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迫真のウォーゲーム NATOサイバー演習、対露最前線エストニア (1/4)

» 2018年06月11日 07時10分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 バルト海に面する人口135万人の小国エストニアの首都タリンで4月下旬、北大西洋条約機構(NATO)による世界最大のサイバー防衛演習「ロックト・シールズ2018」が行われた。エストニアが国境を接するロシアなどからのサイバー攻撃の脅威に対抗するためだ。演習は、電気や水、情報通信などライフラインのインフラが攻撃されたと想定。日本を含む世界30カ国から集まった過去最多の軍関係者やサイバー専門家約千人はウオーゲーム(実戦演習)で迫真の攻防を展開した。(岡部伸撮影)

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画像 ハンザ同盟の都市だった中世の面影を色濃く残す世界遺産に指定されたタリン歴史地区(旧市街)=岡部伸撮影

過去に大規模被害

 タリン市内の高層ホテル。

 「B発電所が攻撃された。直ちに復旧を!」

 「了解!」

 宴会場に陣取った「NATOサイバー防衛協力センター」の被害対策ルームに緊張した声が飛び交った。

 ロックト・シールズは、北大西洋に浮かぶ架空の島国「ベリリア」が影響力拡大をもくろむ「クリムゾニア」からサイバー攻撃を受け、NATOに支援要請するとのシナリオで始まった。

 「クリムゾニア」はロシアを想定しているとみられる。

 ロシアは、エストニアがタリン市内の旧ソ連の赤軍記念碑を撤去したため、2007年にこの国に世界初の大規模サイバー攻撃を仕掛けたとされる。

 銀行、情報通信、政府機関、メディアなどが大混乱となり、エストニアは翌08年にこの防衛協力センターをNATOから誘致した。加盟国を中心に約20の参加国がサイバー防衛に取り組んでいる。演習はこの年から始まり今回で10回目を数え、世界最先端のサイバー防衛を可能にしている。

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