2016年の1月20日土曜日。
通院の帰り道になんとなく…なんとなく、立ち寄ったペットショップ。入り口から入ってすぐ真正面に可愛いシーズー犬がいた。一生懸命窓ガラスをカリカリしているホワホワちょこまかしたシーズー。なんて可愛いんだろう。隣にいた夫に可愛いねってコソッと伝えたら、深く頷いていた。私は中学3年生の時に、知り合いから譲り受けたシーズーを飼い始め、13年間一緒に過ごした。
妹も私もそれ以来シーズーの虜で、ついつい散歩中のシーズーに目がいってしまう。
あまりにも目の前にいるシーズーが可愛くて、店員さんを呼び止め、抱っこさせてくださいと伝えた。とても温かく小さい生き物。夫に抱っこする?と聞くと、少し恥ずかしそうに頷く。シーズーを抱っこした夫はとても柔らかい表情をしていた。
その日の夜、夫からあの子迎え入れたいと言われた。私はびっくりしたけれどそれ以上に嬉しかった。翌朝開店と同時にペットショップを訪れ、正式にうちの子になった。名前は夫が決めた、あんにん。杏仁豆腐のあんにん。
今日、妹家族が我が家に遊びにきた。
妹家族は何年も前からシーズーを飼いたくてペットショップ巡りをしているのだけど、今日何の気なしに、あんにんと出会ったペットショップに遊びに行った。
そこには顔がキリッとしていたハンサムなシーズーがいた。
ハンサムシーズーは、居心地良さそうに妹家族に代わる代わる抱っこされていた。
短い尻尾をフリフリしている。腕の中で幸せな顔をしている。
妹の旦那さんが、この子との出会いは縁だね!と言い、晴れてハンサムシーズーは今日から妹家族の一員になった。姪っ子2人は嬉しくて泣いていた。
ハンサムシーズーの接客をしてくれた店員さんが、実は今日で私退社なんですと話す。ハンサムシーズーをずっと担当していたその店員さん。ハンサムシーズーに家族が見つかってよかったと泣いて喜んでくれました。私も夫も嬉しくて涙ぐんだ。最近涙腺がゆるゆるだ。
妹達が契約をしてる時に、その店員さんに、うちのあんにんも去年このペットショップで出会ったことを伝えると、どんな子ですか?と聞かれ、あんにんの話をした。
あんにんは生まれつき、右の鼻の穴が小さく、鼻がブーと鳴る。病院に連れて行ったが、手術するほどではないとのことで様子を見ながら今も元気に暮らしてます。
鼻の穴が小さいって話をしたら、店員さんが、あ!待って!あの子!と言い、急いでポッケからスマホを出し、あんにんの小さい時の写真を見せてくれました。
あんにんは右の鼻の穴が小さいせいで、ミルクをうまく飲めなくて鼻からミルクが出ちゃったそうだ。とても印象深い犬で覚えてますと話してくれた。
あんにんのことも、ハンサムシーズーのことも大事に育ててくれた店員さん。
今日で辞めてしまう店員さんから、命を繋いでいく。
家に帰った妹家族から連絡がきた。
ハンサムシーズーの名前は、福丸。家族に沢山の福をもたらせてくれる犬だから。
福丸くん、よろしくね。