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小説家になろう ~ 中国や韓国に差別発言を行った『二度目の人生を異世界で』の大炎上、出版社の在り方について。

作者:森永ピノ子

 周知のことながら……。


 今回の炎上は、作者さんの自業自得だと思います。

 彼が削除したツイートをみると、中国のことを「虫国」、韓国のことを「姦国」、さらに「猿」と(ののし)っている。


 そして中国共産党系の環球時報は……。


「2014年に連載された時点で主人公の年齢が94歳ならば1920年生まれ。15歳で中国に渡ったのが1935年で、5年後に従軍した世界大戦とは1940年の第二次大戦。――つまり4年間の間に3712名の斬殺というのは、旧日本軍が中国に侵略を行った時期と一致する」と指摘し、中国国内のサイトで読めるようになっていたことを批判。


 さらに出演予定だった声優さんへの殺害予告もあったし、出版された作品にも同じような表現が記載されているとのことで……当然ながら声優さんたちは降板し、全十八巻の出版停止とアニメ化は中止。

 それだけにとどまらずテレビニュースにもなり、資金を出してくれたスポンサーさんや色々な方々に頭を下げ、謝罪と損害賠償を行わなければならない。


 ――はっきり言って、これを擁護するのは難しいです。


 作者さんの発言も火に油を注ぐ形となり、発表された内容を鵜呑みにしても、中国で行われたと叫ばれている「旧日本軍の大量虐殺行為」を彼らに想起させるものだし……これを擁護している方々は、逆に相手に言質を与え日本国を貶める結果になるのでは?

 そして国籍は違うとはいえど、彼らとて同じ人間なのですよ?


 大切なものを守るため、相手の行動や意見に反論するならまだしも……。


 その人間を「虫」だの「猿」だのと考えもなく罵った方に、同情の余地など一片もありません。

 擁護することで両国の溝はさらに深まり、結果的に日本は中国市場を失うことになるのですから。


 ――そして責任の所在は作者だけではなく、出版元であるホビージャパンにもあります。


 過去のツイートはまだしも、なぜ原稿チェックを(おこた)ったのでしょうか?

 複数の人間が編集会議や企画の段階で作品を読んでいるはずですが、なぜこれを出版しアニメ化しようと思ったのですか? ――誰も指摘したり反対する人はいなかったのですか?

 その防波堤さえしっかりしていれば、このような事態にはならなかったのではという思いがあるのです。


 ――が、ただひとつ評価できる点があったとすれば……。


 事が起きた後のホビージャパンの対応が迅速だったことです。

 見苦しい言い訳をせず公式サイトで謝罪し、書籍の出版停止とアニメ化の中止を発表した。

 今後も色々言われるとは思いますが……もう会社としての責任を取り腹は切ったのです。

 なので個人的には、これ以上責めるのは酷だとも思ったりするのです。


 無論、企業として反省すべき点はあると思います。

 いまだ公式サイトは火だるまですが、ひとつひとつ解決していかなければならない問題だって沢山ある。

 なればこそ生まれ変わり、作品を世に送り出す出版社としての矜持を守ってほしい。


 厳しいエッセイを書いてしまいましたが……。

 あまたの祈りを叶える神さまとして、そのことを忘れないでほしいのです。


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