希望条件から転職エージェントを探す
転職エージェントとは?
転職エージェントとは、転職を希望している『個人』と、新たな人材を求めている『企業』をマッチさせるサービス・会社・コンサルタントのことをいいます。
あなたが転職しようと考えたとき、自分のキャリアや希望する条件などをもとに、あなたにとって最適な就職先を見つけようと思うと膨大な時間がかかってしまうでしょう。
また、人材を募集する企業側も、自ら募集をかけて転職希望者すべてを選考していては、いくら時間があっても足りません。
転職エージェントは、『転職を希望する個人』と『人材を求める企業』のニーズをヒアリングし、双方にとって最適なマッチングを成功させるサービス・会社なのです。
なお、転職エージェントを運営するには、厚生労働省の許認可免許が必要で、日本には約1万8,000件もの転職エージェントが存在します。
※転職エージェントに関して情報収集するときの注意点 |
ネットで『転職エージェント』と検索すると、膨大な量の情報に触れられます。 |
転職エージェントがあなたにしてくれること
転職エージェントには、キャリアコンサルタントと呼ばれる各業界や職種に精通したプロフェッショナルが在籍しています(転職エージェントによっては、キャリアアドバイザー・キャリアパートナーなどと呼ばれることもあります)。
転職エージェントに登録すると、転職希望者一人ひとりをキャリアコンサルタントが担当し、あなたの転職を成功に導くため、以下のようなことをしてくれます。
- 将来を見据えたキャリア形成
- 面接対策
- 面接の日程調整
- 面接後の企業評価のフィードバック
- 入社の条件交渉
- 退職のアドバイス
ここでは、それぞれの内容について詳しく見てみましょう。
【関連記事】転職エージェントを比較して最適なエージェントを選ぶ全知識
①将来を見据えたキャリア形成
転職エージェントの仕事は、個人と企業をマッチングさせることだとお伝えしましたが、転職エージェントがあなたにしてくれることのなかで最も重要なのは『将来を見据えたキャリア形成』だといってもいいでしょう。
転職をする際は、今まで培ってきた業界知識や職種経験を活かすことが一般的ですが、ご自身で転職先を決めてしまうとそれまでと変わらない業種・職種に転職するケースが多く見られます。
キャリアコンサルタントは、あなたがこれまでに培ってきた業界知識や職種経験のほか、あなたの適正やそれまでの会社の評価、そしてあなた自身が希望するキャリアなどをヒアリングし、あなたに最適な、将来を見据えたキャリア形成を行ないます。
あなたが今後どうなっていきたいのか、そのためにはどういった転職先を選ぶべきなのかという、転職活動の奥にあるその人の本質的な部分を見極めて、自分ではわからない市場価値の発見や、キャリアの提案などを行ないます。
②面接対策
新卒のときと違い、転職ではポテンシャルで採用されることはほとんどありません。そのため、面接ではあなたが転職先の企業に入社することでどのように貢献できるかを、あなたの言葉で伝えきらなければなりません。
面接対策を怠ると、本来は転職先で活躍できる力があるにもかかわらず、面接官にあなたの魅力が伝わりきらず不採用、ということにもなりかねないのです。
どのような言葉で、どのように伝えるのか、さらにどのような表情でどんな声で伝えるのかによって、面接官の印象は大きく変わります。キャリアコンサルタントは、あなた自身であなたの魅力を伝えられるよう、面接対策のアドバイスも行ないます。
③非公開求人の紹介
転職エージェントが抱える求人には、非公開のものが多数存在しています。転職エージェントでは、この非公開求人も紹介してくれるのです。
非公開求人とは、企業のホームページや求人広告などで、一般に広く募集していない求人のことを指します。
なお、転職エージェントによっても異なりますが、一般的に転職エージェントで紹介する求人の7割~8割程度が非公開求人であるといわれています。
企業が非公開で求人を募集する理由
企業はどうして転職エージェントに非公開で求人を出すのでしょうか。その理由として、主に以下の3つが挙げられます。
