まずはご報告遅くなったことをお詫びいたします
今月発売される紙媒体での最後のコミックリュウををもちまして、アルボスアニマのリュウでの掲載は終わりになります
未刊行であります5巻と6巻は100ページを描き下ろし、自費出版にて制作してお届けしたいと思います
…少し長い話になりますが
私の気持ちを間違えなく伝えたいと思いますのでお付き合いください
コミックリュウの休刊を告げられたのは数ヶ月前
私の担当窓口である編集者さんを含め二名の編集さんが社を去らなければならないほど切迫した状況
その時は「webもふくめすべて撤退し、単行本も出すことはできない」と聞かされていました
この出版不況と時代の流れを考えれば
作家としてはむしろ力になれなかったことを申し訳なく思うし
「まあみんな全力で頑張ってだめだったなら仕方ないじゃないか!」
とも思ったので
自分のできる最大限として自費出版で最後まで出そうと決めました
…本当は応援してくれている読者さんにこんな話を聞かせちゃいけないと思ってきたのですが
今回は忌憚なく客観的に自分のことを話させていただきます
私は現状有名な作家ではないです
「出版社がかけたコストよりも大きな成果をもたらす作家」でもありません
商業出版は沢山の人とお金がかかります。だから上記の条件に当てはまる作家であることがとても重要だと思っています
ちなみ皆さんのおかげで私が生きるのには充分な成果はあります、心配はいりません本当にありがとうございます
…でも多分それだけじゃ商業としてはやっていけないんですよね
今のままでは私は出版社さんの荷物にしかならない
だったら規模をもっと小さくしてコストを下げてみようと思いました
以下は例えばのはなしですので数字は仮のものです
「出版社を通せば5000部刷られる本」を
「個人で500部刷る」
と言う方法です
規模をを十分の一に下げるかわりにコストも個人で払えるレベルに下がります
もちろん書店へ卸すことはできないけどイベントでも同人通販でも利用させてもらえる手段はいくつもあります
今は電子書籍だってだすことができる
…きちんと調べなければどんな見落としがあるかわかりませんし、そんな簡単なものではないことはわかっているつもりではありますが…
でも私はカガステルを最後までwebで描いて同人誌にまとめて頒布してきました
何年もかかったけどそれは私にとって、金銭的な厳しさを除けば辛いことではありません。
むしろ読者さんが近くてとても幸せでした
この状況に対して悲観的にではなく前向きに挑んでいくことができます
作家でも編集さんでも、有名無名にかかわらず
「作品を誰かに届けたい」と言う気持ちはみんな同じではないかと思います
でも今まで通りの方法は通用しないし、おそらくこの先はもっと厳しくなるはずです
志は同じでもそれぞれ自分のスタンスや作品の規模に合わせて、発表する方法は別々に選んでいくべきだと思います
私の選んだ方法は先に書きました通り
残り2冊の単行本をコストと部数を下げて作り上げることです
この数ヶ月の間リュウさんからの情報や条件も2転3転し、最終的にどの方法に決まったのかは先月号の発表をみるまで不確かなところがありました
その裏側を何パターンも想像することはできるし、先月の最後に少しだけ事情を伺うこともできました
きっと私と同じようにこの先をどう生き抜いていくかを悩み考え、模索していたのだと思います
リュウさんと同じように
私も私の生きる方法を探しました
なので、決してケンカ別れなどではありません
webに挑んでいくコミックリュウやそこに移行される作家さん編集さん
リュウを離れなければならなくなり、新しい場所でもう一度頑張っていく編集さん達
連載を思う形で終わらせられなかった方もいるし
始めることができなくなってしまった方もいます
もう一度書きますが
みんなそれぞれ違う状況で、違う道に挑んでも「漫画を届けたい」という気持ちはひとつだと思っています
この難局をただの窮地にしないで新しく生きる機会にしていけると信じています
…事情があってアルボスアニマは4巻が発売してから1年以上が空いてしまっています
おそらくこのあと5巻6巻を発売しても書店に行き渡る数が作られることはないと思います
どちらにしても予約や通販なしでは買うことのできない本になる
最後まで付き合いたいと思ってくれた読者さんにはお手間とご迷惑をおかけすることになりますし
今日まで置いてくださった書店さんには本当に申し訳ないと思っています
それでも
描き上げるものに一切妥協しないと誓いますので
どうか見守っていただけたらと思います
短く情報だけまとめますと
「アルボスアニマのリュウでの掲載はここで終わり、残り100ページを描き下ろして2冊の単行本を自費出版で出す」
ということです
発売方法や値段、装丁については追ってブログやTwitterで公開していきたいと思います
現状では冊子版電子版ともに視野に入れています
冊子版の装丁についてはできるだけ変わらないように、サイズは4巻までと絶対に同じものを用意します(並べたときサイズ違うのはちょっと耐えられない…)
カバーも付けます
カバーデザインについては交渉がこれからですが、違うものになったとしても良いものをお届けできるようにします
完成は年内を予定しています
最後になりますが
休刊の報が続く出版業界ですが私はそんなに悲観していません
電子に可能性を広げてそこから紙に刷られ書店で置かれるヒット作もいくつもあります
今は作家も編集者も読者さんもみんなで少しずつ痛みを払う時代です
単行本が出なくなったり印税が減らされたり、雑誌がなくなったり解雇されたり
欲しかった漫画の続刊が打ち切られて手に入らなくなってしまったり
でもそれぞれが知恵を絞って生き残る道を探して
さらに志を忘れず切磋して信じるものを描き続ければ遠回りしても届くと信じてるし
…届かなくて倒れちゃってもやるだけやったんならまあ、愚痴らなくて済むんじゃないかな?
