【プロ野球】梨田監督が電撃辞任 借金20の責任痛感2018年6月17日 紙面から
楽天は16日、梨田昌孝監督(64)が今季の成績不振の責任を取って辞任することを発表した。この日の阪神戦(楽天生命パーク宮城)に敗れてチームの借金が今季最多の20となり、梨田監督は球団に辞任を申し入れ、了承された。17日の阪神戦からは平石洋介ヘッド兼打撃コーチ(38)が監督代行を務める。 ベテラン監督が、苦渋の決断を下した。「借金20というのが自分の中の区切りで、ひとつのラインだった。きょう負けた段階で立花(球団)社長に辞任を申し入れました」。63試合を終え、21勝41敗1分けの借金20。責任の重さを痛感した指揮官の意志は固かった。 Aクラス入りした昨季のこの時期は優勝争いを演じていたが、今季は開幕から低迷。その要因は投打に及び、今季のチーム打率は両リーグワーストの2割2分9厘と苦しんだ。投手陣も、昨季は鉄壁だった守護神・松井らブルペンの不調もあり、歯車がかみ合わないまま。何とか交流戦で巻き返そうと臨んだが、流れは変えられず借金は膨れるばかりだった。 「6月にマイナス20というのはひどい数字。それと、仙台で7勝24敗というね。本拠地で勝てないのはね、監督の責任ということ」。1月には球団副会長を務めた星野仙一さんが70歳で死去。「去年の悔しさもあって、全員がその気持ちでやっていて、1月に星野さんが亡くなられて…。それが絶対勝たなくてはいけないというプレッシャーになったのか。チャンスのときに、『おいしいぞ』と思って打席に入ればいいが、金縛りにあったようにガチガチにさせてしまった。監督の責任」と自らを責めた。 歴代16位の通算805勝を挙げた名将は、近鉄、日本ハムの2球団を優勝に導いていた。監督として中日、阪神、楽天で優勝した星野さんに続く史上4人目の3球団優勝を自身の目標としていたが…。その夢を東北で果たすことはできなかった。 (福岡香奈)
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