- 競合他社に採用の情報を知られたくない
- 採用コストの削減
- 社内の従業員や取引先を不安にさせたくない
新規プロジェクトや重要な事業戦略などで新たに人材が必要であるとき、求人を公開すると競合他社にその情報が知られてしまいます。そうなると競争上の優位性を保てなくなるというリスクが発生します。
また、求人を公開すると、場合によっては多くの転職希望者が殺到するケースもあります。採用には、履歴書の閲覧や電話連絡、面接など多くの時間や労力が発生しますが、応募者が膨大になれば一人ひとりにしっかりと対処できません。転職エージェントを通じて非公開で求人を出しフィルタリングすることで、採用にかかるコストを削減しているのです。
また、公開して新たに人材を募集すると、社内の従業員や取引先の人が「あの人辞めるのかな…。」などと不安になってしまうこともあるでしょう。社内・取引先に知られることなく採用活動をすることで、周囲の人を不安にさせることを防いでいるのです。
④面接の日程調整
転職活動は働きながら行なうことが一般的です。現職が忙しい場合や、複数の企業の面接を同時並行で行なうと、面接の日程調整をすることが困難なケースもあるでしょう。
キャリアコンサルタントは、面接の日程調整といった細かな対応もしてくれます。
忙しく働くなかでの日程調整は心理的負担になりがちですが、転職エージェントを利用すればそのようなことを心配する必要はなくなります。
⑤面接後の企業評価のフィードバック
これは転職エージェントにもよりますが、面接後の企業評価をフィードバックしてくれるケースもあります。
仮に不採用となってしまった場合に、どうして不採用だったのか、面接時の受け答えの中でどのようなところがよくなかったのかなど、転職希望者であれば気になるポイントのはずです。
フィードバックをもらうことで、次の面接の対策にもなりますし、不採用であった理由を知ることで気持ちの切り替えも早くなるでしょう。
⑥入社の条件交渉
面接を経て採用となれば、入社の条件を交渉しなければなりません。給与や入社日の決定などは非常に重要な項目ですが、転職希望者本人で行なうとなると、気が引けるという人が多いでしょう。
キャリアコンサルタントは転職希望者のニーズをヒアリングし、企業との間に入って条件の交渉までしてくれます。
あなた自身で企業と交渉をした場合には、あなたへの印象が悪くなってしまう可能性もありますが、キャリアコンサルタントが代わりに交渉を行なうことで、スムーズな入社ができます。
⑦退職のアドバイス
転職が成功しても円満に退職しなければ、今後もと居た会社が取引先になった場合などに困ることにもなりかねません。
転職活動においては、転職先を見つけることも大事ですが、円満退職することもそれと同じくらい大事だということを覚えておきましょう。
キャリアコンサルタントは、あなたが円満退職できるように、具体的にアドバイスをしてくれます。それにより、転職後も心おきなく働くことができるはずです。
転職エージェントと転職サイトの違い
転職エージェントと似たようなサービスに、転職サイトと呼ばれるものもあります。
転職サイトは求人広告のみを掲載しているサービスで、キャリアの洗い出しや、応募する求人の選考、面接対策、入社の条件などはすべて自分で行なう必要があります。
転職エージェントと転職サイトは大きく異なっており、結論から言うと、転職を考えているならサイトの利用だけでなく、転職エージェントに相談することをおすすめします。
転職エージェントと転職サイトの違いを一覧にまとめましたのでご確認ください。
比較項目 | 転職エージェント | 転職サイト |
転職成功率 | ◎ | ○ |
サポート体制 | ◎ | △ |
企業の情報量 | ◎ | △ |
求人数 | ○ | ◎ |
交渉・面接設定 | ◎ | △ |
手軽さ | △ | ◎ |
ここからは、それぞれの項目について補足で説明します。
【関連記事】転職エージェントと転職サイトの違いと賢い利用方法
転職成功率
