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【社会】

「官邸が介入」共産追及 法務省に佐川氏処分急がせる

 財務省の決裁文書改ざん問題で大阪地検が佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官らを不起訴としたことを巡り、共産党の辰巳孝太郎参院議員は十八日、首相官邸が法務省に対して刑事処分の決定を急ぐよう働きかけていたことをうかがわせる文書を入手したとして、政府側を追及した。

 文書はA4一枚で、題名や作成者、作成時期などは書かれていない。ただ、右上に手書きで「5/21」の日付や、国土交通省の大臣官房参事官の名字があった。共産党は、五月に国交省内で作成された可能性があるとみている。

 文書は、改ざんを巡る財務省の調査報告書の公表時期について「刑事処分がいつになるかに依存している」と指摘した上で「官邸も早くということで、法務省に何度も巻きを入れている」と記載していた。

 さらに大阪地検の処分について「五月二十五日夜という話はなくなりそうで、翌週と思われる」と予想していた。実際に、地検は同月三十一日に佐川氏らを不起訴とした。

 辰巳氏は十八日の参院決算委員会で「官邸が法務省を通じて検察に介入しようとしていたのではないか」と追及。安倍晋三首相は文書について「真実かどうかも分からない中で、答えることは不可能」と述べた。

 元検事の落合洋司弁護士は「法務省と官邸の間で刑事処分の見通しについて、緊密にやりとりしていた可能性がある。官邸は法務省を通じ検察庁に何らかのメッセージを伝えていたのではないか」と話した。

 

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