2018年6月12日(火) 18:00配信
最終回である。
マネージャーからそう聞いたとき「わ、わたくしめが何か失礼をばっ!!!」と土下座する気満々だったのだが、思い返せば失礼じゃないことのほうが少ない、ふざけた内容ばかりであった。周囲からの反応も要約すれば「分からない」「気持ち悪い」「氏ね」であったような気がする。来るべき時が今来たのだろう。
振り返るには長いようで短い、不思議な連載であった。ということは次回からはいよいよ役者・喜矢武豊の連載が始まるのか。最近「歌広場さんがドラマで騒ぐ→喜矢武さんがそのドラマに出演→歌広場さんがもっと騒ぐ」の流れが出来つつあるもんなぁ……などと考えていたら、マネージャーが続けざまにこう告げた。
T-SITEさん自体がなくなるそうです。
「くっwwっwwwはぁぁぁwwwwこれwwwwはwwwどうあがいてもww絶ww望wwww巨星wwwwww墜つwwwwお疲れサマンサwww田端wwwww」
このような場合は動揺を隠さず、草を生やして切り替えましょう。ということでこの連載で書いたものはあと数日で地球上から消滅します。特にこの最終回は掲載期間も最も短くなるので、今こうして文章を生み出した瞬間=死へのカウントダウンの方程式がばっちりと始まっております。すごい。生と死を同時に意識できる偉大なニュースサイトすごい。
芸能トピックを「哲学」や「概念」のレベルまで引き上げたとでも言うべきT-SITEさん。さすが歌広場さんにお仕事をくれただけあった。お主もまた強敵(とも)であった。そんな漢たちの最終回。担当さんからのテーマは「推し活の心得」です。(担当さんここ数ヶ月せっかく考えてくれたお題をガン無視しててごめんなさいね頑張るね)
これは難しいテーマだ。だが、ある意味では最終回にふさわしいとも言える。私が実践している「推し活の心得」は2つある。
まず1つ目はずばり「いつか終わる」ということを知ることだ。
いや、最終回だからといって投げやりになっている訳ではない。本気でそう思っている。というか、これを意識することが推し活のみならず、日々の生活に大きな影響を与えることは間違いない。えらく当たり前だし、一般論と唾棄されても仕方ない。
だが、以前ツイッターで「いつまでも いると思うな 親と推し」という呟きをした際、めちゃくちゃにバズったのを見てわたしは確信した。
「みんな、終わることを知っていながら目を背けている」。間違いない。
……おお……おお……。「なんだよクズそんなことはわかってるっつーか改めて言うことねーだろクズ……!」というリプがT-SITE垢に沢山ぶら下がるのが目に浮かぶようだ。だが、そのT-SITEもこの連載も、もうじき消滅する。消滅したら、ぶつける場所などない。ぶつける場所がなくなれば、怒りも、悲しみも、仲間内で言い合っているだけで、そのうち飽きて忘れてしまうだろう。
断言しよう。あなたの推しはいつかいなくなる。何故か。それは自然界に永遠などないからだ。全ての物質が有限である。あなたの推しもあなたの前からいなくなる。絶対にだ。というかあなたが推しの前からいなくなっている可能性すらある。長い目で見たら100%だ。
上記の発言に悲しみや怒りを感じる人がいるのは想像に難くない。だが、勘違いしないでほしい。私はあなたの推しを否定した訳でも、あなたの推し方を否定した訳でもない。「推し活の心得」をテーマにコラムを書くとなり、絶対に触れなくてはいけないと判断したから書いたのだ。強いて言うならば担当さんが悪い。苦情は担当さんに伝えてほしい。だがそんな担当さんもT-SITEと共に(以下略)。
いや話が回りくどくなってすまぬ。私は、最終回だからといって読者の気持ちをくじきたい訳ではない。要は「いつか終わる」は「だから無駄」ではないということだ。そんなことを言い出したら人間はいつか死ぬんだから生きてること自体が無駄だという暴論がまかり通ってしまう。そこまで行かずとも、衣食住に関わること以外は全て無駄だと斬り捨てることも可能だ。当たり前だが、そんな訳はない。
っていうかそうやって色々なことを斬り捨てて「何のために貯金しているか分からないけどとにかくお金を貯めるのが好き!」みたいな奴の目を見てみろ。もうそいつ生きてねーから。ドラクエに出てくる腐った死体とかと同じ、かしこさは低いのに攻撃力とか妙に高くて面倒な敵、そういうレベルだから。そいつが稼いだお金もどうせ使われずに後々問題を引き起こすだけだから。きっと。
「いつか終わる」は「今を推す」に繋がっている。それさえ知ってくれていれば、推し方は人それぞれだ。
ライブに全通する。出演ドラマをたまに見る。毎秒推しの名前でエゴサする……推し方は何でもいい。ただ、推しがいなくなったときに「ああしていれば良かった」と思って涙の川に中指を立てて沈まなければ。「推しの今」を「今だからできる推し方」で推したならば、たとえ溶岩の海でもサムズアップして沈んでいけるはずだから。
ああ、言い忘れてた。「推し活の心得」のもう1つは「推している自分を愛すること」だ。推しを愛すことは自分を愛すること。キミの推しはどーせメチャ素敵なんだろ? そんな素敵な推しを見付けたキミは、メチャすごいんだよ!(前半のマイナスをなんとか取り返していくスタイル)
最後に。
何かを推している者はみな口々に「しんどい」「禿げ萌える」「爆死した」などと物騒なことを言いながら数秒単位で昇天→復活を繰り返している。推し活とは物騒なことと見つけたり。そんな恐ろしいけど愛に溢れた「推し」の世界をあなたは少しだけ理解したはずだ。という訳でTBS系『花のち晴れ〜花男Next Season〜』の第9話に喜矢武豊が出演する。
俺と一緒に精一杯、爆ツイしようぜ。あばよ!!!
ゴールデンボンバー 歌広場淳
ヴィジュアル系エアーバンド「ゴールデンボンバー」のベース。日本大学芸術学部文芸学科卒業。同バンドの楽曲「女々しくて」はオリコンカラオケランキング歴代1位となる51週連続1位を獲得。ドラマ・映画・ミュージカル・宝塚歌劇団の鑑賞、読書、早押しクイズなど多趣味だが、運動神経は壊滅的。2018年1月31日にオリジナルアルバム『キラーチューンしかねぇよ』を発売。3月からは全国36公演ツアーゴールデンボンバー全国ツアー2018「ロボヒップ」を開催中。
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