転職エージェント
職務経歴書の書き方から面接対策、採用担当者が見ているポイントなどをアドバイスしてくれるため、内定率が格段に上がります。
転職サイト
求人サイトや他の情報源から学んだことを活かして面接に挑みます。頑張り次第でしっかりと入社を勝ち取ることができます。
サポート体制
転職エージェント
あなたの適性とあなたの希望をヒアリングしたうえで最適な業界、職種、企業を一緒に考えてくれます。
転職サイト
求人サイトに書かれている転職のノウハウなどを読んで、自分の転職活動に活かしていくことになります。
企業の情報量
転職エージェント
企業の採用担当者とも綿密に議論を交わしているキャリアコンサルタントなので、求人サイトには載っていないような企業文化や内部環境についても情報を提供できます。
転職サイト
求人サイトに公開された、企業が公開する情報はすべて確認可能です。
求人数
転職エージェント
一緒に立てたキャリアプランをもとに、あなたに合った求人を厳選して紹介してくれます。非公開求人も多数存在します。
転職サイト
求人サイトに公開されている企業の求人情報はすべて確認、応募が可能です。
交渉・面接設定
転職エージェント
企業への応募から面接設定、入社の条件交渉などもキャリアコンサルタントがすべて行ないます。
転職サイト
応募や面接設定、給与交渉などすべて自身で行ないます。
手軽さ
転職エージェント
専属のキャリアコンサルタントがカウンセリングを行なって一緒にキャリアプランを立てていきます。そのため手軽さはないかもしれません。
転職サイト
どの求人に応募するのか、いつから面接を始めるのかをすべて自分で決められるので、手軽さは勝るでしょう。
転職エージェント利用の流れ
転職エージェントを利用した場合、内定までは以下のような流れで進みます。
①登録
②面談
③求人紹介
④面接対策
⑤選考
⑥内定
事前に把握しておくことで利用のイメージも湧きやすいはずです。
一度確認しておきましょう。
①登録
まずは、転職エージェントに登録しましょう。前述の通り、転職エージェントには『総合型』と『特化型』があります。あなたの望むキャリアに応じてどちらの転職エージェントに登録すべきか慎重に選びましょう。
また、転職エージェントは複数同時に利用できます。3社以上登録することをおすすめします。
②面談
登録後、2~3日以内にキャリアコンサルタントからあなたに連絡があり、面談を行ないます。あなたの職歴や転職したい理由、これからのキャリアの展望などを伝えましょう。
なお、面談では以下のような内容について聞かれることが多いです。
- 転職する理由
- これまでの職歴
- あなたの強み
- 希望するキャリア
- 転職後の希望年収
- 希望する転職時期
仮に将来のビジョンが明確になっていない場合には、キャリアコンサルタントがあなたからヒアリングした希望をもとに、最適なキャリアを提案してくれます。
【関連記事】転職エージェント面談前日までに要チェック|必須の事前準備
③求人紹介
面談の内容をもとに、キャリアコンサルタントがあなたに最適な求人を紹介してくれます。このときすぐに応募することは控えましょう。
紹介してくれた求人が、すべてあなたに適しているとは限りません。
複数の転職エージェントに登録した場合は、すべてのキャリアコンサルタントとの面談後、紹介してくれた求人のなかから自分に合うと思うものを10~20社程度まで絞ってから応募するようにしてください。
なお、求人を選ぶ際は以下の点をしっかり考えることをおすすめします。
- 転職先で現状の不満を解決できるか
- 自分のキャリアに合った仕事ができるか
- 自分の人間性と企業の社風は合致しているか
④面接対策
応募する企業が決まったら、キャリアコンサルタントと面接対策を行ないます。また、履歴書や職務経歴書の添削をしてくれることも一般的です。
なお、転職する場合には、人事担当者との面接と、職場の担当者(実際に希望する部署で働いている人)との面接の2種類あるケースがあります。
