「米韓演習中止」 トランプ氏発言に驚きと戸惑いの声

2018.06.13 Wed posted at 19:02 JST

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ワシントン(CNN) トランプ米大統領が12日、米朝首脳会談後の記者会見で米韓合同軍事演習の中止に言及したことに対し、韓国や日本、米議会、さらには米国防総省内部からも驚きと戸惑いの声が上がっている。

トランプ氏は会見で、演習を実施することは「不適切」だと発言。北朝鮮がこれまで演習を非難してきた表現と同じ「挑発的」という言葉を使い、中止すれば北朝鮮は「とても感謝するだろう」などと述べた。

同氏はさらに、在韓米軍についても「連れ戻したい」との意向を示したが、この件は現時点で交渉の要素にはなっていないと付け加えた。

米朝会談でトランプ氏が演出した対話路線を評価する意見は多い。しかし北朝鮮や中国が念願としてきた演習中止を、韓国や日本への相談もなく突然表明したことに、懸念が集中している。交渉が進まないうちに大きなカードを切ってしまったと指摘する声もある。

韓国国防省は会見の後、トランプ氏による発言の「正確な意味と意図」を見極める必要があるとする声明を出した。

米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)のアジア担当上級副社長、マイケル・グリーン氏はトランプ氏の発言を「息をのむような」「驚くべき展開」と評した。

米国のバイデン前副大統領は、トランプ政権が北朝鮮から何の見返りも得ないうちに、多くの勝ち点を与えたことになると指摘。北朝鮮がすでに勝ち取ったものとして、米大統領と会談したことで得られる正統性、国際社会からの制裁圧力の軽減に加え、軍事演習の中止を挙げた。さらに、トランプ氏が「核交渉を始めるというあいまいな約束と引き換えに米国の交渉力を弱め、同盟関係の弱体化を示唆してしまった」と批判した。

一方でカントリーマン前国務次官代行は、演習中止の表明を覆すことは簡単にできると述べ、「致命的な失敗ではない」との見方を示した。ただし韓国との連携がみられなかったことには懸念を示し、「プロセス全体の成功には、米韓ができる限り緊密な協議を続けることが不可欠だ」と強調した。

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