【お墓がいらないと感じたら⁉】墓じまいの流れと注意点を紹介!

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都市圏に集中する人たちや、少子高齢化。さまざまな社会現象が、お墓事情にも大きく影響しています。

この記事分かる「墓じまい」について!

  • 「墓じまいって何をすること?どのように進めたらいい?」
  • 「墓じまいをするときに注意すべきことって何?」
  • 「墓じまいにかかる費用を知りたい」

なかなかお墓参りに行けない人や、お墓の面倒を見る人がいないという人が行う墓じまい。
いま全国的に増えている墓じまいについて、ご紹介します。
また、最近電車内などの広告でよく見かける「納骨堂」についても、一般的なお墓から改葬される人が多いため紹介しております。

この記事が、お墓の管理が負担になってきたという人や家族のために、少しでもお役に立てると嬉しいです。

墓じまいとは

砂利が敷き詰められている墓地の区画

墓じまいとは、お墓を解体撤去処分することです。
墓じまいすることで、必然的に改葬(中の遺骨を別の場所に移すこと)も伴います。

墓じまいして遺骨は家で保存したい、という人もいらっしゃると思います。しかし、それは難しいというのが答えです。

なぜなら、墓じまいの際に改葬先(遺骨の埋葬先)を書類にて提出し、そちらの承認を得ないと墓じまいそのものができないからです。

墓じまいの費用相場

お金と電卓

まずは墓じまいの費用相場について説明します。
墓じまいの費用は、お墓を建てている区画の広さで計算されることが多いです。

費用相場は1㎡あたり10~15万円

墓じまいの費用相場は、墓地面積1㎡あたり、10~15万円くらいと言われています。
墓地面積は、墓地の間口(幅)×奥行で算出できます。

たとえば、幅が2mで奥行きが2mの場合は4㎡です。
仮に㎡が10万円とすれば、40万円くらいの費用が掛かる、という計算です。

墓地の状況はさまざま 見積りしなければ分からない

墓じまいの費用相場は目安に過ぎません。
まずは実際に業者に見積もりしてもらいましょう。

なぜならば、墓地の状況は、その家によってそれぞれ異なるために、業者が現地に出向いてみないと判断のしようがありません。

石塔が1つではなく、2つも3つもあるケース。または、外柵のボリュームが一般的なものと比べて大きいケース。
急な斜面に墓地があり、特殊な重機が必要なケース。

こうしたさまざまな要素が見積金額に反映されていきます。
また、それらに対する費用は各業者でばらつきがあります。面倒でなければ、複数の業者に見積りをとることをおすすめします。

見積される項目

それでは、石材店がどんな項目を基に見積するのかを、項目別にご説明します。

  1. 石材の解体費
  2. 石材や残土などの処分費
  3. 墓地の整地化
  4. 重機回送費
  • 1. 石材の解体費
    墓地にある石材の解体工事に伴う費用です。
    墓地の広さや石塔の数や大きさによって金額が増減します。
  • 2. 石材や残土などの処分費
    撤去した石材や、それに伴う残土やコンクリートガラは専門業者に処分してもらわなければなりません。
    少し前に墓石の不法投棄が社会問題になりましたが、産業廃棄物に分類される石材は、行政からの許認可を受けた業者でなければ処分できません。
  • 3. 墓地の整地化
    石材を撤去したあとの墓地は、きちんと整地して返還しなければなりません。
  • 4. 重機回送費
    重い石材を解体運搬するには専用の重機が必要です。
    また、重機が入らないような墓地では人力で作業しなければなりません。

墓じまいをするときの流れ

墓じまいをするためには複数の窓口に連絡をしなければなりません。
まずはその流れをまとめてみました。

  1. 1. 遺骨の受け入れ先を決める
  2. 2. 寺院に連絡して墓じまいしたい旨を伝える
  3. 3. 役所から改葬許可証を入手する(改葬許可証の発行まで、いくつかの書類の準備が必要です)
  4. 4. 石材店を決める
  5. 5. 寺院にお性根抜きをしてもらう
  6. 6. 墓じまいの工事に立ち会う
  7. 7. 改葬許可証を持って、遺骨を新しい受け入れ先に持参する

