2018年06月12日 更新
[薬剤師監修]理研が開発中の毛髪再生医療がすごい! 失った髪の毛を蘇らせる最新技術とは?
薄毛で悩む人に希望をもたらす「毛髪再生医療」とは?
近年、ハゲに悩む人々の間で「毛髪再生医療」が話題となり、薄毛治療が革新的に進歩するのではないかと期待されています。
最近では、理研・オーガンテクノロジーズらの研究チームが、実用化に向けて動物実験を7月より進める方針だと発表し、話題になっていますよね。
そうした“開発中の新しい毛髪再生技術”についても後で詳しく紹介しますが、まずは「毛髪再生医療」とは一体どのようなものなのか、具体的に見ていきましょう。
毛髪再生医療とは、毛周期に注目したハゲ治療法
すでに行われている「毛髪再生治療」
- グロスファクター法(または、グロースファクター法)
- HARG(ハーグ)療法
- 脂肪幹細胞療法
健康な髪の毛のサイクル「毛周期」とは?
現在行われている毛髪再生医療を見る前に、まずは髪の毛の基本的なメカニズムを理解しておきましょう。
髪の毛は、毛周期の中で「生えて、抜けて、生える」を繰り返します。
毛周期(ヘアサイクル)とは、髪の毛が成長して抜け落ちるまでの一定の周期のこと。
健康な人ならば、成長期が2〜4年程度、退行期が1ヶ月程度、休止期が5ヶ月程度と、合わせて1,000〜2,000日の毛周期を繰り返しています。
成長期の早期では、毛根の根元にある毛母細胞が活性化することで、髪の毛が成長。
そして、成長期の後期にかけて太く長い髪の毛になっていきます。
しばらく経つと、細胞の自然死(アポトーシス)によって毛母細胞の細胞分裂が減少していく退行期に。
細胞分裂が完全に停止する休止期に入ると、古い髪の毛は新たに生成した髪の毛に押し出されます。
これが、毛周期の中で行われる抜け毛のメカニズムなのです。
成人男性の3人に1人が発症しているハゲの病気「AGA(男性型脱毛症)」は、男性ホルモンの働きによってこの毛周期が縮められることで引き起こります。
これから紹介する毛髪再生医療は、短期化した毛周期を正常にし、健康な髪の毛を取り戻すために行われる治療法。
本来ならば効果が認められたAGA治療薬を服用しなければなりませんが、この医療技術が進歩すれば、「薬を飲まずに髪が生える」時代が来るかもしれないのです。
すでに用いられている毛髪再生療法①:グロスファクター法
すでに用いられている毛髪再生療法②:HARG(ハーグ)療法
HARG(ハーグ)療法が受けられる医療機関<PR>
ゴリラクリニック(新宿・池袋・上野・横浜・大阪梅田・名古屋栄・新潟)
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HARG治療まとめ
- 料金:1回8万円〜12万円程度。6回程度の実施で効果があるとする病院が多い
- 健康保険:自由診療であるため保険適用はされない
- 副作用:副作用が出たという報告は今のところないとのこと
- 女性の治療薄毛:HARG治療は女性も可能
すでに用いられている毛髪再生療法③:脂肪幹細胞療法
最新の毛髪再生医療とは?
現在さまざまな機関で、より進んだ毛髪再生の技術が開発されています。
現在開発中の「新しい毛髪再生技術」
- 京セラと理化学研究所が開発する技術
- 資生堂とカナダのベンチャー企業「レプリセル社」が開発する技術
- IPS細胞を応用した技術
最新毛髪再生医療の実態①:京セラと理研が開発する毛髪再生技術
頭皮の幹細胞から、髪の毛を作り出す「毛包」の培養に成功!
電子機器や半導体で有名な京セラも、理化学研究所(理研)やオーガンテクノロジーズと共同で、毛髪再生医療技術の研究に取り組んでいます。
京セラや理研が開発している毛髪再生医療技術は、細胞を取り出して培養し、移植するという方法です。
京セラの開発する技術では、毛乳頭細胞とバルジ領域上皮細胞という2種類の細胞を取り出して培養し、髪の毛を生み出す機関である毛包原基を再生します。
そうして再生した毛包原基を脱毛部分に移植して、新しい髪の毛が生えるようにするという方法です。
理研が研究している「毛包器官再生医療」が実用化へ向かう!
