閲覧者PCを仮想通貨獲得利用か

ホームページに特殊なプログラムを設定した上で、閲覧した人たちのパソコンを仮想通貨の獲得のために利用していたとして、神奈川県内の男ら2人が13日までに警察に逮捕されていたことが、捜査関係者への取材でわかりました。

捜査関係者によりますと、逮捕されたのは、神奈川県平塚市の荻野剛生容疑者(31)ら2人で、運営するホームページに特殊なプログラムを設定した上で、閲覧した人たちのパソコンを、仮想通貨の獲得のための「マイニング」と呼ばれる作業に無断で利用していたとして、不正指令電磁的記録供用などの疑いが持たれています。
「マイニング」は、インターネット上で行われる仮想通貨の取引の膨大なデータをコンピューターで計算しネット上に記録する作業で、誰でも行うことができ、対価として仮想通貨を受け取れます。
2人はそれぞれ確定申告などに関するホームページを運営し、同意を得ないまま閲覧者のパソコンをマイニングに利用していたということで、警察は対価の仮想通貨を入手する目的だったとみて調べています。
マイニングをめぐっては、ほかにもホームページの閲覧者が勝手にパソコンを利用されるケースが去年秋ごろから全国で相次ぎ、各地の警察が摘発を進めています。
その一方で、違法とは考えずに閲覧者のパソコンをマイニングに利用するホームページは数多くあると見られていて、この問題に詳しい平野敬弁護士は、「閲覧者のパソコンから情報を盗んだわけではない。規制する法律自体があいまいなもので、これでは警察がウェブサイトを恣意的に選んで摘発できることになってしまう」と指摘しています。