2018年6月16日(土)
スクウェア・エニックスが7月13日に発売するNintendo Switch用ソフト『OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー)』の開発者インタビューをお届けします。
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インタビューに応じていただいたのは、プロデューサーを務めるスクウェア・エニックスの高橋真志さん(プロデューサー)と、ディレクターを務めるアクワイアの宮内継介さん。開発陣が本作にかける情熱やエンディングまでの想定プレイ時間など興味深いお話を聞くことができました。
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▲左が宮内継介さん、右が高橋真志さん。 |
なお、6月15日より体験版『OCTOPATH TRAVELER Prologue Demo』が配信されているほか、公式サイトでは8人の主人公の担当声優が公開されているので、それらもあわせてチェックしてみてください。
※インタビュー中は敬称略
――開発期間が長かったとのことですが、最初からNintendo Switchに向けて作っていたのでしょうか?
高橋:はい。Nintendo Switchがどういうものかはっきりと分からない状態から開発に取り組んでいました。『ブレイブリーデフォルト』や『ブレイブリーセカンド』で任天堂さんとは良いお付き合いをさせていただいたのが、開発のきっかけになります。
『オクトパストラベラー』を全世界同時発売にしたのは、国内向けに制作した『ブレイブリーデフォルト』や『ブレイブリーセカンド』が海外でも多くの方に受け入れられたからです。2作とも海外での販売を行ってくれたのが任天堂さんだったので、今回もパートナーとして大変頼もしく思っています。
――本作で“8人の主人公”という設定を選ばれた理由を教えてください。
高橋:『オクトパストラベラー』は完全新作のRPGですので、ユーザーのみなさんにこのゲームのタイトルを覚えていただくにあたって、何か特徴付けたゲーム性を用意しないといけないと思いまして。
そう考えた中で、主人公を選べるゲームって実はあまりありませんし、ロールプレイをするうえで“自分の好きなキャラクターになれる”というのはよいアイデアかなと思いまして、“8人から選べる”という設定を作りました。
選べる主人公は1人ですが、他の7人のキャラクターもそれぞれの街にいますので、いつでもそのキャラクターと合流して仲間にすることもできますし、無視して進んでいくことも可能です。
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そのキャラクターのストーリーも進めることができるので、周回プレイをしなくても1回でちゃんと8人のキャラクターを追っていけば、8人のストーリーを全部見ることができます。
――いわゆる“つよくてニューゲーム”モード(クリア時のアイテムやステータスなどを引き継いだまま2周目に突入する周回プレイ要素)は本作にはないのでしょうか?
高橋:このゲームにはありません。1周で完結する作りになっています。ただ行く順番によって、推奨レベルや難易度が有機的に変わる部分はあります。そこはプレイする人によって、最初に行ったから簡単だったという人もいれば、すごく後に行ったから難しかったという人もいると思います。
サブストーリーについては結果が1つではないものもあるので、お友だちと話したときに、使うフィールドコマンドによって「そんな風になったんだ」、「違う結末を迎えたよ」と見つけていただくこともあると思います。
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――メインストーリーに関しては、マルチエンドではないと。
高橋:ただ1つの話ではなくて、8人それぞれにスタートとゴールがあるので、8つのストーリーがあるという形になっています。
――ストーリーは、だいたい時間でいうとどれくらいでクリアできるのでしょうか。
高橋:本作は基本的に4人パーティを組んでプレイする形になっていまして、1章をクリアしたあと2章のエリアに行くのに結構ハードルが上がるんですね。ですから、できるだけ仲間を作っていろいろなところを見て回るということを推奨している作りになっています。
プレイヤーさんが、ほとんどのキャラクターのストーリーを見てくださると想定して、メインストーリーだけ追おうとすると、だいたい50~60時間はかかると思います。この他の要素、サブストーリーや行かなくてもいいダンジョン、そしてフィールドコマンドという特殊なスキルを使ってこの世界を存分に堪能した場合、だいたいテストプレイで80~100時間くらいかかりましたね。
――縛りプレイとして1人でしかやらない、という遊び方もできるのですね(笑)。
高橋:誰も仲間にせずに1人でプレイするということもできます。
――8人のキャラクターがいて4人パーティということは、パーティキャラの入れ替えが発生するということですか?
高橋:一度仲間にすれば、酒場でいつでも入れ替えることができまして、このキャラクターのストーリーを追いたいなと思ったら、そのキャラクターを仲間に入れて旅に出ることがいつでもできるようになっています。
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――グラフィックをなぜドット絵にしたのでしょうか?
高橋:開発チームのメンバーにスーパーファミコンのゲームを深く遊んでいた世代が多く、あの頃の感動を自分たちの手で作りあげたいという情熱からドット絵にしました。
背景に関してはドット絵ではなく、私たちは“HD-2D”と呼んでいますが、ドット絵と3DCGを合わせた本作ならではの表現です。
宮内:ドット絵の世界観をリッチに見せるというテーマがあり、ドットを3Dモデルに貼ったり、ドットの荒さを調整したりした結果、“HD-2D”に行き着きました。
水の表現もドット絵にしたこともありますが、思ったほどの効果を得られず、かといって単純にフォトリアルの海にすると暗すぎるので、色味や波の立ち方などは特に気を遣いました。
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――グラフィックの思い出と同じで、ストーリーも大人になったからこそ楽しめるものになっているのでしょうか?
高橋:まさにその通りです。重い話、謎めいた話、感動する話など主人公ごとに色が異なります。詳しくはお話できませんが、どのようなストーリーが待っているかを旅立ちのテキストから想像してください。
――データの引継ぎが可能な体験版『OCTOPATH TRAVELER Prologue Demo』が配信されましたが、どれほどのボリュームになるのでしょうか?