それぞれ次の章で、注意点などを詳しく解説していきます。

1.遺骨の受け入れ先を決める

墓じまいでは、墓地にある墓石を解体撤去だけでなく、その中にある遺骨の扱いが大切になります。
新しいお墓なのか、寺院への永代供養なのか、きちんと遺骨の行き先を決めておきましょう。

2.寺院に連絡して墓じまいしたい旨を伝える

これまでお世話になった寺院には、きちんとこちらの意図を伝えて理解してもらいましょう。
直前に墓じまいすることを伝えたためお寺と揉めた、というケースはよく聞きます。

早めに相談することで、遺骨の行き先についてもアドバイスがもらえるかもしれません。

3.役所から改葬許可証を入手する

遺骨を動かす際には、いまのお墓がある自治体から「改葬許可証」をもらわなければなりません。
まずは役所に出向いて、改葬許可の申請方法を確認しましょう。

墓地の管理人の署名と捺印や、受け入れ先から”受入証明書”を入手するなど、いくつかの書類の準備が必要となります。

4.石材店を決める

墓じまいを行う施行業者を決めます。

寺院墓地や民間霊園の場合は石材店が指定されていることが多いようです。
どの石材店でも構わないということであれば、費用を比較するため2~3社で相見積もりすることをおすすめします。

5.寺院にお性根抜き(御魂抜き・閉眼法要)をしてもらう

墓石には、仏様やご先祖様の魂が宿っていると考えられています。
墓石を解体撤去するには、必ず寺院にお性根抜き(御魂抜き・閉眼法要)をしてもらいましょう。

6.墓じまいの工事に立ち会う

施工業者に工事に入ってもらいます。
工事の際は、可能な限り立ち会うのがいいでしょう。

大切なご先祖様の遺骨です。丁寧に扱われているか、自分の目で確かめるのをおすすめします。

7.改葬許可証を持って、遺骨を新しい受け入れ先に持参する

既存のお墓の撤去が済むと、新しい受け入れ先に遺骨を納めましょう。
納骨の際には、改葬許可証を忘れずに持参しましょう。

墓じまいをするときに注意すべき点

メモをとる業者

墓じまいとは、先祖代々守ってきたお墓を手放すことです。
いくつかの点を慎重に進めなければトラブルのもとになるので気をつけましょう。

  • 親戚への連絡

    お墓を守るのは家族の役目ですが、お墓参りする権利は誰にだってあります。
    お参りに行った親戚のお墓がなくなっていたことに驚いて、トラブルに発展します。

    親戚などには事前に連絡をし、墓じまいをする理由や想いを伝えておきましょう。
  • 寺院への連絡

    お墓が寺院の中にある場合、寺院へは必ず連絡をしなければなりません。
    墓じまいは”離檀”、つまりその寺院の檀家をやめることにも直結します。

    離檀料がかかることなどからさまざまなマスコミがネガティブに取り上げていますが、何よりもこれまで先祖の供養をしていただいた寺院です。
    まずはきちんとした連絡や相談をするのが賢明でしょう。
  • 墓地管理者への連絡

    墓じまいにあたっては、墓地ごとにルールや決まりがあります。
    必ず墓地の管理者に確認しましょう。

    寺院墓地であれば住職に確認をとります。
    自治体の共同墓地であれば自治会長や墓地委員会です。
    公営霊園や民営霊園の場合は管理事務所に訊ねましょう。
  • 石材店との綿密な打合せ

    現地に入ってもらう石材店との打ち合わせも大切な事柄です。
    遺骨の取り扱い、工事の段取り、管理者への連絡など、こちらの希望をきちんと伝えましょう。

    工事当日の施主の立ち合いはどちらでも構いませんが、もしも立ち合わないのであれば、なおさら業者との打合せを綿密に詰めておきましょう。

墓じまいをする人の特徴

3体並んだお地蔵さん

昨今、墓じまいをする人が増えています。お墓の維持が困難な人が墓じまいに踏み切っています。

具体的にどのような人たちがお墓の維持が困難になるのかをまとめました。

  • 故郷を離れて長い年月が経ち、帰郷しない人
  • 遠方にあるお墓参りが困難な人
  • 子や孫がおらず、墓守をする人がいない人
  • 宗教的制約から解放されたい人

