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イタリア悲喜劇映画『いつだってやめられる』がやめられない!|シドニー・シビリア監督インタビュー

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シビリア監督は1981年生まれ。イタリアでも日本の「ロスジェネ」と重なる問題があり、それがこのシリーズの背景ともなっているようだ
Photo: Yuki Fukaya / COURRiER Japon


ギャング団に男しかいない理由


──とくに1作目ではそうですが、「ギャング団」に女性がいないことが少し気になりました。それは意図的なんでしょうか?

ひとことで言えば、クラシックな映画の伝統を踏まえたんだ。

盗賊団もの、ギャング団ものだと、メンバーは男性しかいないことが多い。マリオ・モニチェリの『いつもの見知らぬ男たち』(1958年)もそうだし、『オーシャンズ11』もそうだね。

なぜか。女性が入ると、恋愛要素が絡む可能性が高くなる。そうなると尺が足りないというわけ。

──ギャング団には、科学者だけでなく、教会法やラテン語、考古学などが専門の研究者もいましたが、これはイタリアではどのように受け取られたんでしょうか。

ギャング団のうち2人はラテン語学者で、本音を言いたいときにはラテン語で話す。つまりラテン語がいちばん身近な言語で、いわば母語なんだ。

ラテン語はイタリアでは高校の必修科目で、みんなある程度の知識はある。誰もしゃべらないけど。教会やヴァチカンくらいでしか使われていない「死語」だよね。でもラテン語学者役の俳優2人は流暢にしゃべれないといけないから、ラテン語学校に通ってもらったよ。

ローマ郊外には世界中から生徒が集まるラテン語学校があって、3ヵ月の集中コースでしゃべれるようになるんだけど、2人には1週間通ってもらって、アクセントとか話すときのコツをつかんでもらったんだ。

──最後に、日本の研究者たちにメッセージをいただけませんか。

映画の外ではメッセージを語らないようにしてるんだ。

「イソップ物語」だと、たとえば「酸っぱい葡萄」の物語のあとに「この物語の教訓は……」というのがあるけど、映画ではしないよ。メッセージは映画から受け取ってほしいです!

『いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』
監督・原案・脚本:シドニー・シビリア
出演:エドアルド・レオ(『おとなの事情』)、ルイジ・ロ・カーショ(「夜よ、こんにちは』、『人間の値打ち』)、ステファノ・フレージ、グレタ・スカラノ、ヴァレリア・ソラリーノ
原題:Smetto quando voglio-Masterclass/2017年/イタリア/イタリア語/119分/シネスコ/カラー/字幕翻訳:山田香苗
配給:シンカ 提供:シンカ、樂舎 特別協力:イタリア文化会館
©2017 groenlandia srl /fandango srl
http://www.synca.jp/itsudatte/


今回インタビュアーとなった美術史研究家の壺屋めり氏とシビリア監督
Photo: Yuki Fukaya / COURRiER Japon

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