富士通クライアントコンピューティングが「小学生向けPC」を開発 何が違う? (1/2)

» 2018年06月12日 18時15分 公開
[井上翔ITmedia]

 富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は7月26日、小学生の利用を想定して設計・開発されたFMVシリーズのノートPC「LIFEBOOK LH55/C2」と「LIFEBOOK LH35/C2」を発売する。想定販売価格は前者が10万~11万円、後者が8万円台後半となっている。両モデルの発売に合わせて、同社は小学生向けのオンライン学習支援サービス「FMVまなびナビ」の提供も開始する。

 今までさまざまなノートPCが世に出てきたが、「小学生向け」に特化したモデルは前代未聞。今までのノートPCとの違いはどこにあるのだろうか。

LH35/C2とLH55/CS 左が「LH35/C2」、右が「LH55/C2」。LH55/C2が2in1タイプでタッチパネル(と強化ガラス)を搭載していること以外は、両者ともに共通仕様となっている

教育市場向けPC・タブレットのノウハウを生かした設計

 LIFEBOOK LHシリーズは、2020年に小学校のプログラミング教育必修化を見据えて開発されたLIFEBOOKの新シリーズ。同社が高いシェアを持つ教育市場向けPC・タブレットの開発で培った知見をもとに、「親と子供双方が満足かつ安心して使える」ことを重視したという。

教育市場 小学校におけるシェアの高さを生かして開発

 本体の外周部には「あんしんグリップ(ラバーグリップ)」を用意。持ちやすさを高めると同時に、角から本体を落下した際の本体破損のリスクを低減している。画面の天板も圧迫に強い設計とし、ある程度乱暴に扱っても簡単には壊れないようにしている。この天板は、シールをはがした際に塗装がはがれないようにあえて無塗装としている。

あんしんグリップ 本体の外周部は濃い灰色の「あんしんグリップ」で囲んでいる
無塗装天板 天板はあえて無塗装とすることで、シールをはがした際に塗装がはがれないようにしている。「いたずらの防止目的もあるが、シールを貼って楽しむ場合も便利」(関係者)だ(写真のフロンターレシールは付属しない)

 学校などの教育市場では、キーボードの付いたクラムシェル型ノートPCよりもタブレット端末の普及がより進む傾向にある。それに対しLHシリーズは、プログラミング学習での利用を視野に入れてキーボード付きのクラムシェル型となった。液体を誤ってこぼした際に備えて、キーボードは防滴設計となっている。

キーボード回り プログラミング学習での利用を想定して、フルサイズの日本語キーボードを搭載。変則サイズの部分もなく、打ちやすい
ローマ字入力表 キーボード入力に不慣れな人のために、ふくまろデザインの「ローマ字入力表」も付属する。「FMVキッズ」や「FMV まなびナビ」のWebサイトでキータイプの練習もできる

 とはいえ、学校で使っているタブレットと同じように使いたいというニーズもある。それに応えるため、上位モデルのLH55/C2は、画面を反転させるタイプの2in1ボディーとし、画面も10点マルチタッチとペン操作に対応するタッチパネルとした。

 このモデルは画面ガラスを「Dragontrail」とし、画面の耐傷性や耐衝撃性も高めている。

LH55/C2 上位モデルのLH55/C2は2in1 PCで、タッチ操作やペン操作にも対応する。タッチペンも付属する

 2in1機構とタッチパネルの有無を除く主なハードウェア仕様はLH55/C2とLH35/C2で共通となっている。CPUはCeleron 3865U(1.8GHz)を搭載し、メインメモリは4GB(DDR4、増設不可)、ストレージは128GBのSSDを備える。ディスプレイは14型のHD(1366×768ピクセル)ノングレア液晶となる。

 ポート類は本体左側面にEthernet端子(1000BASE-T)、HDMI出力端子、USB 3.0端子×2、イヤフォンマイク端子、右側面にSDメモリーカードスロット、USB 2.0端子と電源端子を備える。USB接続のマウスも付属する。

 Webカメラは画面の正面に92万画素、背面に500万画素のものを搭載している。特に背面カメラは周囲の様子の撮影に役立つだろう。

Webカメラ(背面) 画面の背面側に搭載された500万画素のWebカメラ。周囲の様子を撮影する際に役立ちそうだ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       1|2 次のページへ

この記事が気に入ったら
ITmedia PC USER に「いいね!」しよう