上記に挙げたような人が、墓じまいを検討し実際に行っていることが多いです。

実際に家のお墓を「墓じまい」すべきか悩んでいる人は、参考にしてください。

墓じまいをした後の選択肢

仏壇式の納骨堂

墓じまいをしたあと、遺骨はどこかに必ず移さなければなりません。
供養の多様化により、さまざまな方法があります

    • 納骨堂に移す

      納骨堂とは、寺院のお堂の中に構えられた室内型の納骨施設です。
      ただ遺骨を安置するだけのロッカー型や、礼拝ができる須弥壇型などがあります。
    • 納骨堂については、下記記事で詳しく紹介していますので参考にしてください。
    • 永代供養墓に移す

      永代供養墓とは、遺骨を一時的に埋蔵できる集合墓です。
      一定期間の安置が済むと、合祀(合葬)されます。
    • 永代供養墓については、「永代供養のお墓はなぜ注目される!?供養法や人メリット・デメリットを解説」の記事で詳しく紹介しています。
    • 合葬墓に移す

      合葬とは、他の人と同じ場所に埋葬することです。
      個別の供養が不要な人は、合葬墓に埋葬します。
    • 手元供養をする

      自宅に安置できるオシャレな骨壺、身につけておくことができる遺骨収容型のペンダントなど、最近はさまざまな手元供養商品が販売されています。
      普段のファッションの邪魔にならないものが増えていますので、探してみましょう。
    • 手元供養については、「手元供養の種類や流れを紹介!故人を近くに感じられる供養法」の記事もぜひご覧ください。
    • 散骨する

      散骨とは、山や川や海に遺骨を撒くことです。主に海洋散骨が主流でしょう。
      散骨するには散骨業者に依頼をしましょう。また、遺骨は必ず粉末状にしなければなりません。
    • 散骨に関しては、「散骨には許可がいる?マナーや手順を紹介」の記事でも詳しくご紹介しています。

墓じまいを行政書士に依頼する方法

公証人、相談、任意後見人

墓じまいの増加に伴い、墓じまい代行を謳う行政書士が増えています。
行政書士に依頼するには直接連絡をしてみましょう。

たしかに、行政書士に代行してもらうことで、施主の手間が大きく軽減することもあります。
しかし一方で、行政書士に依頼するまでもないこともあります。
これまで見てきたように墓じまいには、…

  1. 改葬手続き 
  2. 寺院との折衝
  3. 石材店への手配

の3つが、施主が動かなければならない主な事柄です。

おさらいですが、行政書士とは、行政書士法に基づき,他人の依頼により官公署に提出する書類を作成することを業とする人のことです。
昔は「代書屋さん」なんて言い方もしました。

改葬手続きは、戸籍の書類を入手し墓地の管理者に署名や捺印をもらい、それを役所に提出するなど、何かと面倒です。

行政書士に依頼した方が楽かもしれませんし、まさに彼らの得意分野と言えるでしょう。
しかし、院との折衝や石材店の手配は、行政書士の代行がメリットになるとは思えません。

寺院と檀家の関係は、第三者が介入するべきでないでしょうし、もしも介入が必要となるなら、それは弁護士の仕事でしょう。

また、石材店の手配は、施主自身が複数社を比較検討すればよいでしょう。
無料でしてくれるのであればまだしも、代行依頼することで行政書士への費用も発生します。
どこまでを行政書士に依頼するかは、冷静に考えましょう。

まとめ

供花とともにしまわれるお墓

「墓じまい」は、書類の提出や、関係各所への連絡など意外と大変です。

これまでご先祖様が守ってきてくれたお墓です。ひとつひとつの行程を丁寧に進めていくのがよいでしょう。

また、遠方にお墓があるから「墓じまい」を行おうと検討している人は、「改葬(お墓の引越し)」も検討してみましょう。
詳しくは、「改葬でお墓問題を解消!いま増えているお墓の引っ越し」の記事を参考にしてください。

一口にお墓・霊園と言っても、豊かな自然を背景にしたり、規模や宗派だけではない様々な特色があります。
お住まいの地域・ご実家の近隣などで、どんな霊園があるかご覧になってはいかがでしょうか?

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