東方神起のユンホ(32)が、6月10日に横浜市の日産スタジアムで行われたライブ「東方神起 LIVE TOUR 2017 ~Begin Again~」のステージ上で、「猿まね」に該当するような変顔や動作を行った……という、ネットニュースが広まった。「wezzy」もこの情報を記事化していた。同日のライブはWOWOWで生中継されていたことから、ネット上で写真や動画が拡散されている。
しかし端的に言って、これは誤解である。私は、2日目の公演を日産スタジアムに見に行き、3日目はWOWOWで見た。
今回「猿まねをした」と批判されているのは、「SUMMER DREAM」という曲の間奏で変顔などの面白いパフォーマンスをして、観客に真似させるというコンサートでの定番コーナーだ。5人時代のコンサートから10年以上ずっとやっていることである。
ファンとしては、「毎回のコンサートで違うパフォーマンスをやるから、今回の件もその一つに過ぎない」という認識で、何も思うところはなかった。そこに特別な意図、つまり日本人へのヘイト感情があるとは感じられなかったのだ。
ユンホには、頭で考えるより、身体が先に動いてしまうところがある……と、いちファンとしては思う。その“変顔”が日本においてどう受け止められるか、差別的な記号を持っているものに類似していないかという考えが、少し足りなかったところはあるかもしれない。その点で思慮が浅いというお叱りを受けるのは仕方がないと思う。
しかしファンとして擁護させてもらえば、ユンホは、目の前にいる人が韓国人だろうと日本人だろうと、とにかく全力で楽しませようとする人だ。
東方神起は、既に韓国内で人気絶頂だったのに、2005年に来日、ショッピングモールとか大学の学園祭とかのショボいステージでのドサ回りからスタートして日本での人気が出た後に分裂騒動が起き、2人で再始動して現在の立場を築いた。分裂騒動のときは相当な痛手だったはずだが、脱退した3人のことを悪く言ったことは全くない。韓国でアンチファンに接着剤入りのジュースを飲まされて入院した時も、ファンを責めることはなかった。
私が東方神起のファンになって9年が経つが、ユンホはとにかく人の悪口を言わない。寄付など慈善行為も当たり前に行ってきた。ちょっと空気が読めなくて真面目すぎるところもあるだろうが、幅広い年齢層に好かれ、だからこそ日産スタジアムでコンサートができるレベルの人数のファンがついた。
また、日産で連続3日間公演は、チケット代が11800円(プレミアムシートは24,800円)で7万席のうち1万席が機材やステージでつぶれていたとしても、1日あたり7億円×3日間で20億円ほどの額が東方神起のために動いている。もしも万が一、ユンホに日本人へのヘイト感情があったとしても、この3日間は大人しくしよう、と思う桁の金額ではないだろうか。
2日目のコンサート中のMCで2人は、2013年の日産スタジアム公演に触れ、「もうできないと思っていた、また日産スタジアムでコンサートができることが嬉しい」という旨のことを語っていた。そして2日目も3日目も、アンコールの後にユンホは「おかげさま」という言葉を何度もファンに伝えた。
ユンホは、同じメンバーのチャンミンに比べると日本語が得意ではなく、SNSでも全然日本語が出てこない。そんなユンホが言葉につっかえながらも「おかげさま」という言葉を何度も繰り返す姿からは、今回の日産スタジアム公演ができたのはファンのおかげだと感謝していることが伝わってきた。
私が今回のコンサートに参加して感じたのは、韓国人だろうが日本人だろうが、とにかく2人はファンを大事にしているということだ。だからこそ、今回の件で確かにユンホは軽率だったかもしれないが、何よりも腹立たしく思うのは、ユンホのことを全く知らない、ただ韓国が嫌いなだけの人が一部分を切り取って“炎上”に便乗していることである。
ファンがどれだけユンホは誠実だと思っているかを説明しても、ファンだからそう見えるだけ、と言われてしまうかもしれないが、今回の件は彼には侮辱の意図はないとファンとして信じている。
(犬咲マコト)