引き続きイスラム国の日本人人質の話をします。
前回愛国カルトは民主主義が嫌いで、政府批判は許さないという話をしました(参照)。その時の愛国カルトの一人を取り上げながら話をしたいと思います。
「政府批判して政府に依頼し政府のやることにケチつけるのか?」と言っています。つまり、政府批判しているものは政府に何かを要求するなと言っているわけで、逆に言えば政府に何か要求していいのは政府支持者だけということになります。政府批判を許さない、反民主主義宣言だと言っても過言ではないでしょう。
そもそも、この愛国太郎氏は、どういうわけか今回の人質になっているジャーナリストの後藤氏が朝鮮人だと決めつけるだけでなく(人質朝鮮人認定についてはこちら参照)、反安倍政権だと決めつけ、また後藤氏を救うためにISIS周辺国への2億ドル支援留保の署名活動をした人たち(こちら参照)も、反安倍だと決めつけています。一体どういう根拠があるのでしょうか?
私は後藤氏の政治信条は知りませんが、何故かこの愛国カルトな人は、後藤氏や、後藤氏解放のための署名活動をした人たちを「安倍しね~派」に認定してしましました。そもそも「安倍しね~派」というのが何なのか意味不明ですが。
↑後藤氏や署名活動した人たちを「安倍しね~派」だと決めつける愛国カルト氏。
署名活動した人は17000人もいたのですから、安倍政権支持だけど人質のために署名に協力したという人もいて全然おかしくないのですが、この人は十把一絡げに「安倍しね~派」に認定してしまいました。
これは、前回も紹介しましたが、愛国カルト(ネトウヨ)に大きく特徴的な行動の一つ、「世の中を自分の『味方』か『敵』かの二元論で語る」という行為です。これをする人は本当に多く、愛国カルトの人は自分こそが正しい愛国を実践していると思うあまり、自分や、自分と同様の持ち主以外を「反日」にしてしまうのです。
(↑世の中が「反日か親日かのどっちか」に二分できると思っている愛国カルトさん(参照)
※この人はネトウヨの見本みたいな人なので、ウォッチしてみると「ああ、こういうのを『ネトウヨ』と呼ぶのか」とわかっていいかも知れませんが、ひとたび目をつけられるとひたすらストーキングの嫌がらせをやってくる人ですので、関わらないほうがよろしいです)
それに、署名活動は後藤氏の湯川氏両名の解放を求めてのものでした(※湯川氏の殺害が報じられ、現在は後藤氏解放に改められている)。湯川氏はこの記事によれば「日本の右翼思想に傾倒」して民間軍事会社を立ち上げた人物ですあり、田母神氏と握手している写真をfacebookにアップしています(参照)。これらのことから考えると、むしろ湯川氏の思想信条は愛国太郎氏に近いものだろうと思うのですが、それを救おうとして署名活動をしていた人たちを「安倍しね~派」に任命してしまう彼の発想はまるで理解できませんね。
↑田母神氏と一緒に写真に写る湯川氏。
むしろ湯川氏は「安倍しね~派」と真逆だと思われる。
それを救おうと署名活動をした人たちを「安倍しね~派」に任命してしまう
愛国カルトの頭の不思議さは計り知れない。
ちなみに、愛国太郎氏の場合、自分の考えを愛国的と見なすあまり、それこそが「日本人の考え」と思い込み、それ以外を「朝鮮人」だと思い込んでしまうぐらい偏見をこじらせています。
後藤氏を朝鮮人認定し、「日本民族として動いていない」から「日本人じゃねぇ」と言う愛国太郎。思想良心の自由を真っ向から否定していますね。彼が言う「日本民族として動いている」のは彼自身のことなのでしょう。そして、彼にとって、彼が考える「日本民族としての行動」をとらない人は日本人ではないとみなされ、朝鮮人認定を受けてしまいます。
彼にとって、日本民族は一つの公式の思想良心の下に行動するのが正しいのでしょう。民族としてのあるべき行動が存在するなんて、まるで北朝鮮のようですね(笑)。
この愛国太郎氏が言う「安倍しね~派」とは、以下のようなものだそうです。
これ単にあんたが嫌いな連中だろ!