人事担当者との面接では、自社の社風に合う人間か、どのような職歴があるかなどを、職場の担当者との面接では、仕事の能力が十分にあるかなどを判断されますので、それぞれの対策が必要です。
⑤選考
転職の選考は主に以下のような流れで進みます。
①書類選考
②筆記試験
③面接
なお、面接は複数回行なうことが一般的です。
選考途中も、日程の調整や、面接後のフィードバックなど、キャリアコンサルタントのサポートを受けながら転職活動を行ないます。
⑥内定
面接に合格すれば、内定となり転職先の企業で働くことが決定します。
その後も、キャリアコンサルタントは年収や入社日の交渉などを行ないますし、現職を円満退職するためのアドバイスなどをしてくれるケースもあります。
転職エージェントを利用するメリット
転職エージェントがあなたにしてくれることや、転職サイトの違いは理解していただけたと思います。
では、転職エージェントを利用するメリットは何なのでしょうか。
具体的には以下の内容が挙げられます。
- 転職に必要なサポートを無料で受けられる
- あなたに最適な求人を提供してもらえる
- 転職に成功する確率が格段に上がる
- キャリアに自信がない人も転職を成功させられる
- 転職に必要な煩わしい作業がなくなる
それぞれを順に解説します。
【関連記事】転職エージェントを利用するメリットとデメリットの全知識
①転職に必要なサポートを無料で受けられる
前述した『転職エージェントがあなたにしてくれること』は、すべて無料です。
転職エージェントは、転職希望者と企業をマッチングさせて、はじめて企業から報酬が得られるというビジネスモデルなのです。そのため、仮に転職エージェントを利用して転職に失敗したとしても、経済的な負担が発生することはありません。
面接対策や入社の条件交渉などのサービスはすべて無料で受けられるのです。
【関連記事】転職エージェントの費用は無料|求職者に費用が発生しない理由
②あなたに最適な求人を提供してもらえる
キャリアコンサルタントは、企業の採用担当や役員などと直接やり取りをし、どのような人物を必要としているか直接ヒアリングしています。
単なる求人用件だけでなく、どのような人物を必要としているか、どうして新しい人材を必要とするのか、どういった人が活躍しているのか、どういった労働環境で、福利厚生はどうなっているかをしっかりとチェックしています。
転職エージェントは多くの求人情報を抱えており、その中からあなたに最適な求人を提供できます。
③転職に成功する確率が格段に上がる
転職エージェントに相談することで、自分の客観的な魅力が発見できたり、効果的なアピール方法もアドバイスしてもらえたりするので、転職に成功する確率は自分一人で転職活動をするよりも高まります。
また、転職エージェントは転職希望者のサポートをするという仕事以外に、企業から『求人を預かる』という仕事も担っているため、どの企業がどのような人材を欲しているかを明確に把握しています。
そのため、企業からすると転職エージェントから紹介されている人材はある一定の基準は超えている、と判断され、内定を取りやすくなるのです。
さらに、キャリアコンサルタントは面接に同行するケースもあります。面接後は採用担当同士で転職希望者のうちどの人を採用するか話し合いをしますが、キャリアコンサルタントも参加し、面接で伝えきれなかったあなたの強みを採用担当に伝えることもあるのです。
④キャリアに自信がない人も転職を成功させられる
前述のとおり、キャリアコンサルタントは転職に必要なさまざまなサポートを提供します。
今までのキャリアに自信がない人は、
「転職活動をしても市場価値が低くて、採用してくれる企業なんてないんじゃないか」
「私のキャリアでは、転職エージェントも相手にしてくれないんじゃないか」
と不安になることもあるでしょう。
たしかに、一定のキャリアを満たさなければ応募できない求人や、相手にしないドライな転職エージェントが存在することも事実です。
しかし、転職エージェントにはそれぞれの特徴があり、キャリアに自信がない人もしっかりとサポートする『サポート重視の転職エージェント』も存在します。
