イメージすることが一番大事、と師匠に教わり、一生懸命守ってきたが、ふと気が付いた。
イメージにも二種類あるのだ。
ひとつは「過去の映像のイメージ」、もうひとつは「そのシチュエーションに立ち会っているイメージ」だ。
恐らく、プロのクリエイターの大多数が、前者で仕事しているんじゃないだろうか?
過去の映像のイメージ、つまりパクリだ。
パクリを一概にダメだとは言わない。しかし、今の作品群がどれも「どこかで観たような」薄っぺらい印象になるのは、これが原因だろう。
一方で、ここまで師匠に細かく教わった記憶はないが、僕は後者のイメージが大事だと考えてきた。
まずその作品の世界、「現場」に立ち会うのだ。
そこから、あたかもドキュメンタリーを撮るかのようにカメラを回し、編集する。
その方が絶対にリアリティが増す。
昔は技巧を駆使して、トリッキーな演出をしたものだが、『WUG』辺りから、やめた。
その方がドラマの強度が増し、キャラが生き生きするのだと、確信して信じている。
今のアニメがとことんつまらないのは、パターンで作っているからだ。
悪いとまでは言わないが、どれも均一で、無個性で、ありきたりで、実につまらん。
様式に安穏としている表現は、どれも皆つまらんのだ。