県は11日、県内での麻疹(はしか)流行の終息宣言を出した。3月下旬~5月15日に99人の感染者が確認されたが、最後の患者が5月11日に医療機関を受診して以降、4週間にわたって新たな患者が確認されなかったことから国立感染症研究所感染症疫学センターのガイドラインに基づき、終息を判断した。
11日、県庁で記者会見した砂川靖保健医療部長は「今回の流行はいったん終息したが、同じようなケースは十分に考えられる。今後も関係機関と連携し、定期予防接種の実施率向上などワクチン接種の推奨に取り組みたい」と話した。
嘉手苅孝夫文化観光スポーツ部長は「流行終息で沖縄観光は安全・安心だと県外、海外に広く情報発信していきたい」と強調した。
県内でのはしか患者の確認は4年ぶり。3月中旬に台湾から本島への観光客男性が発生源となり、観光施設や大型商業施設、飲食店などで接触した県民らに感染が広がった。
県のまとめによると、感染者は30代が31人で最も多く、次いで20代の23人、1~9歳の15人、40代の13人と続いた。感染者の72%が20~40代だった。感染者の7割がワクチン未接種者か接種歴の不明者だった。保健所別では中部26人、南部と那覇市が各24人、北部22人、宮古2人、八重山1人。
また、はしか流行による観光客のキャンセル数は746件、5572人で直接損害額は約4億2千万円に上った。