倒れるときは気持ちよく前に向かって倒れたいものですよね!
…まあそんな覚悟してるみたいに話しててもいきなりドカンと大ヒット飛ばしたらそんなの全部考え過ぎで終わりだし!
私も編集さんもどこの誰でも自分が想像した未来しか来ないわけじゃないし
画期的なシステムが生まれて書店に足を運ぶ人も増えるかもしれないし
そんな未来が来るまで生き残ってやろうと思うので
どうか見ていてください!
それでは皆様、これからもお付き合いいただけるよう力を尽くしていきますので
ちょいちょい素直な道を外れる漫画家をどうぞよろしくおねがいします!
橋本花鳥
今月発売される紙媒体での最後のコミックリュウををもちまして、アルボスアニマのリュウでの掲載は終わりになります
未刊行であります5巻と6巻は100ページを描き下ろし、自費出版にて制作してお届けしたいと思います
…少し長い話になりますが
私の気持ちを間違えなく伝えたいと思いますのでお付き合いください
コミックリュウの休刊を告げられたのは数ヶ月前
私の担当窓口である編集者さんを含め二名の編集さんが社を去らなければならないほど切迫した状況
その時は「webもふくめすべて撤退し、単行本も出すことはできない」と聞かされていました
この出版不況と時代の流れを考えれば
作家としてはむしろ力になれなかったことを申し訳なく思うし
「まあみんな全力で頑張ってだめだったなら仕方ないじゃないか!」
とも思ったので
自分のできる最大限として自費出版で最後まで出そうと決めました
…本当は応援してくれている読者さんにこんな話を聞かせちゃいけないと思ってきたのですが
今回は忌憚なく客観的に自分のことを話させていただきます
私は現状有名な作家ではないです
「出版社がかけたコストよりも大きな成果をもたらす作家」でもありません
商業出版は沢山の人とお金がかかります。だから上記の条件に当てはまる作家であることがとても重要だと思っています
ちなみ皆さんのおかげで私が生きるのには充分な成果はあります、心配はいりません本当にありがとうございます
…でも多分それだけじゃ商業としてはやっていけないんですよね
今のままでは私は出版社さんの荷物にしかならない
だったら規模をもっと小さくしてコストを下げてみようと思いました
以下は例えばのはなしですので数字は仮のものです
「出版社を通せば5000部刷られる本」を
「個人で500部刷る」
と言う方法です
規模をを十分の一に下げるかわりにコストも個人で払えるレベルに下がります
もちろん書店へ卸すことはできないけどイベントでも同人通販でも利用させてもらえる手段はいくつもあります
今は電子書籍だってだすことができる
…きちんと調べなければどんな見落としがあるかわかりませんし、そんな簡単なものではないことはわかっているつもりではありますが…
でも私はカガステルを最後までwebで描いて同人誌にまとめて頒布してきました
何年もかかったけどそれは私にとって、金銭的な厳しさを除けば辛いことではありません。
むしろ読者さんが近くてとても幸せでした
この状況に対して悲観的にではなく前向きに挑んでいくことができます
作家でも編集さんでも、有名無名にかかわらず
「作品を誰かに届けたい」と言う気持ちはみんな同じではないかと思います
でも今まで通りの方法は通用しないし、おそらくこの先はもっと厳しくなるはずです
志は同じでもそれぞれ自分のスタンスや作品の規模に合わせて、発表する方法は別々に選んでいくべきだと思います
私の選んだ方法は先に書きました通り
残り2冊の単行本をコストと部数を下げて作り上げることです
この数ヶ月の間リュウさんからの情報や条件も2転3転し、最終的にどの方法に決まったのかは先月号の発表をみるまで不確かなところがありました
その裏側を何パターンも想像することはできるし、先月の最後に少しだけ事情を伺うこともできました
きっと私と同じようにこの先をどう生き抜いていくかを悩み考え、模索していたのだと思います
