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中国のWebメディア Midifan、『SUPERBOOTH』でのレポート記事が問題視され、Behringerから警告文を受け取る
先月、ドイツ・ベルリンで開催された世界最大のシンセサイザーの祭典、『SUPERBOOTH』。今年は何と言っても、Behringerが多数お披露目した新製品が大きな注目を集めましたが、その報道を巡ってトラブルが生じているようです。
Behringerが『SUPERBOOTH』でお披露目した「MS-101」
中国で最も人気のある音楽制作系Webメディア、Midifanの創業者兼CEOであるNan Tang氏がICONに送ったメールによると、Midifanは先週、Behringerの法律事務所から手紙を受け取ったとのこと。その手紙では、MidifanがBehringerの新製品レポート記事の中で使用した、“copycat(模倣)”、“shameless(恥知らず)”といった表現を問題視し、これらの侮辱的な言葉がUli Behringer、MUSIC Tribe Global Brands Ltd、Zhongshan Behringer Electronic Co., Ltd、Zhongshan Ouke Electronic Co., Ltdに深刻な被害を与える可能性があると警告。さらにBehringerの法律事務所は、中国の公安機関に通報した上で、現在刑事訴訟の準備をしていると記しています。
Midifanが受け取った手紙(一部)
ご存じのように、Behringerの『SUPERBOOTH』での新製品は世界中で大きな話題になり、“クローン”や“コピー”といった表現を使って紹介したメディアも少なくありません。しかし現時点で、Behringerの法律事務所からこのような警告文を受け取ったメディアは、Midifanだけのもよう。これについては、Midifanが中国語圏で非常に大きな影響力を持っているメディアであるということに加えて、ドイツのWebメディア CDMは、Midifanが昨年末にBehringerの労働環境をレポートしたことが関連しているのではないかと推測しています。
現在、Midifanの記事からは、“copycat”、“shameless”といった言葉はすべて削除されていますが、Nan Tang氏によれば、報道機関としての権利を守るため、刑事訴訟に対応する準備も進めているとのこと。なお、CDMによると、中国で名誉毀損罪が下ると3年間の懲役刑が執行されるとのことです。
余談ですが、Midifanの創業者兼CEOであるNan Tang氏は、ソフトウェア・メーカー 2nd Sense Audioの共同創業者兼CEOでもあります。また、最近は“Mikai Music”というボカロ・レーベルを立ち上げ、音楽作品のリリースも開始しています。“Mikai Music”の最初の作品『初夢』は、全曲中国語版初音ミクを使って制作されたコンピレーション・アルバムで、日本でもiTunes/Apple Musicなどで聴くことが可能。興味のある方はぜひチェックしてみてください。
『初夢』V.A.(Mikai Music)