に至るまでの経緯を聞いた。

「もともとコンピュータが大好きで、大学はコンピューターサイエンスの学部に進みたかったんですけど、親に反対されて一番成績が良かった化学を選択することになったんです。当初はムカついていましたけど、東京理科大学の理学部化学科に入ったら、それはそれで楽しかったんですよね。特に有機化学という分野が好きで、これは石油からいろんな機能性のプラスティックや医薬品を作る分野なんですが、パズルみたいな面白さがあって次第に魅了されていったんです」

 その後、鈴木氏は東京大学大学院の研究室に入り、その分野を究めていくつもりだった。当時は将来をどんなふうに見据えていたのだろうか。

「大学の温室育ちの研究者は、みんな大企業に行きたがるんです。レガシーな安定企業に行くことこそ最善の生き方だとみんなが思っているような環境で、ベンチャーなんてとんでもない。中堅企業に就職したとしても大企業への転職を目指すという感じで、キャリアアップが完全に一方通行なんですよね。給料もいいですし、環境も整っているので実際それは正解なんです。だけど、某大手製薬会社ですら、数百人の研究職を一気に半数ほどもリストラするような時代ですから、そもそも大企業に行くことが安定なのか?と当時から疑問を感じていました」

 疑問を抱きつつも鈴木氏は医薬化学系メーカーに就職し、研究者として3年間勤務した。大学時代から数えて10年以上も研究畑を歩んできたわけだが、研究の面白さや醍醐味とは?

「石油に硫黄やリンなどからなる天然素材を混ぜて高熱にかけると、物質同士が反応して違う物質になるんです。その際の設計の妙が有機化学者のテクニックです。僕は石油から医薬品を作ることより、プラスティックを作るほうが好きでした。化学を追求していくと、この石油とこの原料を混ぜると、こういう性質のプラスティックが合成できるはずだという仮説が立てられるようになるんです。硬い、しなやか、伸びるというふうに分子の設計によって自分が考えたとおりの物質ができる。たとえば炭素の数を増やせば水掃けのいい性質になるはずだと考えて、実際にやってみると本当に水掃けがいい物質ができる。自分が考えたとおりにできたときの万能感が大きいです。『僕が世の中を操ってるんだ!』みたいな(笑)。まさに錬金術師ですよね」

 こうした研究者魂こそが、『COMP』を生み出したのだ。しかし、当初は“完全食”に対する研究者としての興味だったはず。どの辺から起業を意識するようになったのだろうか。

「もともと会社に骨をうずめる予定だったんですよ。起業も考えていましたが、そもそもやり方がまったくわからないし、起業しても失敗して死ぬようなイメージしか持てなかった。最初は副業として家のバスタブで『COMP』の粉末を大量に作ってネット販売していたんです。そのときの購入者の中にけっこう起業家の人が多くて、『起業すればいいじゃん』と気軽に言うわけです。人の人生をなんだと思ってるんだって(笑)」

 ネット販売の購入者のひとり(元COO)と意気投合し、鈴木氏は起業を決意するのだが、メーカーの研究職を辞めることに抵抗はなかったのだろうか。

「そのときの心境を端的に表現すると、ヒューズが飛んだというか、発作みたいな感じでしたね(笑)。後に共同創業者となる人と土曜に会ってすごくテンションが上がって、何も考えずに日曜には退職願いを書いていて、月曜には上司に渡していました。冷静になってみると、あれ……僕は何やってんだろう?みたいな感じで、実感がまったくない状態のまま退職手続きが進んでいましたね」

 こうして起業することだけが決まったわけだが、ファーストステップはどう動いたのだろう?