⑤転職に必要な煩わしい作業がなくなる
キャリアコンサルタントは、面接日程の設定や入社条件の交渉など、転職につきまとう煩わしい作業までサポートしてくれます。
ただでさえ転職する際には時間や手間などのコストが発生しますが、上記のような煩わしい作業まであなた自身で行なうとなると、心理的負担は大きいでしょう。
キャリアコンサルタントに作業を代わりに行なってもらうことで、転職活動に集中できるようになります。
転職エージェントを利用するデメリット
転職エージェントを利用するデメリットも確かに存在します。それは以下のようなものが挙げられます。
- キャリアコンサルタントが未熟なケースがある
- 利益重視のキャリアコンサルタントも存在する
- 市場価値が低い場合、紹介を受けられないことがある
- 転職までに時間がかかるケースもある
それぞれの内容について具体的に見てみましょう。
①キャリアコンサルタントが未熟なケースもある
転職に必要なあらゆるサポートは、キャリコンサルタントが行ないます。そのため、転職が成功するか否かはあなたを担当するキャリアコンサルタントの腕にかかっているといっても過言ではありません。
どの転職エージェントを選ぶかよりも、力量があるキャリアコンサルタントにサポートをしてもらえるかのほうが重要なのです。
しかし、キャリアコンサルタントになってまだ日が浅い人や、経歴は長いけれど、スキルアップしていない人も少なからず存在します。
そのような未熟なキャリアコンサルタントがあなたをサポートした場合、転職がうまくいかないかもしれません。
②利益重視のキャリアコンサルタントも存在する
転職エージェントは、転職希望者と企業がマッチングしてはじめて報酬が支払われるというビジネスモデルですので、キャリアコンサルタントにはノルマが存在します。
自分のノルマを達成するために、場合によっては最適でない転職先へ誘導したり、強くすすめたりするというケースも考えられます。
そのため、キャリアコンサルタントの言葉を鵜呑みにするのは危険です。キャリアコンサルタントはあくまであなたをサポートする存在であると認識し、最終的な就職先はあなた自身で選ばなければなりません。
③市場価値が低い場合、紹介を受けられないことがある
転職エージェントによっては、市場価値が低い場合転職希望者を相手にしないケースも考えられます。具体的には以下のような人です。
- 現職での年収が極端に低い
- 長い間正社員として働いてない
- 未経験から正社員への転職を望んでいる
- 高齢である
ただし、転職をする際必ずしも転職エージェントを利用しなければならないということはありません。上記のような人は転職サイトの利用も検討するようにしてください。
④転職までに時間がかかるケースもある
企業とあなたとの間にキャリアコンサルタントが入り、さまざまなやり取りをしますので、その手間が発生する分、転職するまでに時間がかかるケースもあります。
一般的に転職エージェントを通した場合、転職まで1ヶ月程度、長い場合には3ヶ月程度の時間がかかります。
企業も転職エージェントを利用するメリットがある
転職エージェントのビジネスモデルは成功報酬です。転職希望者と企業がマッチしてはじめて利益が出ます。
報酬額は平均して採用時の年収の約20%~35%程度だといわれています。つまり、年収600万円の人が転職した場合、企業は転職エージェントに対して約120万円~210万円もの報酬を支払うのです。
転職者一人に対して企業がそこまで高額な金額を支払うのには、以下のようなメリットがあるからです。
- 採用コストを削減できる
- ミスマッチを防げる
①採用コストを削減できる
自社で新たな人材を募集した場合、すべての希望者の職務経歴書に目を通したり、面接をしたりすると、膨大な時間と労力がかかります。
しかし、転職エージェントを介して選考する人は、その企業が望む人物像や経験などを厳選して紹介されるため、採用にかかるコストが大幅に減るのです。
②ミスマッチを防げる
採用する企業が心配していることとして、転職者と企業のミスマッチが挙げられます。
