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弁護士への“不当懲戒請求”13万件を扇動した黒幕――『余命三年』の正体とは?

[2018年06月12日]

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5月16日、懲戒請求者に対する和解を呼びかけ、応じない場合は訴訟を検討すると表明した佐々木弁護士(左)と北弁護士

あるブログに扇動されたネットユーザーが、集団で多数の弁護士に懲戒請求を申し立てる騒動が起きている。

場合によっては失職もある弁護士の懲戒請求は、国民に認められた権利ではあるが、日弁連の集計では昨年5月以降、全国21弁護士会で約13万件に上り、例年(1500~2500件程度)に比べるとその数は極めて異常だ。

この集団行動を煽(あお)ったブログの名は『余命三年時事日記』(以下、『余命』)。一体、何者なのか? 懲戒請求を出した後「余命」から離れた“元ファン”や関係者に話を聞き、その正体に迫った!

懲戒請求を受けた東京弁護士会所属の佐々木亮弁護士は、5月16 日に北周士(きた・かねひと)弁護士と合同で開いた記者会見でこう話した。

「懲戒請求は私ひとりで約3000件、北弁護士は約960件。その理由は『違法である朝鮮人学校補助金支給要求声明に賛同し、その活動を推進する行為は、確信犯的犯罪行為である』というものでしたが、私はそのときは声明自体を知らなかったし、賛同の発言や署名をしたこともなかった」

佐々木氏と北氏は、不当な懲戒請求により業務を妨害されたなどとして、ひとり30万円の損害賠償金を求める裁判を起こすと表明。同時に反省・謝罪した者との和解(和解金5万円)も呼びかけた。ほかの一部の弁護士も同程度の額で訴訟の動きを見せている。

そして、この懲戒請求を呼びかけたのが「余命」だ。『ネット右翼の終わり ヘイトスピーチはなぜ無くならないのか』(晶文社)、『愛国奴』(駒草出版)などの著書がある著述家の古谷経衡(つねひら)氏が解説する。

「『余命』は排外主義的な論調で、10年代のネトウヨ(※ネット右翼の略称)をけん引してきた保守系ブログのひとつ。『余命3年と宣告されたブロガーが、残された人生をかけて、左翼や在日の暗部を暴露する』という趣旨で、12年にスタート。今も更新し続けています。真偽は不明ですが、どうやらブログ主が代替わりしているらしく、現在は“三代目”だと言われています」


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