「反核」が「安倍しね~派」だってことは、自民党も「安倍しね~派」だらけになりますねw フジテレビの新報道2001(2009年4月5日放送)によれば、核武装には国民の7割が反対なのですが、7割の人が「安倍しね~」と言っているんでしょうか(笑)。安倍総理自身も、本心はどうか知りませんが、2006年に衆議院で「我が国の核保有という選択肢は全く持たない」と言っているんですが、安倍総理自身も「安倍しね~派」なんでしょうかw (でも核武装賛成が2割いるって意外と多いな)
また、「しばき隊系議員」や「左翼ジャーナリスト」なんて誰のことかもよくわからないし、共産党、民主党、社民党が「安倍死ね」なんて言ったことがありますかね? 反自民勢力というだけでしょ。
安倍政権支持で核武装派の彼にとって、彼が嫌いな人間はみんな「安倍しね~」と言っていることにされてしまったようです。反核派まで含めて、これらが皆「安倍しね~」と言っているとなると、ネトウヨ以外みんな「安倍しね~」と言っていることになってしまいそうですね(笑)
このように、「オレ」と「敵」に二分するのが愛国カルトの大特徴です。
そして、彼らに「敵」と見なされれば、命までもが軽視されます。
>>あんな奴(後藤氏)は助けることはねぇ。自業自得だ。
>>ただのアホ。
安全な日本でキーボードをたたいているだけの人が、戦場の悲惨な状況を伝えようとしているジャーナリストを「あんな奴」「アホ」扱いです。
最初に「安倍政権を批判する奴が安倍政権に助けを求めるな」「恥知らず」「アホ」と言っていたことからもわかりますが、愛国カルトである彼にとって、自分と思想良心が違う相手は助ける価値のない相手であるそうです。彼は安倍政権にそういう対応を求めているようですが、日本国民の命を軽視する政権を求めるとは、実に不思議な発想ですね。
また、ネットにはこんな書き込みもありました。
(参照)
>>9条信者の後藤チョンコは死んでいいよ
>>見せしめになる
もはや思想良心以前に人間としてどうかしている発言ですね。後藤氏が本当に「9条信者」なのか知りませんが、この書き込み主にとっては、9条を支持していることは死罪に相当するようです。さらに朝鮮人認定までしています。やはり、自分と思想良心が違う相手には生きる価値さえ認めないようです。
また、「見せしめ」って何でしょうね。9条と今回の邦人拉致が関係あるとでも思っているのでしょうか? 「9条があるとこうなるぞ」ってことでしょうか? じゃあ、バリバリ軍隊を持って空爆しているアメリカやフランスのジャーナリストも人質になっているのは何なんでしょう? 愛国カルトはこのように何でも好き勝手に恣意的に結び付け、全く論理性の欠片もない批判をすることが多々あります。
繰り返しになりますが、この手の人間は、自分の思想だけが愛国の正しい思想だと思い込んでします。そう思い込むあまり、それ以外の思想は反日扱いしたり在日朝鮮人扱いしたりして、「日本から出ていけ」と言ったり、「死んでいい」とか言ったりするわけなのです。
↑わたしを在日認定して「日本から出てけ」と言った、別の愛国カルトのもみじ氏。自分の思想だけが日本に存在していい思想なのでしょう。やはり思想良心の自由というものが嫌いなようです。
愛国太郎氏は「日本の国体」の重要性を強調します。
彼にとって、彼が支持しない人間は、「日本民族として行動」していない「日本の国体を破壊しようとする」者であり、そんな人間は命さえもどうでもいいわけです。
これが愛国カルト(ネトウヨ)です。
自分の考える「愛国」の在り方だけが絶対的に正しく、自分の思想以外の持ち主は敵だと考えます。彼らにとっては、世の中は「味方と敵」「親日と反日」などに二分できるえらく単純なものであり(単に複雑なことを考えるだけの頭がないんだろう)、自分に対立する相手は日本人とさえ見なされず(多くの場合在日認定される)、助ける価値もなく、「見せしめ」のために「死んでいい」存在なのです。
愛国カルトは、日本を愛していると言いながら、実際に愛しているのは自分の思想だけです。だから、その思想に合致しなければ、同じ日本人の命でも自分の思想を支える「見せしめ」のために「死んでいい」と言いだすのです。これのどこが「愛国」なのでしょうか。
彼らは愛国者ではありません。自分自身が大好きなだけです。その自分自身を日本人のあるべき在り方だと思い込んでいるために、自分が愛国者だと勘違いしているだけなのです。
このようないびつな自己愛を「愛国」と呼んでいるだけの自称愛国者たちに、決して騙されてはいけません。
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コメント
後藤氏解放への願いを何処をどのように繋げると反日、反安倍、在日になるのか私の脳ミソでは理解できませんが、愛国カルトは流石の能力で難なくこなしてきていつも感嘆させられます。一度でいいから脳内を見てみたいです。
考えてみれば愛国カルトの「犯罪者に対する在日認定」も結局のところ「都合の悪い人間は敵であって欲しい」という思いに起因しているのでしょうね。
一体どのような人生を歩めばそのような考えに至るのか、非常に興味深いですが・・・
それと愛国太郎さんは「日本の国體を破壞しようとするもの許すべからず」
と言っていますが、「日本ノ國體ヲ破壞セムトスルモノ許スヘカラス」の方が格好良いですよと彼にお伝えください。
ガチ右翼の播磨屋もそうなんですよね。
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