2018年6月4日、理研は「毛包器官再生医療に向けた非臨床試験開始」を発表しました。
非臨床試験とは、人の頭皮を使った臨床試験の前段階で、動物を用いて安全性を確かめる試験のこと。
毛のないマウスを使った実験では、21日の間に1平方cmあたり124本の発毛に成功したという結果が出ています。
日本人の頭髪密度は1平方cmあたり60〜120本ほどと言われているので、マウスと同じ量の発毛が人間にも実現するとしたら、薄毛対策としては十分だと言えるでしょう。
理研は、安全性を確認するための動物実験を7月より開始し、問題がなければAGAを対象とした臨床試験を進める方針だと発表しました。
以下、発表された資料より抜粋した実験結果です。
成体マウスの毛包器官から、バルジ領域に存在する上皮性幹細胞と、間葉性幹細胞である毛乳頭細胞を分離し、「器官原基法」により再生した毛包原基を移植したヌードマウス近い将来、当たり前に毛髪再生医療が受けられる日が来るかもしれません。
● 毛髪診断士コメント
理研の生体マウスを使った毛髪再生医療に関する実験では、21日間で124本/cm2の発毛が確認された上、発毛頻度は移植数のうち74%という高い数値が報告されています。
先に控える臨床試験の結果次第では、男性型脱毛症や女性型脱毛症以外の脱毛症や、臓器再生への波及効果の展開も期待されています。
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最新毛髪再生医療の実態②:資生堂が開発する毛髪再生技術
大手化粧品メーカーである「資生堂」も事業の一環として、毛髪再生医療技術の開発を行っています。
資生堂が開発中の毛髪再生医療技術は、男性ホルモンの影響を受けにくい後頭部の頭皮の性質に注目しました。
後頭部から毛球部毛根鞘細胞を採取し、培養して薄毛の顕著な箇所に移植するという方法です。
毛球部毛根鞘細胞は、毛を作る力を持つ細胞。
後頭部から10本程度の髪の毛を含む頭皮を採取し、その毛球部毛根鞘細胞を3ヶ月かけて100万個ほどに培養します。
培養した細胞を髪の毛の薄い部分に注入すると、薄毛が目立っていた箇所から髪の毛が生えてくるようになるというわけです。
資生堂はこの技術の研究について、毛髪再生治療の先駆者であるカナダの企業「レプリセル社」と共同で行っています。
「レプリセル社」による治験結果では、16名中10名の毛髪密度が5%以上増加する結果となり、約63%の患者に薄毛の改善が認められました。
画期的な方法ですが、現在わかっている副作用として、がん細胞ができたり、添加物へのアレルギー反応が出る可能性が報告されています。
最新毛髪再生医療の実態③:iPS細胞による毛髪再生技術
万能細胞と名高いiPS細胞によって、毛髪を再生する技術も開発途上にあります。
慶應義塾大学の研究チームが、iPS細胞を使ってマウスを発毛させることに成功したという報告もあり、今後に期待できる薄毛治療法と言えるでしょう。
iPS細胞による毛髪再生技術が実用化されれば、皮膚組織が破壊されたことによって、永久的に髪の毛が生えなくなってしまう瘢痕性(はんこんせい)脱毛症の患者さんなどへの治療にも、役立つことが期待されています。
しかしiPS細胞は、他家移植細胞であることや対外培養による細胞変異など、懸念される課題がまだたくさんあるようです。
人への実用化はまだまだ先になりそうですが、iPS細胞による毛髪再生技術の発展にも注目しておきましょう。
毛髪再生医療が持つ2つのメリット
新技術である毛髪再生医療を受けることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
毛髪再生医療を受ける、2つのメリット
-
治療薬が使えない人でも治療できる
- 薬が効くまでの時間を待つ必要がない
毛髪再生医療のメリット①:治療薬が使えない人でも治療できる
毛髪再生医療のメリット②:薬が効くまでの時間を待つ必要がない
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毛髪再生医療が持つ2つのデメリット
革新的な治療法と思われる毛髪再生医療ですが、デメリットと言える部分もあります。
毛髪再生医療の2つのデメリット
- 客観的に効果が認められている治療法ではない
- まだまだ開発途上の技術である
- 治療費が高い
毛髪再生医療のデメリット①:客観的に効果が認められている治療法ではない
毛髪再生医療のデメリット②:まだまだ開発途上の技術である
毛髪再生医療のデメリット③:治療費が高い
毛髪再生医療に期待しつつ、まずは医師による診療を受けよう
毛髪再生医療が実用化されれば、髪の毛が生えなくなった頭皮にも、しっかりとした髪の毛が生えるようになるかもしれません。
とはいえ、実用化はまだまだ先の話。
少しでも早く薄毛・抜け毛の対策を始めたい人は、現時点で有効性が認められている治療法を試してみましょう。
薄毛・抜け毛を改善するためには、原因に合った治療や、体質に合った対策が必要です。
AGA専門クリニックなど、薄毛治療を扱う多くの病院では、カウンセリングを基本無料で行っています。
医師と相談した上で自分に合った治療法を行いながら、毛髪再生医療の実用化を待ちましょう。
● 毛髪診断士コメント
毛髪再生医療は確実な薄毛治療とも言われていますが、実用化はまだ先。
まずは「今できる対策」を始めてみましょう!
AGA専門クリニックってどこに行けばいいの?
薄毛で悩んでいてAGA専門病院に相談したいけれども、「お金はいくらかかるんだろう」 「薬の副作用が不安……」と、なかなか踏み出せないものですよね。
しかし心配はありません!長友選手が出演するCMでも話題の「AGAヘアクリニック」では、病院に行かずともスマホビデオ通話で無料相談ができます。
AGAヘアクリニックなら、病院に行かなくてもスマホで相談できちゃう!
サッカー日本代表の長友選手が出演するテレビCMで話題の『AGAヘアクリニック』は、スマホアプリによるテレビ電話カウンセリングを無料で行っているため、全国どこからでも、気軽に相談できます!
そして、薬は診察後に自宅に宅配便で届くので、外出なしで薄毛治療を受けることが可能です。