- 阪急電鉄に取り残された乗客の避難方法がSNSで注目
- 担当者「特別なことではありません」
- 投稿者「車内全員の携帯が鳴りだした」
6月18日、大阪北部で震度6弱を観測した地震。
地震が発生した午前7時58分頃は通勤・通学の時間と重なり、交通機関にも大きな影響がでている。
阪急電鉄でも、神戸本線、宝塚本線、京都本線の3本線が集結する大阪市淀川区の「十三駅(じゅうそうえき)」の手前で電車が停車。
車内には、多くの乗客が取り残されていた。
その中にいた神戸大学の学生が、10時20分頃にツイッターに投稿した画像が注目を集めている。
9日に起きた東海道新幹線車内での3人殺傷事件で、座席を外して盾に使えるということが注目されたが、今回投稿された写真では、緑色の座席を取り外し、入り口の扉から外に出して線路上に立てかけ、2人の職員が両側を支えている。
乗客たちは、滑り台のように設置された座席の上を伝い降りて、車内から避難したという。
3つの座席を組み合わせているように見えるが、この避難方法はどのようなものなのだろうか?
阪急電鉄の広報担当者に確認した。
「4つの座席を使用」
ーーこの方法は一般的?
災害時、取り外した座席を組み合わせ、滑り台のようにして避難する方法は、阪急電鉄だけの特別なことではありません。
周辺の安全を確認した上で、職員が座席を組み合わせ、お客様を電車外へ誘導しています。
ーー使用している座席は3つ?
該当画像を確認していませんが、通常、4つの座席を使用します。
座席1つでは、出入り口の扉の幅に足りないので、滑り台の底辺部分に座席2つを並べ、その両側から挟むように1つずつ固定します。
投稿者「車内全員の携帯が鳴りだした」
避難の様子を撮影した中井美里(@misatiee1)さんに、当時の状況を聞くことができた。
中井さん:
いきなり車内全員の携帯が鳴り出しました。地震の緊急速報です。
30分ほど経った頃、片側の窓が少し開き、空気の入れ替えをして下さいました。その後、体調不良者は電車後方部に行き、順次線路に降ろされたそうです。
その頃は、まだ座席を利用したものではありませんでした。
停車から2時間後、私も外に出ようと最後尾の車両に向かいました。
同じような人がたくさんいて、今までの対応では追いつかないと判断があったのか、一旦最後尾の1つ前の車両に全員移動させられました。
職員5人ほどが、この避難方法を確保して下さいました。みなさん、乗客の混乱を招かないよう丁寧に対応して下さいました。
私は電車を降りた後、京都方面にひたすら線路を辿って歩き、今は南茨木駅の近くにいます。
現在回送車が動き始めているようです。(取材時:15時頃)
阪急電鉄は、午後になっても宝塚線と京都線で運転を見合わせているが、神戸本線では梅田駅~神戸三宮駅間で運転を再開(15時30分現在)。
宝塚線と京都線では、引き続き地震による線路点検を行っているという。
大阪府内で震度6弱が観測されたのは観測史上初めてだったが、投稿者によると、職員の丁寧な対応のおかげで混乱は起きなかったようだ。