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今から買うならCat.6Aケーブルがベター
マルチギガビット・イーサネットのリンク速度5Gビット/秒時の周波数帯域は200MHz、2.5Gビット/秒時は100MHzになる。前者はCat.6、後者はCat.5e以上の仕様に準拠したケーブルの利用を想定している。ただ5Gビット/秒を利用するためにCat.6に買い替えるのは得策ではない。Cat.6とCat.6Aの価格差が少ないため、Cat.5eからの買い替えならCat.6Aが無難だ。
| 名称 | 想定仕様 | 周波数帯域 | 金属シールド | 実売価格(1m時) |
|---|---|---|---|---|
| Cat.5e | 1000BASE-T/TX | 100MHz | - | 200円前後 |
| Cat.6 | 10GBASE-T(37m以内) | 250MHz | - | 400円前後 |
| Cat.6A | 10GBASE-T | 500MHz | - | 500円前後 |
| Cat.7 | 10GBASE-T | 600MHz | 〇 | 900円前後 |
| Cat.8 | 25GBASE-T、40GBASE-T | 2GHz | ◎ | 2000円前後 |
Cat.5eとCat.6の対応LANケーブルの価格差は倍近いが、Cat.6と10Gビット/秒での利用を想定するCat.6Aの価格差はそれほどない。Cat.6A準拠のケーブルは400MHzの高周波で100m伝送できる品質を保証している。
Cat.7以上は、10GbEといえどもオーバースペック。違いは金属シールドによるノイズ耐性で、ノイズの多い環境や複数のケーブルを束ねて使う場面でなければ実効速度を左右するほどではない。また、シールドやケーブル内の芯線の位置ずれを防止する保持材(スペーサー)の影響でケーブルが太く固い。信号伝送はともかく、取り回しの面では不利だ。
周波数が高いほど距離に応じた信号の減衰が大きくなるが、1mや2mといった短距離であればCat.5eであっても10Gビット/秒でリンクする可能性が高い。とはいえトラブル発生時のリファレンスケーブルとして、1本はCat.7やCat.8などの高品質なケーブルを用意しておくと問題の切り分けに役立つだろう。
推奨外のケーブルの利用などで通信が不安定な場合は、NICのデバイスドライバによってはケーブルの品質を確かめられる。例えば米インテル(Intel)のNICは、ケーブル品質を簡易的に検査する機能を備えている。