セ・リーグへのお披露目はお預け(時事通信フォト)

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 セ・リーグに初参戦──交流戦最大の目玉となるはずだった日本ハム・清宮幸太郎(19)は札幌から遠く離れた千葉・鎌ケ谷の二軍球場で白球を追っている。

 交流戦開幕前々日の5月27日、栗山英樹監督は打率1割台に低迷していた清宮の二軍降格を決断。

「あまりに急で、29日のイースタン・西武戦前の練習では札幌から送ったユニフォームが間に合わず、ブルペン捕手から借りていたほど。交流戦の半分はDHがなく、二軍で鍛え直す方がいいと計算したようだ」(スポーツ紙記者)

“計算違い”となったのが29日、巨人との交流戦開幕戦を地上波で全国中継予定だった日本テレビだ。

「“巨人vs清宮”を目玉とすべく、事前取材も念入りに行なっていた。普段は番記者と系列局のカメラマンしか送り込まないようなパの球場の試合に局アナを交えたクルーを派遣していたほど」(日本テレビ関係者)

 そんな“突然の苦境”ゆえか、当日の新聞各紙の朝刊テレビ欄に異色の文言が出現した。〈清宮全打席〉──。

 二軍落ちを知らない視聴者があたかも“清宮が出場する”と誤解しそうなフレーズだ。テレビ欄の文言は前日まで修正可能なので“修正が間に合わなかった”わけでもない。前出・日テレ関係者はこういう。

「今季の平日ナイターの全国中継は3試合だけで、今後の放送のためにも視聴率を稼がねばならず、清宮の名は外したくなかったのでしょう」(日本テレビは「視聴者の皆様の関心事である清宮選手の二軍での全打席を紹介する予定で、実際にその通り放送いたしました」と回答)

 清宮が紙面を見たかは定かではないが、当日は5打数4安打2本塁打と大活躍。全国に“二軍戦で凡退し続ける姿を放送される”事態を回避してみせた。

 ただ、前出・日テレ関係者によると「視聴率は5月10日の阪神戦よりも低く、ヒト桁」とのこと。取らぬ清宮の皮算用。

※週刊ポスト2018年6月15日号