すべてのラム肉好きに、ここはお伝えしなければならない。私(佐藤)は、東京・新宿界隈に15年近くいるが、いままでこの店を知らなかったことを恥ずかしく思っている。それと同時に、ひとりのラム肉好きとして、同志たちに伝えるべきだという使命感を覚えている。
このお店「だるまや」はジンギスカンの名店である。ご存じの方もいるかもしれないが、知らない人のために詳しく紹介したいと思う。ここは最初から最後までクライマックスだ! 一瞬たりとも、食べることから気をそらすことができない。それくらい素晴らしい品々が提供されるぞ!!
・予約はマスト
きっとお店の看板を見たことある人は多いはず。お店は新宿西口のヤマダ電機のすぐ近くにある。2階にあるために、表からお店の様子を見ることはできない。看板を見て素通りするのが日常ということもあるだろう。
もう素通りしてはいけない! もしもチャンスがあるなら、階段を上がって2階のお店に行くべきだ。なぜなら、そこには想像を超えるラム肉の世界が待っているからだ!! ちなみに来店時は予約した方が間違いないので、その点だけ注意して欲しい。
それから店はカウンターのみでかなり狭い。2~4人くらいで行くのがベストではないだろうか。大勢になると入店できなかったり予約できなかったりするので少人数がベター。
・料理提供の流れ
さて、ここからお店を利用するに当たってのポイントをお伝えしよう。メニューは壁に貼ってあるが、飲み物以外はこれを見る必要はない。少なくとも初回は、スタッフにお任せした方が間違いがない。料理が提供される流れはおおむね次の通りだ。
1.ドリンクの注文、サラダを勧められる
2.「1巡目」 最初の肉(生ラム)の説明
3.鉄鍋上の野菜移動
4.「2巡目」 次の肉(生ラム or 塊肉)をどうするか尋ねられる
5.肉を追加するか尋ねられる
6.「3巡目」 ハンバーグ、味を1つ(チーズ・タコス・ガーリックバターのいずれか)選ぶ
7.6でタコスかガーリックバターを注文した場合は、バターライスが提供される
ざっとこんな流れだ。肉は「生ラム → 塊肉 → ハンバーグ」とオーダーするのが初心者向きかもしれない。もちろんこの通りに頼む必要はなく、生ラムだけをとことん堪能する人もいるし、塊肉で終了というケースもある。いずれにしても、すべての道は生ラムから始まる。次から詳しく1つひとつのプロセスをお伝えしよう。
1.ドリンクの注文、サラダを勧められる
このお店のドリンクはちょっと変わっており、北海道でお馴染みの乳酸菌飲料「カツゲン」を使ったカクテルがいろいろと揃っている。カツゲンカクテルを飲めば、北海道気分を楽しめるかも。
そしてサラダについてだが、勧められたらお願いした方が良いだろう。というのも、怒涛のラム肉ラッシュなので、野菜を備えておいた方が無難。絶対ではないから、断っても何も問題ない。
2.「1巡目」 最初の肉(生ラム)の説明
入店し着座した段階で、鉄鍋にはもやしやタマネギなどの野菜がセットされている。それと同時に、カウンターには2人前の生ラムが準備してある。
そしてスタッフは言う。「このラム肉は焼き過ぎないように注意してください。生でも食べられます。サッと炙る程度で良いです」と。
え!? 生でも食えるの! 生でラム肉食ったことないんだけど!! 羊独特の臭みがあるんじゃないの?
タレにつけて恐る恐る口に入れると……うん! 全然臭くない。ほのかな甘さがあり、噛むほどの旨味が増すようだ。
当然焼いて食べることもできる。しかし焼くと、脂が落ちていくぶん美味しさが落ちるような気がした。私は最初のラム肉のほとんどを生で食べてしまった。それくらい生は美味しい。
3.鉄鍋上の野菜移動
スタッフが野菜を鉄鍋の手前側に移動してくれる。場に肉が残っていると器に取るように促されるので、それにしたがって場の肉を引き上げよう。野菜移動はこのあとに続くすごい肉のため。肉のスペースを設けるために行われる。
最初の段階でいきなり看板メニューの生ラムが出てきてしまった。まるでサビから曲が始まって、あとは盛り下がるだけみたいな印象を受けるのだが……。と思ったら、まだ宴の入り口に過ぎなかった。お楽しみはまだまだ続くよ!
