京阪電気鉄道(京阪)は6月15日、2018年度の鉄道事業設備投資計画を発表した。運転保安度の維持向上や旅客サービスの向上などにおよそ108億円を投入する。このうち、運転保安度の維持向上にはおよそ68億円が投入され、環境への配慮やバリアフリー対応、安全性の向上などが図られた新型車両13000系をさらに7両編成2本14両導入。また、京阪線(京阪本線淀~枚方市間と交野線)では、京阪本線出町柳~淀間と宇治線ですでに使用されている多情報連続式の自動列車停止装置(ATS)を導入。2020年度中には京阪線全線の導入を予定している。これまで京阪のATSは「点制御単変周式」と呼ばれるものが使用されてきたが、これは、レール間に設置した「地上子」と呼ばれる装置を使って、列車の通過に要した時間を計測。規定時間以下で通過した場合は速度超過としてブレーキをかける仕組みとなっていた。多情報連続式のATSは、レールを利用して停止信号や速度制限の位置、勾配、距離などの情報を列車へ伝送し、列車側ではそれらに基づき、ブレーキ性能や走行距離に基づく上限速度を算出、その速度パターンの上限速度値を使って速度照査を行なう。運転保安度の維持向上については、このほか、2020年度中の竣工を目指して、守口変電所(大阪府守口市)を更新し、隣接する高架線の直下へ移設する工事を行なう。旅客サービスの向上にはおよそ40億円が投入され、登場から30年が経過している6000系のリニューアルを継続し、2編成16両で実施する。また、北浜駅(大阪市中央区)と枚方市駅(大阪府枚方市)のリニューアル工事を推進するとともに、京橋駅(大阪市城東区)中央口と北浜駅のトイレをリニューアル。丹波橋駅(京都市伏見区)など8駅に観光総合案内板を設置する。最大で日・英・中・韓の4ヶ国語で行なう自動案内放送については、車内は京阪線の全車両で実施。駅では京橋駅など3駅で新たに行なうとしている。 11の大手私鉄事業者は6月15日、各事業者で就労継続が困難になった社員を相互に受け入…