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仮想通貨を無断「採掘」 県警、容疑者2人逮捕

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2018/06/15 02:00 更新:2018/06/15 02:00
神奈川県警

神奈川県警

 自身が運営するウェブサイトを閲覧した人のパソコンを無断で仮想通貨の獲得手段である「マイニング(採掘)」に利用したとして、県警は14日までに、不正指令電磁的記録保管と同供用の疑いで、平塚市見附町、ウェブサイト運営業の男(31)と、三重県いなべ市、会社役員の男(37)を逮捕した。

 サイバー犯罪対策課によると、両容疑者は仮想通貨「モネロ」のマイニングをする「コインハイブ」と呼ばれる演算プログラムをサイトに設置していた。コインハイブの不正利用による摘発は全国初。

 逮捕容疑は、昨秋ごろから今年2月までの間、自身が運営するウェブサイトにコインハイブを設置して、閲覧者に無断でマイニングをさせた、としている。

 同課によると、コインハイブが埋め込まれたサイトを閲覧すると、閲覧者のパソコンは自動的にマイニングを開始し、サイト運営者は対価の7割を手に入れることができるという。同課は、閲覧者が知らないうちに、無断でマイニングが実行されている点を違法と判断した。マイニング中は、閲覧者のパソコンには強い負荷がかかり、動作が止まったり遅くなったりし、中にはパソコンを買い替えた人もいるという。

 同課によると、ウェブサイト運営業の男は18のサイトで約12万円相当を、会社役員の男は三つのサイトで約5万円相当の仮想通貨を得ていた。調べに対し、ウェブサイト運営業の男は「違法とは思わなかった」、会社役員の男も「罪になるとは思わなかった」と供述している。

 県警はこのほか、無断でマイニングをしたなどとして3~6月に、ウェブデザイナーの男性(30)ら4人を同容疑などで書類送検した。警察庁のまとめによると、神奈川以外にも愛知や宮城など9県警が同容疑などで摘発している。

「一方的な捜査」問題視 書類送検された男性の弁護士


 同意なしに他人のパソコンを使い仮想通貨のマイニング(採掘)をしたとして、県警に不正指令電磁的記録保管容疑で書類送検された東京都のウェブデザイナーの男性(30)と弁護人の平野敬弁護士が14日、都内で記者会見し、「法解釈が十分に定まっていない中で、一方的な捜査が行われている」と、警察の姿勢を問題視した。

 平野弁護士によると、男性は昨年9~11月、自身が運営する音楽サイトに「コインハイブ」を設置した。サイトに明示しておらず、マイニングで約900円相当の仮想通貨を得たという。県警は3月に同容疑で男性を書類送検。男性は罰金10万円の略式命令を受けたが否認し、今後横浜地裁で正式裁判が開かれる予定だ。男性は会見で「具体的に何が良くて何が駄目なのかを裁判で明らかにしたい」と述べた。

 平野弁護士は「閲覧した人の履歴を基に表示されるネット広告とコインハイブは同じ仕組みだ。なぜコインハイブは不正なのか」と疑問視。「このままではIT技術者は、摘発を恐れて新しいプログラムを開発できず、ネット社会は健全な発展を妨げられる。明確な基準をつくるべきだ」と指摘した。

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