弁護士ドットコム - 無料法律相談や弁護士、法律事務所の検索

2018年06月19日 18時38分

教授が「判例百選」コピーし生協で販売…「有斐閣」がひどすぎる著作権違反事例を公表

教授が「判例百選」コピーし生協で販売…「有斐閣」がひどすぎる著作権違反事例を公表
有斐閣の判例百選シリーズ

法律の専門書で知られる出版社「有斐閣」(東京都千代田区)は6月18日、自社が発行する判例集「判例百選」などの著作物が違法にコピーされたり、ネット上に掲載されたりした著作権法違反事例を公表した

中には、大学教授が自身が作成したレジュメと1冊丸ごとコピーした「判例百選」を綴じ込み、「製本代がかかったから」と生協で有償販売した事例もあった。

同社の担当者は「悪気がなくてやってしまっているケースも多い。著作権法は世間一般にきちんと理解されていないところがあり、啓発の意味も込めて公表した」と話す。

●担当者「わかっているものは氷山の一角」

今回ホームページで発表された5つの事例は、いずれもこの2〜3年の間に発覚したもの。特に悪質で典型的な事例をピックアップした。

例えば、留学生向け予備校A社は、「知的財産法」を1冊丸ごと電子データ化。教材として印刷し生徒に無償配布することで、生徒集めに利用していた。A社は事実関係を認め、一定の損害額を支払うことで和解している。

また、大学教授が有斐閣アルマの入門シリーズ1冊全部をPDF化し、受講生に送付した事例もツイッターで発覚した。投稿者からの返信が得られず、侵害者は特定できなかったという。

こうした著作権法違反の事例は、読者などからの情報提供で発覚することが多いと言い、有斐閣の担当者は「わかっているものは氷山の一角。摘発するのが目的ではなく、著作権法を正確に理解していただき、法律違反にならない範囲で使用していただきたい」と呼びかけていた。

(弁護士ドットコムニュース)

この記事へのコメント

コメント内容を確認する
コメントの送信に失敗しました。

コメントの送信時にエラーが発生しました。
もう一度コメントを入力してください。

再読み込みする
バナーの画像、書かれている内容は「あなたの体験を記事にしませんか?体験談募集」