玄海原発仮処分の抗告審始まる
佐賀県にある玄海原子力発電所3号機と4号機の再稼働を認めないよう求めた仮処分の申し立てを、佐賀地方裁判所が、去年、退けたことを不服として、住民が申し立てた抗告の審理が8日から福岡高等裁判所で始まりました。
佐賀県にある玄海原子力発電所3号機と4号機の再稼働を認めないよう住民が求めた仮処分の申し立てについて、佐賀地方裁判所は去年6月に退ける決定を出しました。
佐賀や福岡などの住民173人は、決定を不服として即時抗告し、決定からおよそ1年がたった8日、福岡高等裁判所で住民側と九州電力側の双方から意見を聞く「審尋」の手続きが非公開で行われました。
住民側は、想定される最大の地震の大きさについて現在の算出方法では過小評価されていることに加え新たに熊本県の阿蘇山で巨大噴火が起きる危険性を指摘し、原発の立地が不適切であることなどを主張しました。
一方、九州電力側は、地震の大きさの算出方法や火山に関する評価は合理的なものであり、事故が起きる具体的な危険性はないなどと主張し抗告を棄却するよう求めました。
次回は、10月29日に開かれ、住民側が火山噴火の危険性などについて説明する予定です。
玄海原発をめぐっては3号機がことし3月に再稼働し4号機も早ければ6月16日にも再稼働する見通しです。