「最初は自社工場を持とうと思っていて、埼玉の貸し工場を調べたりしていました。しかし、仮に工場を持ったとしても、今後、作るものがどんどん変わっていくため、装置を買ってもいずれ意味がなくなる。そう考えたとき、ベンチャーってそもそもそういう概念じゃないよなと。変化に耐えうる選択肢をとらなければいけないと考えて、いろいろ勉強した結果、クラウドファンディングを知ったんです。頭金を先に徴収できる予約システムだと理解しましたね。OEMについても勉強して、外部の工場に委託できることがわかった。この2つを組み合わせるのがベストだと判断したんです」

 研究者タイプの人は、経営面のビジネスサイドの思考やマーケティングが苦手というイメージがある。筋金入りの研究者だった鈴木氏は、スムーズに順応できただろうか。

「今でも苦手といえば苦手です。当時は福島に住んでいたんですけど、上京して入居したところがコワーキングスペースになっていて、何人かベンチャーをサポートしてくれる人がいたんです。起業塾みたいな場を設けてくれて、チーム作り、マーケティング、ブランディングといった概念を一通り教えてもらいました。それを理解してすぐにできるようになったわけではないですけど、相談できる相手ができたことは大きかったですね。起業して気づいたのは、僕の能力を突き詰めて考えると、一番の強みは旗振り役になれることだと思ったんです。自分に専門能力がなくても、できる人を集めたり、一緒に仕事ができて楽しいと思ってもらえる環境をつくる能力はある。おかげさまで今はマーケティングの人も入社してくれましたし、経理や広報のメンバーもいて、事業が回る仕組みになってきたため、売上も上がってきています」

 あらためて振り返ると、意図せずしてリーンスタートアップと同じような手法を行っていたという実感があるそうだ。しかし、もともと寝食を忘れるほど研究が好きだった鈴木氏が、現在は経営者の仕事が大半になり、物足りなく感じないだろうか?

「僕の特徴なんですけど、けっこう何にでも興味を持ちやすいんですよ。追求したくなる興味が発生すると、とことん集中するところがあって今は経営が楽しい(笑)。外と内側の両方に面白さがあって、内側ではチームを作っていくことの困難を一つひとつ解決したときの喜びがあって、僕の好奇心を刺激していますね。外については、ユーザーの反響がわかることが大きいですね。『COMP』によって、やりたいことに夢中で打ち込めるようになった、人生が変わりました、といった声が本当に多いんです。少しずつ『COMP』が広がっていって、世の中に貢献していることを実感できることがうれしいですね」

鈴木優太氏を知る3つのポイント

座右の銘/『自己信頼』ラルフ・ウォルドー・エマソン/著

「オバマ元大統領の座右の書とされている本です。『付和雷同せず、常に自己をよりどころとして生きよ』という内容で、27歳のときに読んだんですが、読む前と後では行動パターンが完全に変わりましたね。なかでも看護師さんが末期病患者100人の最期に立ち会って、ひとつだけ質問をする話が印象的でした。『今、人生に後悔していますか? 満足していますか?』と質問して、後悔している場合、その理由を聞くわけです。すると9割が不満足だと答え、その理由としてほとんどの人が同じ回答をする。人に左右されず、もっと自分のやりたいことをやって自由に生きるべきだったと……。僕は親に反対されてコンピューターサイエンスの道に進まなかったことをはじめとして、自分の決断を人の意見に委ねすぎてしまうことが多かった。様々な人生の岐路があるわけですけど、人の意見に左右されていると、結局、自分の人生を生きないことになってしまう。この本を読んで一気に考え方が変わりましたね」

座右の漫画/『蒼天航路』李學仁/原作・原案、王欣太/作画

「座右の書をマンガで挙げるとしたら『蒼天航路』です。三国志の曹操を主人公にした作品ですが、この話こそ天下を目指して自分のやりたいようにやる『自己信頼』を地でいく人たちの話ですよ。自分の意志で生きている姿に憧れますね。等身大の自分を見たとき、ぜんぜん追いついてないと思いますけど、『自己信頼』や『蒼天航路』の像に少しでも近づきたいと思って日々生きてます」

チームづくりで大切にしていること

「個人のやりたいことと会社のやりたいことを一致させることを大事にしています。理想をいうと公私混同すべきだと思っています。そもそも、なぜ仕事とプライベートが二分化されているのか疑問です。難しいですけど、仕事とプライベートの垣根を越えることができれば、幸せな生き方への大きなフェーズに至れるはずなんです。だからこそ個人と会社のやりたいことを一致させたい。みんなに公私混同を課しているわけではないですけど、弊社ではそれを目指しています」

取材・文●大寺 明

「夢中」をサポートする完全バランス栄養食
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