ステンレス(SUS)材は、製造方法と表面状態が密接に関係しています。
製造工程の中で、ホット材とコールド材と呼ばれる材料に分かれます。
ホット材とは
熱間圧延材のことです。(圧延は回転する複数個のローラーの間に金属を通し、板状等の形に加工する方法です)
熱間圧延は、金属の再結晶温度よりも高い900~1200度で加工します。
加工後、酸化膜や汚れに覆われている表面を酸で洗い流しますが、粗い状態です。(艶のない、梨地のような表面になります)
1番目の加工工程で仕上がるので、No.1材とも呼ばれています。
ホット材は加工工程での内部応力をほとんど持たないので、加工を加えても材料が変形することなく、安定した材料といえます。
ただ、表面をキレイに仕上げるためには追加で加工が必要なため、手間がかかりその分金額も高くなります。
コールド材とは
ホット材を冷間圧延した材料のことです。
冷間圧延は、金属の再結晶温度よりも低い、720℃以下で加工します。
表面は光沢があり、つるっとした仕上げになります。
2番目の加工工程でできあがるので、No.2とも呼ばれ、光沢を意味するブライトのBと合わせて2B材とも呼ばれています。
コールド材は加工工程での内部応力を持っているため、加工した際に歪が発生しやすいです。
特に巾や長さ方向への加工は、あまり加えないことが望ましいです。
ステンレス(SUS)の表面処理
ステンレス(SUS)には様々な表面仕上げがあります。
仕上げ方法により表面の見た目が、ぴかぴかとした光沢がある・ない、模様が入っている等といったように変わってきます。
以下の表で主な表面処理・及びどのような見た目になるかを紹介します。
ステンレス(SUS)表面処理一覧 | ||||
名称 | 見た目 | 仕上げの方法 | 用途 | |
No.1 | 銀白色で光沢がない | 熱間圧延後、酸洗で仕上げたもの。 | 表面の光沢が必要とならない部品等に使用されます | |
2B材 | 少しだけ光沢があります。 | 冷間圧延(製造上の2番目の工程でできます) | 一般的工材(市販品の多くは2B材です) | |
2D材 | 灰色で艶消しのような仕上げ | 冷間圧延後、焼鈍→酸洗で仕上げたもの。 | 建材などの一般的工材 | |
No.3 | 光沢あり。粗い目の仕上げ | 100~120番のベルトで研磨処理したもの。 | キッチン等の厨房用の材料 | |
No.4 | 光沢あり。こまかい目の仕上げ | 150~180番のベルトで研磨処理したもの。 | 医療機器・車両・厨房用の材料 | |
#240 | 細かい目の研磨仕上げ | 240番程度のベルトで研磨処理したもの。 | 医療機器・車両・厨房用の材料 | |
#320 | #240よりさらに細い目の研磨仕上げ | 320番程度のベルトで研磨処理したもの。 | 医療機器・車両・厨房用の材料 | |
#400 | 鏡面に近い光沢 | 400番のバフ研磨で仕上げたもの。 | 表面の光沢が求められる部品。装飾用など。 | |
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