EUの顔となれるか 仏マクロン大統領

2018年1月3日 03:35

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2017年11月、フランスのマクロン大統領がアメリカの雑誌「タイム」の表紙を飾り、「欧州の次の指導者」と評された。39歳の若さで大統領に就任したマクロン氏。欧州でその存在感を増している。

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2017年11月、フランスのマクロン大統領がアメリカの雑誌「タイム」の表紙を飾り、「欧州の次の指導者」と評された。39歳の若さで大統領に就任したマクロン氏。EU(=ヨーロッパ連合)からの離脱を決めたイギリスのメイ首相や、2017年9月の議会選挙で大幅に議席を減らし指導力低下が目立つドイツのメルケル首相とは対照的に、欧州でその存在感を増している。

「欧州の次の指導者」を自負するかのようにマクロン大統領は就任直後から国際舞台での言動を活発化させている。EUの政策をめぐっては、ユーロ圏共通の予算や財務相創設などさらなる欧州の統合を提案。また、アメリカのトランプ大統領が中東のエルサレムをイスラエルの首都と認めた問題ではイスラエルとパレスチナ自治政府、双方の首脳と相次いでパリで会談し、仲介役に名乗りを上げた。2017年12月には120か国以上が参加する環境サミットを自ら主催。トランプ政権が脱退を決めた「パリ協定」の促進を確認するなど、矢継ぎ早に動いている。

一方、フランス国内では国際競争力強化のための規制緩和や痛みを伴う経済改革に着手。企業が労働者を解雇する際の手続きや負担を軽減する労働法の改正で硬直的な労働市場にメスを入れた。また、予算削減のため低所得者向けの住宅補助を削減する一方、経済活性化のため企業や富裕層に対する減税を打ち出した。

国内経済の成長率見通しも2011年以来の高水準で、“マクロン改革”が結実すれば経済成長は一段と加速する可能性も指摘されている。

しかし、一連の改革に対しては「金持ち優遇」との批判も一部で上がっており、労働組合や年金生活者などの反発は大きくなっている。支持率は、大統領就任直後の60%台から2017年9月には40%台に急落した。失業率は2018年6月末で9.4%と予想され、雇用の創出が遅れている現状も浮き彫りになっている。格差拡大への不満が国民のグローバリズムやEUへの疑念や反発につながるとの指摘もある。

今後、経済政策で後回しにされている、と感じる人たちの底上げを図ることができなければ4年半後の大統領選挙で極右政党が再び台頭する筋書きが現実味を帯びてくる。

2018年は大きな政治イベントが予定されていないだけにマクロン大統領は、さらに年金改革や議会の定数削減などに乗り出すとみられている。

AFP通信によると、大統領の側近の1人は「大統領は非常に長期的な視野で改革に取り組んでおり、譲歩するつもりはない」と語っている。改革の果実を広く行きわたらせることができるのか。マクロン大統領の手腕が問われる1年となりそうだ。
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