日本化学会がPVを削除 既婚の教授と学生の恋愛ストーリーに「女性軽視」の指摘相次ぐ
2018年06月11日 17時45分 J-CASTニュース
2018年06月11日 17時45分 J-CASTニュース
2018年06月11日 13時56分 J-CASTニュース
日本化学会がPV削除 教授と学生の「恋愛」ストーリーで「女性軽視」?の画像
国内最大の化学学会「日本化学会」(東京都千代田区)は2018年6月11日、YouTubeなどで公開していたプロモーションビデオ(PV)を削除した。動画の内容に、複数の会員から「不適切ではないか」との指摘が寄せられたためだ。
削除されたPVは、既婚者の男性教授に恋心を抱く女子大生が主人公。彼女が教授への恋愛感情を募らせていく様が描かれたストーリーに、ツイッターなどで「化学を専攻する学生を馬鹿にしすぎ」といった反発が広がっていた。
「今から始まるケミカルストーリー」問題視された動画は4月17日、学会公式サイトやYouTube上で公開された。同学会が初めて制作したPVで、タイトルは「日本化学会オリジナルムービー」。動画の説明欄には、次のようなあらすじが記されていた。
「主人公は化学に恋する女子大生ユナ。 大学3年生の彼女は、化学のことで頭がいっぱい。 そんなある日、彼女の心を揺さぶる運命的な出会いが訪れる。ユナの日常はクロムメッキのように光り輝き始め、その未来はセシウム時計のように揺るがないはずだった。あの一言を聞くまでは...」こうした説明文が示すように、今回のPVは全体としてコメディ調だった。
まず冒頭では、パンをくわえた主人公のユナが、以前から憧れの対象だったという男性教授・日野と正面から衝突するシーンがある。その後、日本化学会に入会したユナは、学会で活躍する日野の姿を見て彼への恋心を深めていく。
だが、後に日野が既婚者で子持ちだということが判明。さらには、日野が同級生と「不倫」をしているという噂まで浮上するなど、ストーリーは急展開を見せていく。最終的には、紆余曲折を経て見つめ合うユナと日野の姿をバックに、
「今から始まるケミカルストーリー」というテロップが表示され、どこか含みを持たせるような形でPVは終わる。
このように、女子大生と大学教授の恋愛模様を描いたストーリーに、疑問や違和感を覚えた人は少なくなかったようだ。ツイッター上では、PVの公開から1か月以上が経った6月9日頃からその内容に大きな注目が集まり、
「女性が科学者を志すのは『科学への興味・探求心』があるからで、男性科学者への恋愛感情なんかじゃない」といった否定的な意見が次々と書き込まれる騒ぎとなった。
差別の意図は「全くございません」その後、日本化学会は11日朝に問題視されたPV動画を公開停止とした。同学会の広報担当者は、J-CASTニュースの取材に対し、
「複数の会員から『表現が不適切ではないか』『化学会が出すPVの内容としてふさわしくないのではないか』との指摘があり、動画を削除することを決定しました。当会でも、(動画の内容に)問題があったと認識しています」と説明した。
一部のネットユーザーから「女性を軽視しているのでは」といった指摘も出ている点について聞くと、担当者は「そういった意図は全くございません」。その上で、今回のようなストーリーの動画を制作した意図について、
「学生など化学の研究に携わる若い方が、動画のターゲットでした。そうした若い人たちにも、日本化学会へと興味を持って貰いたく、柔らかくソフトな内容のプロモーションビデオを制作しました」としていた。
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