リュウさんと同じように
私も私の生きる方法を探しました
なので、決してケンカ別れなどではありません
webに挑んでいくコミックリュウやそこに移行される作家さん編集さん
リュウを離れなければならなくなり、新しい場所でもう一度頑張っていく編集さん達
連載を思う形で終わらせられなかった方もいるし
始めることができなくなってしまった方もいます
もう一度書きますが
みんなそれぞれ違う状況で、違う道に挑んでも「漫画を届けたい」という気持ちはひとつだと思っています
この難局をただの窮地にしないで新しく生きる機会にしていけると信じています
…事情があってアルボスアニマは4巻が発売してから1年以上が空いてしまっています
おそらくこのあと5巻6巻を発売しても書店に行き渡る数が作られることはないと思います
どちらにしても予約や通販なしでは買うことのできない本になる
最後まで付き合いたいと思ってくれた読者さんにはお手間とご迷惑をおかけすることになりますし
今日まで置いてくださった書店さんには本当に申し訳ないと思っています
それでも
描き上げるものに一切妥協しないと誓いますので
どうか見守っていただけたらと思います
短く情報だけまとめますと
「アルボスアニマのリュウでの掲載はここで終わり、残り100ページを描き下ろして2冊の単行本を自費出版で出す」
ということです
発売方法や値段、装丁については追ってブログやTwitterで公開していきたいと思います
現状では冊子版電子版ともに視野に入れています
冊子版の装丁についてはできるだけ変わらないように、サイズは4巻までと絶対に同じものを用意します(並べたときサイズ違うのはちょっと耐えられない…)
カバーも付けます
カバーデザインについては交渉がこれからですが、違うものになったとしても良いものをお届けできるようにします
完成は年内を予定しています
最後になりますが
休刊の報が続く出版業界ですが私はそんなに悲観していません
電子に可能性を広げてそこから紙に刷られ書店で置かれるヒット作もいくつもあります
今は作家も編集者も読者さんもみんなで少しずつ痛みを払う時代です
単行本が出なくなったり印税が減らされたり、雑誌がなくなったり解雇されたり
欲しかった漫画の続刊が打ち切られて手に入らなくなってしまったり
でもそれぞれが知恵を絞って生き残る道を探して
さらに志を忘れず切磋して信じるものを描き続ければ遠回りしても届くと信じてるし
…届かなくて倒れちゃってもやるだけやったんならまあ、愚痴らなくて済むんじゃないかな?
倒れるときは気持ちよく前に向かって倒れたいものですよね!
…まあそんな覚悟してるみたいに話しててもいきなりドカンと大ヒット飛ばしたらそんなの全部考え過ぎで終わりだし!
私も編集さんもどこの誰でも自分が想像した未来しか来ないわけじゃないし
画期的なシステムが生まれて書店に足を運ぶ人も増えるかもしれないし
そんな未来が来るまで生き残ってやろうと思うので
どうか見ていてください!
それでは皆様、これからもお付き合いいただけるよう力を尽くしていきますので
ちょいちょい素直な道を外れる漫画家をどうぞよろしくおねがいします!
橋本花鳥
何だか色々なことが急に起こった感じで正直自分はまだフワフワした状態ですが
先生の選んだ道を尊重し応援を続けていきたいと思っています
これから先も。
5、6巻絶対に買います!情報を見落とさないようにせねば!笑
なかなか次の巻が出ないのはカガステルの連載の影響でまだ原稿がたまっていないのかと思っていたのですがそういったご事情だったのですね。
商業連載の終了は残念ですが、続きを描いてくださるのなら最後まで追いかける所存です。
大変な状況の中、むしろこの記事に元気をいただきました!
ありがとうございます。
某サッカー漫画のおまけページで拝見してから20年近く楽しませていただいております。この先も雑誌連載の商業、コミティアなどの同人、どういったフィールドになるかも含め楽しみにお待ちしております。