安倍昭恵×小林りん【後編】先生や生徒、学校自体にダイバーシティがあれば、これからの教育はもっと面白くなる

ISAKの教育
安倍昭恵さんと小林りんさん

長野県軽井沢町にある全寮制国際高等学校「ISAK(International School of Asia Karuizawa)」で行ったファーストレディの安倍昭恵さんとISAK代表理事の小林りんさんの対談。後編は、これからの学校教育についてのお話です。

前編はこちらからご覧ください。

学校自体の選択肢にダイバーシティを

安倍昭恵(敬称略。以下安倍): 私は、いろんな教育の形があって、選べるようになったらいいと思っているんです。

小林りん(敬称略。以下小林): 本当におっしゃる通りです。

安部: 関西に『教育勅語』を読ませたり『論語』を暗記させたりする幼稚園があるのですが、そこが今度小学校を作ることになったんです。ここもユニークな教育をしていますが、みんながみんな同じ方向を見なくてもいいと思う。

小林: 私たちも今の形が唯一の正解だとも思っていません。ISAKを運営していると、月1回は「学校を作りたいんです」という相談を受けます。「学校を、教育を変えたい」と思っている人たちがたくさんいるんだ、と感じます。私たちはいまは教育界の異端児のような存在ですが、そういう人たちが動くきっかけになれば嬉しいです。そうやって新しい学校が増えて、学校自体に多様性が生まれていったら。

安部: 教育の現場も男の先生ばかりではなく、もっと女性の比率を増やしたり、障がい者やLGBTの先生がいたり……。学校はもっとオープンに交わる場所であってほしいと思います。

小林: ダイバーシティのなかでこそイノベーションは起きると信じています。同じような人たちだけでいたら見えてこないことがある。その意味では、先生や生徒など学校の中、そして学校自体にも多様性があるとすごく面白くなりますね!

安部: 選択肢のひとつとして、今の日本の大学のように受験勉強を一生懸命すれば入学できるという学校があってもいいと思う。主人(安倍首相)はよく、「受験を経験した人は、すごく根性がある。仕事に対しても執念がある」と褒めています。今の教育にはもちろん良さもある。私は日本人の良さを海外で聞かれるときに「どんな職業の人でも一生懸命働いているところ」と答えているんです。これは日本の教育が培ってきたものなのではないかと思います。

小林: 日本の教育ももちろん素晴らしいと思っています。礼儀作法やしつけの概念、理数系教育は世界に誇るべきものです。

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