【ロンドン火災】あれから1年、グレンフェル・タワーが追悼ライトアップ
2017年6月14日にロンドン西部で起きた公営高層住宅「グレンフェル・タワー」の大火事から1年がたった。
グレンフェル・タワーを含む13カ所の公営高層住宅ではこの日、火事のあった午前零時54分(日本時間午前8時54分)に緑色のライトアップが行われ、72人の犠牲者を悼んだ。
現場近くの教会では追悼式が行われ、午前1時半には犠牲者の名前が読み上げられた。
14日の正午には、英国全体で1分間の黙祷がささげられる。
火災以降、グレンフェル・タワーは最上階部分の四方にハートがあしらわれた白いシートで覆われている。
この火災をめぐっては、公開調査が始まっており、証拠集めが行われている。
調査では、火災の始まった部屋の住人ベハイル・ケベデさんが救急にかけた通話記録が公開された。
弁護士のラジブ・メノン氏は、ケベデさんが火元とみられている冷蔵庫に改造を加えていたなど「いじわるな嘘」が出回っていると述べた。
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グレンフェル・タワーのあるケンジントン・アンド・チェルシーの自治体は、52世帯が現在も一時的な住居に住んでいる一方、83世帯が定住できる家にいると発表した。
支援団体「ジャスティス4グレンフェル」のイベット・ウィリアムズ氏は「英国全体がグレンフェルのことを忘れずにいてほしい」と話した。
「1年の節目は愛と支援、そしてあの日に人々が見せた優しさを続ける日。明日からはまた戦いが始まります」
この火災で家族2人をなくしたクラリー・メンディーさんは、ケンジントン北部の聖ヘレン教会で午前11時から行われる追悼式を準備した。
「これは私たちが独りでないことを知るための癒し、コミュニティー、一体感、連帯感の追悼式です」とメンディ-さんは話す。
「私たちは73羽の白いハトを放ちます。なぜ72羽でないか?最後の1羽は見知らぬ誰かのためです」
「もし犠牲者が72人以上だったら、この1羽がその誰かのものです」
追悼式では、参加者が教会からグレンフェル・タワーへ持っていけるよう400本の白いバラが配られる。
また地域住民は午後7時に、犠牲者への追悼メッセージが書かれたグレンフェルの壁に集まり、火災現場まで黙祷しながら行進する。