転職者が実際に働いてみたものの、
- 仕事内容が自分の実力に合っていない
- 仕事で成果が出せない
- 社風が合わない
といった理由により、短期間で辞職してしまっては、また新たな人材を採用する必要があり、事業に支障が出る可能性があります。
転職エージェントを利用し最適な人材を紹介してもらうことで、ミスマッチを防ぐことができるのです。
転職エージェントの種類
転職エージェントは全国に約1万8,000件存在することはお伝えしましたが、その中でも大きく分けると『総合型』と『特化型』の2つに分かれます。
総合型転職エージェントは職種や業界を限定せず、あらゆる求人を紹介している一方で、特化型転職エージェントは特定の業界や職種に限定して求人を紹介しています。
それぞれの違いについて詳しく見てみましょう。
総合型転職エージェントの特徴
総合型転職エージェントは、大手の転職エージェントに多く、あらゆる業種や職種を幅広く紹介してくれます。「未経験の職種に挑戦してみたい」「自分が進むべきキャリアが明確になっていない」などのニーズを持つ人におすすめの転職エージェントです。
紹介する企業が大手有名企業であることも少なくありませんので、ネームバリューを重視する人も安心して利用できるといえるでしょう。
ただし、転職エージェントによっては、幅広く紹介できるもののキャリアコンサルタントが業界知識を深く理解していないというケースもありますので注意が必要です。
おすすめの総合型転職エージェント
リクルートエージェントは業界NO1の求人数を誇る転職エージェントです。非公開求人も多数紹介しています。
●type転職エージェント
type転職エージェントは、転職希望者に寄り添い、手厚いサポートを提供する転職エージェントです。
●パソナキャリア
パソナキャリアは、多くの企業と深くつながっており、独占求人も多く紹介する転職エージェントです。
●マイナビエージェント
マイナビエージェントはキャリアアドバイザーの能力が高く、利用者の評判が高い転職エージェントです。
特化型転職エージェント
特化型転職エージェントは、金融やIT・SEなど、特定の業界や職種に特化して求人を紹介する転職エージェントです。転職をサポートするキャリアコンサルタントも業界出身者であるケースが多く、深い知識をもとにしたサポートを受けられます。
「この業界で自分のキャリアを積み上げたい」など、自身の進むべき道がはっきりしている人におすすめの転職エージェントだといえるでしょう。
ただし、転職活動中に「本当は自分のやりたいことは他の業界や職種だった」「自分の職種経験を活かせる業界が他にもあった」ということに気づいた場合、はじめから転職活動をやり直すことになりかねません。
特化型転職エージェントは専門性が非常に高いので、「この業界で生きていく」と明確に決まっている人には最適ですが、転職をしながら将来のキャリアについて少しでも考えたいという人は、総合型転職エージェントも同時に利用するべきだといえるでしょう。
業界別おすすめ特化型転職エージェント一覧
転職エージェントの利用をおすすめしたい人
ここでは、転職エージェントの利用をおすすめしたい人をまとめました。
- キャリアアップや収入アップを目指したい人
- 志望業界や職種が定まっていない人
- 未経験の業界や職種にチャレンジしたい人
- 転職の面接に自信がない人
- 書類選考の通過率を高めたい人
- ブラック企業かどうか見分けられない人
- 複数社の面接を並行して行なう人
- 企業に勤めていて昼間会社から出られない人
少しでも当てはまると思った人は、一度転職エージェントの利用を考えてみてください。
【関連記事】転職の成功例|成功した人の共通点と成功の定義まとめ
①キャリアアップや収入アップを目指したい人
今までの経験に自信があり、転職でキャリアアップや収入アップを目指したい人には、転職エージェントの利用は最適だといえるでしょう。
転職エージェントは、あなたの経験や実力を評価し、あなたが望むキャリアを実現することが一番の仕事です。