4.「2巡目」 次の肉(生ラム or 塊肉)をどうするか尋ねられる
この段階で一通り最初の肉を平らげているはず。次の肉は続けて生ラムを食べるか? それとも塊りの肉にするかを尋ねられるので、初回なら迷わず塊りで行こう!! なぜなら……。
視覚インパクト絶大! そのボリュームに圧倒されるからだッ!!
ドーーーーン!!!!!!
塊肉の世話はスタッフがすべてやってくれる。まずは上下をしっかり目に焼き……。
ハサミを入れて半割にする。
裏表を焼いて……。
サイコロ状にカットして、いただきますッ!
塩コショウかカレー塩を付けて食べると、生ラムとはまた別の食感と味を楽しむことができる。ちなみにこのお店で提供している肉は、すべて肩ロースなのだとか。切り方と焼き方によって生まれる “味の違い” を楽しむのも面白い。
5.肉を追加するか尋ねられる
ここまで結構お腹は満たされているはず。まだ行ける! という人は、生ラムを追加すると良いだろう。7~8割はお腹が満たされたという人は、次に行こう。次はハンバーグが待っている。
6.「3巡目」 ハンバーグタイム
「え? ここからハンバーグなんか食べられないよ」という人、ご安心あれ。食える、確実に食える。なぜなら、再び食欲がそそられるからだ。
ミンチ状にして丸く成形した肉をアルミホイルの上に置き、鉄鍋でじっくりと焼き上げる。その様子にワクワク感が止まらない!
平らだったハンバーグは次第にふっくらと膨れ上がり、そのなかに肉汁が閉じこもっていると思うと、お腹が満たされていることを完全に忘れてしまう。これを上からバーナーで炙って焼き目をつけていく。
事前に味付けを尋ねられる。チーズかタコスかガーリックバター。初回はタコスかガーリックバターがおすすめ。なぜなら、チーズはこのあとのバターライスに対応していないからだ。
最後まで堪能するなら、チーズ以外を選ぼう。チーズはまたの機会に……。
このふっくらハンバーグを、小さめのスプーンで削りながら頂く。
さっきまで、「もう食えないかも……」と思ってたのに、再び完全に食欲を呼び起こされた! こんなのペロリだッ!! だが、ちょっと待ったーーー! 5分の1程度残しておかないと、バターライスに行けないぞ。
7.6でタコスかガーリックバターを注文した場合は、バターライスが提供される
バターライスは、残ったハンバーグを平たく潰し、その上から同じように平たくご飯を敷き、焼き目をつけて提供される。
表面はパリっと中はもっちりしたご飯には、バターの風味がしっかりと乗っている。そのさらに下からハンバーグの旨味がジワっと浸みてくる。これ考えた人、食に貪欲だな~。
まだあるぞ、さらなるお楽しみ。
肉をつけたタレにお湯を注いでもらえるので、そこにバターライスを浸して食うのである。
なんだろう、この骨の髄までしゃぶり尽くすような、食欲にまみれた食べ方は。ジンギスカンひいては食事に対して、トコトン突き詰めた結果こうなった! そんな品々である。「食べること」からまったく気の抜けない2時間であった。
ちなみにこの日は4人で行き、会計は2万250円。1人あたり5062円。なぜか4人で割り切れなかったけど、5000円でこれだけ満足感を与えるお店はなかなかない。もうこれは通うに決まっている。ということで、ラム肉好きにはぜひとも訪ねて欲しいお店だ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 だるまや 西新宿店
住所 東京都新宿区西新宿1-15-7 西口ライフビル2F
営業時間 17:30~24:00
定休日 祝日
※予約しての来店がおすすめ
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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