2018-06-11

男の子だって、お姫さまになれる」が呪いしかならない理由

http://prehyou2015.hatenablog.com/entry/ohimesama

男性がどんな格好をしたっていい。「お姫様になったっていい」と言ったっていい。

でも「お姫様になれる」だけはダメなのだ

何故か?

ヒーローは、誰だってなれる。でも、お姫様は誰もがなれるわけではない。それが理由だ。



自分も含めて誰も救わないようなヒーローは、ヒーローとして存在することはできない。

何者かを救おうとすることで初めてヒーロー誕生する。

同じように、誰から無視されたお姫様というのは存在することができない。

誰かがお姫様として扱うことによって、はじめてお姫様存在できる。

そして、ヒーローお姫様重要な違いは、能動性だ。


例え世界のすべてから敵視されゴミのように扱われたとしても、ヒーローヒーローになることができる。

それこそ、子ども有害不快存在として「ゾーニング」されたって何の関係もない。

救った相手に足蹴にされたって、結果的に誰も救うことができなかったとしたって、誰からも称賛されなくたって、

ヒーローにはなれる。救おうと行動しさえすれば、その時きみはヒーローからだ。

その意味で、ヒーローとなるのに男女差は一切ない。

他者からの称賛の度合いなどで男女差別が発生することはあるが、とにもかくにも、ヒーローにはなれる。


一方で、お姫様はどうだろう?

お姫様という概念は、自らの行動そのものには意味がなく、他者から与えられる結果(例えば、外敵から守られるなど)にしか意味がない。

どんなに努力したところで、自分お姫様として扱う相手が出てこない限り無意味である

そもそもお姫様」というのは、ほとんど出生で決まるものだ。

その概念いくら抽象化したところで、おおもとの意味はそんなに変えようがない。

からお姫様として扱われず、自分けがお姫様だと主張する状況は、ただ悲惨であるという他ない。



から、「ヒーローになれる」であれば誰に対しても言っていい。

行動したその瞬間から、本当の意味で誰だってヒーローになれるからだ。

でも「お姫様になれる」は?

それには、お姫様として周囲に扱ってもらえるための素養必要だ。

それは金銭であったり、美貌であったりするだろうが、いずれにせよ生まれつきの要素が大きいし、

自分自身の心を大切にするという考え方からもかけ離れたもの要求される。

そして、男であることは、ただ男であるだけでお姫様になるための素養に著しく欠けている。



もちろん、それでもお姫様になれるかもしれない。実際になれる人も居るだろう。

でも、多くの人はそうはいかないだろう。

お姫様になろうとしてなれなかった女性だっていくらでもいるのだ。

から、まるで他人事のように「男の子だってお姫様になれる」というのは、

勇気づけているのではなく、

単に無責任であるか、子どもの頃だけに許されたかわいらしさとしてバカにしているかのどちらかだ。



お姫様になったっていい」であれば、別にいいのだ。なれる状況があり、なりたいという意思があるのなら、なればいい。

実際、この話数ではプリキュアたちが助けてあげているのだから

でも、「お姫様になれる」なんてのは、ただの卑怯者か、くだらない扇動者のどちらかだ。

クソクラエ!




本当に男の子お姫様になるために必要なのは

その男の子以外の誰かからの、

「私にとってあなたこそがお姫様なのだ」という言葉と、そこに込められる覚悟だけだ。

  • anond:20180611011239

    「お姫様になった、なら使ってもいいッ!」まて読んだ

  • anond:20180611011239

    リアルヒーローってキリストとジャンヌダルクだろ 偉大なことをなしても待っているのは悲惨な最期 うまくやり遂げた人は仏陀とムハンマドか

  • anond:20180611011239

    というかお姫様って言葉の意味考えるとお姫様っぽい格好は男の子でもいくらでも出来るししてもいいと思うけど、お姫様自体には男だしなれないよね いやトランスジェンダーでガワは...

    • anond:20180611012306

      それ言い出したら女の子でも後から姫になれるのかという話が でも、自分が産まれた後に父親が王になれはなれるのか……?

記事への反応(ブックマークコメント)

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