九大跡地再開発“飛び地”は除外 箱崎「三畏閣」跡にマンション計画 住民困惑、大学に質問状

解体前の三畏閣。学生の集会などに使われていた =2015年
解体前の三畏閣。学生の集会などに使われていた =2015年
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マンション建設が計画されている三畏閣跡地(左)。幼稚園(奥)は日当たりに影響が出ることを懸念している=福岡市東区
マンション建設が計画されている三畏閣跡地(左)。幼稚園(奥)は日当たりに影響が出ることを懸念している=福岡市東区
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 移転による跡地の再開発を控えた九州大箱崎キャンパス(福岡市東区)の近くで、学生が集会に使っていた「三畏閣(さんいかく)」の跡地に民間会社が8階建てマンションを建設する計画が浮上し、近隣住民が困惑している。住民は「三畏閣は箱崎キャンパスの一部で、地域の意見を聞いて一体的に再開発される」と考えていたが、九大は「飛び地なので再開発の対象外」と説明。住民が大学や福岡市に質問状を出す事態になっている。

 三畏閣があったのは箱崎キャンパスから70メートル離れた住宅地。木造2階建ての純和風建築で、約2500平方メートルの敷地に大学の職員宿舎もあった。そばに住む桑野恵子さん(71)は「茶室や池、梅やドングリがなる木があり、地域のオアシスだった」と懐かしむ。

 九大が昨年夏、三畏閣の土地と建物の入札を募集したところ、福岡市のマンション開発会社が約10億円で落札した。会社は建物を解体し、分譲マンションを建てる計画を公表。住民は隣接する幼稚園への日差しが遮られるなどの理由で、千筆以上の署名を集めて、低層にすることなどを求めている。幼稚園理事の山本光さん(64)は「日光は園児の成長に不可欠」と話す。

 住民が困惑するのは、三畏閣だけが箱崎キャンパスから切り離して再開発されるからだ。九大や市が主導するキャンパス跡地約50ヘクタールの再開発には、近隣住民が意見を伝える場があるが、三畏閣はそれがない。

 地元自治会の原田康幸会長(68)は、九大が近代建築物調査で、三畏閣を「箱崎キャンパスにある近代建築物」に含めていることから「三畏閣の土地も箱崎キャンパスの一部であり、一体的に再開発すると思っていた」。九大は住民に飛び地と説明しておらず「九大が言ってくれれば、建築協定を結ぶなど、やれることはあった。九大と一緒にまちづくりをしてきた自負があったのに」と憤慨する。

 九大の統合移転推進課は「誤解を与えたかもしれない」と認めた上で「50ヘクタールに入っていないのは図面などを見てもらえれば分かる。処分できる土地は早く売却するのが基本方針」と主張。三畏閣の跡地利用について「建築条件を付けておらず、九大として関わることはできない」としている。

 住民は市を仲介役にマンション開発会社との話し合いを始めた。市の担当課は「妥協点を見いだせるように、しっかり対応したい」と話す。

=2018/05/29付 西日本新聞夕刊=

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