宮内:キャラクターは8人から自由に選ぶことができ、それぞれ1章の最後までプレイできます。プレイの制限時間が3時間になりますので、2~3人を仲間にして、そのストーリーを終えるところぐらいを想定しています。
高橋:主人公8人分のエリアならどこにでも行けますので、イベントスキップなどでタイムアタックをすれば、8人全員を仲間にすることもできますが……あまり推奨はしません。
製品版に引き継いでゲームを始めた時にストーリーが見えなくなりますので、しっかりストーリーを楽しんでほしいです。
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――以前の先行体験版とは違い、発売前に主人公8人を選んで序章を遊べるという仕様になるのでしょうか?
高橋:はい。先行体験版ではオルベリク(剣士)とプリムロゼ(踊子)しか選べませんでしたが、今回は8人から選べて内容も製品版とまったく同じものになります。
体験版でどの主人公を選ぶかを決めていただき、その流れで製品版をプレイしてもらえるとうれしいです。このキャラはちょっと合わないかな? と思ったら、ニューゲームで再度進めていただくこともできます。
――おすすめの主人公は誰になりますか?
宮内:好きなキャラクターという意味では、薬師のアーフェンになります。というのも、裏表がないキャラクターで、即決即断していく姿は作り手側からしても見ていて気持ちがよかったです。
バトルでのおすすめになりますと……甲乙つけ難いですね。それぞれ使いたいシチュエーションがありますし。
高橋:どのジョブも活躍する場面はたくさんあります。このキャラクターがいないと攻略できないということもないので、ご安心ください。
私の好きなキャラクターは、剣士のオルベリクです。長い開発期間の中、最初に生まれたキャラクターで、紆余曲折を経てようやく送り出せたので一番思い入れがあります。
バトル面で言うと、学者のサイラスになります。全体攻撃魔法を使ってガンガン進めるのが好きなので。
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――バトルに回復役は必須でしょうか?
高橋:回復役として、神官のオフィーリアと薬師のアーフェンのどちらかがいたほうが安定します。ただし、アイテムでも回復できますし、神官や薬師のバトルジョブをつけることもできるので、2人が必須というわけではありません。
――特定のキャラクターを連れていないとサブストーリーが攻略できないことはありますか?
高橋:一部のサブイベントはそうですね。たとえば、アイテムを入手するためのフィールドコマンドを持つトレサ(商人)かテリオン(盗賊)のどちらかがいなければ攻略できないものなどですが。トレサで“買い取る”か、テリオンで“盗む”かはプレイヤーの自由です。
――フィールドコマンドのアイデアはどのようにして生まれたのでしょうか?
宮内:旅をするのであれば、さまざまな土地で人とのかかわり合いをもっと大切にしたい、“話す“だけでなくもっと深堀をしたいという想いから、主人公ごとのフィールドコマンドが生まれました。
高橋:剣士なら剣士らしく試合を挑む、踊子なら踊子らしく誘惑をするという、8人の主人公それぞれに世界の楽しみ方があります。フィールドコマンドが決まった後に、旅立ちのテキストを調整した部分もありました。
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――ここ最近あまり見ないターン制バトルを採用されていますが、本作ではどういった工夫がされていますか?
宮内:アクションゲームのような爽快感を味わえるよう“ブレイク”システムを導入しています。敵を弱らせたうえで強烈なダメージを叩き込める瞬間は、アクションゲームによくある気持ちよさに通じると思います。
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――そのブレイクシステムは敵の弱点を何度か突くことで発生しますが、ブレイクに必要な攻撃回数は敵ごとに設定されているのでしょうか?
宮内:シールドポイントの数値分、攻撃しないとブレイクにはなりません。柔らかい敵もいれば、堅い敵もいます。
高橋:ゲームを進めていくと、シールドポイントだけではない独自ルールを採用したボスが登場することもあります。
――エンカウント方式をシンボルではなくランダムにした理由はなんでしょうか?
高橋:フィールドとの相性を見てランダムエンカウントにしました。動いている敵シンボルを配置すると違和感がありますし、敵にフィールドコマンドを使用できるかも? という誤解を招かないようにもしたかったので。
宮内:フィールドコマンドを考えている時に、最初の頃はマップ内のあらゆるところにアクションができる案もありましが、あれもこれもやらないといけない、という感覚でプレイするのは嫌なのでNPCに一極集中しました。
――フィールドコマンドでインタラクションがとれるのはNPCのみになると
宮内:フィールドコマンドに関して言えばそうですね。通常のコマンドでしたら、ドアや宝箱などがあります。
高橋:ショップのドアのみ入れないのも理由がありまして、フィールドコマンドで武器屋や宿屋の主人を連れて行ってしまうとお店が機能しなくなってしまうので(笑)。
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――お店の中に入れたら絶対に連れて行っちゃいますね(笑)
高橋:武器屋だったら武器もらえそうですし(笑)。
――DLCの販売は予定されていますか?
高橋:まったく考えておりません。製品版が完成品です。
――最後に発売を楽しみしている皆さんにメッセージをお願いします。
宮内:今回配信した体験版では色々な地方を確認できます。自信のあるマップクオリティになっていますので、ぜひそれを楽しんでいただき、製品版にもご期待いただければと思います。
高橋:バトル、サウンド、シナリオなど、いずれも各分野のプロフェッショナルが全力を尽くして作り上げたゲームです。やり残したことはないと思っているので、発売後は皆さんからの意見をハラハラ、ワクワクしながらお待ちしております。
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データ
[集計期間2018年 06月09日~06月15日]
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