求めるキャリアや収入に最適な求人を探し出して、あなたに提供できますし、そのためのサポート体制も充実しています。
②志望業界や職種が定まっていない人
転職活動をしている人は今の職を退職する理由は明確に持っているのですが、次にどのような業界で働きたいのか、どの職種でやっていきたいのかを明確にイメージできている人は多くありません。
「現在の職、過去の職の不満を払拭したい」という理由だけで転職活動を自分一人で進めてしまうとても危険です。次の職場でも別の理由を挙げて転職したくなってしまい、何度も転職を繰り返すことで新卒よりキャリアダウンしてしまう、ということになりかねません。
そうならないためにも転職の成功事例、失敗事例を数多く見てきているプロのエージェントに相談することで、長期的にどういうキャリアを積んでいきたいのかをしっかりと見極め、現実的なキャリアプランを練っていくとよいでしょう。
③未経験の業界や職種にチャレンジしたい人
これまでの業界、職種ではなく新しい業界や職種でチャレンジしたい、といって転職活動をしている人は多くいますが、自分一人で行なうとイメージ先行で会社を選んでしまうため、面接のときや実際に入社したときのギャップが大きくなる危険性があります。
面接官からも「この人、イメージだけでうちの会社を受けに来てるな」と思われてしまい、内定ももらいにくいのです。
希望の業界に精通している転職エージェントに相談することで、具体的な仕事内容や会社の実情を教えてもらえるだけでなく、本当に自分がその業界でやっていきたいかどうかも冷静に判断することができます。
実情を分かったうえで面接を受けに行くので、内定も当然もらいやすくなるでしょう。
④転職の面接に自信がない人
前述の通り、転職エージェントでは面接の対策をしてくれます。
実際にキャリアコンサルタントが面接官となり、あなたが転職を希望する理由や自身の強みについて面接でしっかりと伝えきることができるかの確認を行ないます。
面接対策後はフィードバックもあるため、客観的に改善点を指摘してもらえるので、面接に自信がない人も、対策を練ることで自信をもって面接に挑めます。
⑤書類選考の通過率を高めたい人
転職活動において、初期段階の書類選考で苦労する人は少なくありません。大手転職サイトからの書類選考通過率は10%ほどといわれています。つまり10社応募してやっと1社書類が通る計算です。
なぜこんなにも通過率が低くなってしまうかというと、大手の転職サイトだと一気に応募が来るので、採用担当者はよほど目立つ経歴や学歴でないと見過ごしてしまうのです。
ですが、転職エージェントを活用することで、キャリアコンサルタントが一人ひとり丁寧に企業の採用担当者に紹介してくれるため、書類の通過率も必然的に上がってきます。職務経歴などにもよりますがだいたい50%以上、高いところで70%くらいの通過率を誇っている転職エージェントもあります。
⑥ブラック企業かどうか見分けられない人
求人サイトにはいいことばかり書いているし、オフィスもきれい、という会社でも、内情は社員を酷使してみんな毎晩終電帰り…そんなブラック企業は、転職サイトを見ているだけではわかりません。
前述の通り、キャリアコンサルタントは、労働環境や福利厚生まで、人事とのやりとりを通じてチェックしています。
また、転職エージェントは返戻金制度を採用しているケースがほとんどで、転職者が早期に退職した場合、企業に対して報酬のうち何%かを返却しなければなりません。
そのため、転職エージェントは自社の利益を確保するためにも、労働環境が悪い転職先を紹介することは一般的にありません。
⑦複数社の面接を並行して行なう人
転職したい先の会社の志望順位が定まっていない場合、ほぼ同時進行で面接を受けることがあるでしょう。
その場合、志望度が低めの会社から先に内定が出て、回答期限を区切られてしまい、他の会社の内定がすべて出ていない状態で決めなければならないという状況になってしまうことが多々あります。
そんな状況を回避するという目的でも、転職エージェントを活用する価値は大いにあります。
