三谷G1連覇 G前差し宮杯初V 【岸和田】

高松宮杯で初優勝を果たし、胴上げされる三谷竜生
高松宮杯で初優勝を果たし、胴上げされる三谷竜生
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浅尾美和(左)との記念撮影で笑顔を見せる三谷=デイリースポーツ社提供
浅尾美和(左)との記念撮影で笑顔を見せる三谷=デイリースポーツ社提供
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決勝でゴールする1着の三谷竜生(3)、2着の脇本雄太(1)
決勝でゴールする1着の三谷竜生(3)、2着の脇本雄太(1)
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 岸和田競輪(大阪府)で4日間戦われたG1「第69回高松宮記念杯」(優勝賞金2890万円)は17日、最終12Rで決勝戦が行われ、三谷竜生が脇本雄太後位から差し切り、先月のダービーに続きG1を連覇した。三谷は通算3度目のG1優勝で、この大会は初制覇。2着は脇本。1半捲りの原田研太朗が、2着に5車身離された3着。4日間の売上額は約85億1000万円(目標95億円)だった。

■ヒーロー

 吉沢-武田の師弟コンビに木暮が競り込んだ注目の最終決戦は、脇本の豪快な鐘前スパートで、残り1周の時点で既に三谷とマッチレース状態。近畿勢の結束力がひときわ目立つ結果で幕を閉じた。

 ダービーに続くG1連覇を決めた三谷竜生は、これで2年連続の賞金1億円超えも達成。「前回(ダービー)の優勝も今回の優勝も、ラインのおかげですね。初日に脇本君を抜けなかったし、強さは分かっていた。だから、しっかり付いて行くことだけを考えて走りました」とレースシーンを振り返った。

 今大会に懸ける思いは、参加した選手の中で誰よりも強かった。生まれは滋賀県大津市。2011年3月に廃止になるまで宮杯を開催した大津びわこ競輪場で練習し、競輪学校に入校した。選手への志望動機は、宮杯に5度出場した父・典正(49期引退)への憧れ。幼い頃には、宮杯を走る父親のレースも見た。だからこそ「優勝したことを伝えたいですね」と、父の日に最高の報告ができることを素直に喜んだ。

 今年はこれで記念3Vに、G12V。ものすごいペースで勝ちまくっているが「ダービーを勝った昨年は後半に成績が落ちたので、今年は1年間を通して頑張りたい」ときっぱり。近畿の大エースに成長した三谷の進撃は、とどまることを知らない。

◆三谷竜生(みたに・りゅうき)1987年9月5日生まれの30歳。滋賀県大津市出身、101期。2012年7月デビュー。通算成績は493走163勝、優勝27回。ビッグレース優勝は3回(17、18年ダービー、18年高松宮記念杯)。通算取得賞金3億3702万9011円。身長168センチ、体重82キロ、B型。師匠は父の三谷典正(49期=引退)。

【レースVTR】

 村上がSを取り、脇本-三谷-村上、原田-山田、菅田、吉沢-(武田、木暮)。青板BSで吉沢が上昇して、赤板では関東、原田-山田、菅田、近畿の並びに。赤板2角で脇本がカマし、近畿3車が鐘4角で出切る。3番手村上がHSから徐々に離れ、脇本-三谷のマッチレースに。ピタリとマークした三谷がゴール直前に逆転。7番手の原田が終1半からスパートして3着。吉沢後位を競った武田と木暮は終HSで離れて共倒れ。

【戦い終わって】

 脇本雄(2着)踏みだしの場所くらいしか作戦を考えていなかった。仕掛けどころはダービーより遅かったし、間違っていない。

 原田研(3着)赤板で中団だったが、良くはない位置。前に菅田さんがいた方が良かった。脇本さんが強くて、見送るだけだった。

 菅田壱(4着)単騎なので脚をためる作戦だった。吉沢さんと脇本君が多少でもやり合ってくれれば…。

 山田英(5着)3着に来なければいけないところで5着は反省。G1決勝はまだ4回目。何回も乗って、引き寄せる。諦めません。

 吉沢純(6着)突っ張りたかったが、木暮君が外にいて脇本が見えなかった。見えても厳しかったかも。

 村上博(7着)前の2人が強過ぎた。脚力の差。

 木暮安(8着)今後もこんな場面があれば気持ち負けせずに位置を主張する。

 武田豊(9着)脇本君が強くて離れる一方だった。

=2018/06/18付 西日本スポーツ=