優秀な転職エージェントに依頼すれば、企業ごとの選考スピードを把握しているので転職者の志向や相性を考慮したうえで面接の順番を調整し、できるだけすべての企業の結果が出た後に結論を出させてくれるのです。
⑧企業に勤めていて昼間会社から出られない人
転職活動をされている人の中には、まだ今の会社に勤めたままという方も多くいることでしょう。
一般的に、業務時間帯に自由に会社を出入りできることは稀ですので、面接に行ける時間帯や曜日が限られてしまいます。そんなときに頼りになるのが転職エージェントです。転職エージェントが転職者と企業の間に入ることによって、スケジュール調整が円滑にできるようになります。
転職エージェントを利用するときのポイント
転職エージェントを利用することで転職が成功する可能性は高まりますが、転職エージェントに頼り切ってはいけません。
転職エージェントを利用するには以下のことに注意してください。
- 複数の転職エージェントに登録しておく
- キャリアコンサルタントは変えられる
- 職歴やスキルで嘘をつかない
- キャリアコンサルタントのいいなりにならない
- 同じ求人に複数のエージェントから応募しない
それぞれの内容について詳しく見てみましょう。
①複数の転職エージェントに登録しておく
複数のエージェントに登録し、何人かのキャリアコンサルタントに会って話を聞いてみましょう。何人かに会っていくうちに、自分にはどういう転職エージェントが合っているのかの判断基準がわかってくるでしょう。自分に合っているかどうか見極めてから、徐々に絞っていくやり方がベストです。
もしあなたが転職を希望する業界が明確になっている場合は、その業界の特化型転職エージェントを利用することがおすすめですが、その際も1つのエージェントに絞らず3つ~5つの複数のエージェントを利用してください。
②キャリアコンサルタントは変えられる
転職のサポートはキャリアコンサルタントが担当しますので、キャリアコンサルタントの実力が低いと感じた場合や、あなたと相性が合わない場合には積極的に変えてもらうようにしてください。
キャリアコンサルタントの変更は直接伝えてもいいですし、気が引けるようならメールで伝えてもかまいません。
③職歴やスキルで嘘をつかない
転職でキャリアアップを目指す人や、それまでのキャリアに自信がない人は、キャリアコンサルタントとの面談で、嘘をついてしまうこともあります。自分の実力以上の経験やキャリアを申告する人も少なからずいるのです。
しかし、そのようなケースで、転職後に企業とうまくマッチすることなどありません。
キャリアコンサルタントは、あなたが転職で不利になるような条件があったとしても、企業にはマイナスにならないように伝えてくれます。話した内容がすべて企業に伝わるということはありません。
④キャリアコンサルタントのいいなりにならない
キャリアコンサルタントは自分のノルマのために、あなたにとって最適でない就職先を紹介することもあります。
一方、キャリアコンサルタントが真摯に仕事に取り組んでいたとしても、あなたが転職で実現したいことと違うものを提案することもあるでしょう。
キャリアコンサルタントの発言は絶対ではありません。最終的な判断はあなた自身がしなければならないのです。
⑤同じ求人に複数のエージェントから応募しない
いくらどうしても転職したい企業があっても、複数の転職エージェントや転職サイトから同じ求人に重複して応募することは避けましょう。
複数応募することで転職できる可能性が高まると考えるかもしれませんが、企業、転職エージェント双方からの印象が悪くなってしまいかねません。
複数応募した場合、企業側から転職エージェントへ『すでにほかのエージェントからの応募があるため選考できない』旨が伝わります。
企業側からは「自己管理ができていない」「仕事でトラブルを起こしそう」というイメージを持たれてしまいますし、転職エージェント側からも「信頼されていないのではないか」と思われてしまうでしょう。
重複応募は不利益しかありませんので、絶対に避けるようにしてください。