住宅に旅行者らを有料で泊めることを認める住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行が15日に迫る中、届け出をせず違法状態で営業する「ヤミ(違法)民泊」の動きが注目されている。新法や市条例の規制を受けて撤退する業者がある一方、「見つからずに続けられる」として15日以降の営業継続を明言するヤミ民泊もある。市はどこまで取り締まれるのか。
5月下旬、下京区のJR京都駅に近い賃貸マンション。1階のエレベーターからキャリーバッグを持った外国人3人が降りてきた。マンションに併設されているスーパーの上田正行社長(68)が試しに英語で部屋番号を尋ねると、予想通りの答えが返ってきた。「やっぱり、あの部屋か…」とため息をつく。
上田さんは以前から、マンションが観光客の宿泊に利用されていると察していた。管理会社もヤミ民泊の事態を把握し、事業者に何度も接触したが、返事は「友人を泊めているだけ」の一点張り。自衛策として玄関などに旅行者の宿泊禁止を示す紙を貼り、市にも通報したが、確たる証拠は見つかっていない。
サイト監視情報遮断
市によると、ヤミ民泊は少なくとも約3千件あるとみられる。民泊新法が施行されれば、都道府県や政令指定都市は強制的な聴取や立ち入りが可能となる。悪質な違法物件には緊急停止命令を出し、応じない場合は50万円以下の罰金を科すことができる。
市は民泊仲介サイトの監視も本格的に始める方針で、「サイトに掲載できなければ宿泊客に情報発信できる手段は限られ、ヤミ民泊を追い込める」(市医療衛生推進室)とみる。新法で違法施設の掲載が禁じられる大手仲介サイト側も、届け出を確認できない業者を順次削除している。
こうした規制の強化で、ヤミ民泊を根絶することができるのか。
2015年から南区の民家でヤミ民泊を営む男性(44)は「仲介サイトに掲載できなくても影響はない」と明かす。複数のSNS(会員制交流サイト)で発信している上、リピーターが多いため、既に口コミで存在が広まっているという。
業者、罪悪感なく
男性は自家用車を使って宿泊客を駅などに送迎したり、買い物や観光施設に連れて行ったりしているため、宿泊客が近隣住民の目に触れる機会はほとんどない。これまでに苦情は全くなく、市の指導を受けたこともないという。「誰にも迷惑をかけていない。15日以降もばれずに続けられると思う」。言葉に罪悪感はなく、観光客に喜ばれているとの自負さえみせる。
市内のワンルームマンションの一室でヤミ民泊を営業する別の40代男性は、無届けの理由を「市のルール(条例)が厳しすぎる。届け出てもどうせ認められない」と説明する。海外旅行が趣味という男性は、さまざまな国の旅行者と交流したいと14年から民泊を始めた。「欧州では以前から民泊文化が根付き、貸し手と借り手のマナーが確立されている。うちはトラブルを起こしたことは一度もなく、近隣住民の理解も得ている」と言い切る。
部屋は徹底的に掃除。民泊施設のすぐ近くに住み、宿泊客と夕食を食べる。必要な時には病院にも連れて行くなど滞在中の暮らしをサポートしているという。「届け出施設でも住民とトラブルを起こしているケースはある。民泊が社会問題化している原因は施設ではなく、運営者にあるのではないか。国や市が画一的に規制するのはおかしい」と主張する。一方で「市の指導があれば、辞めざるを得ない」と声を落とす。
市は10月から民泊を含む宿泊施設の利用者から「宿泊税」を徴収する。公平な課税の点でも、民泊の実態把握は不可欠だ。新法の下でもヤミに潜る民泊をめぐり、市の対応が問われる。
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ホタルの光をめでながらお茶を楽しむ「蛍火の茶会」が9日、京都市左京区の下鴨神社で催され、約800人が涼やかな雰囲気の中、初夏の風情を楽しんだ。
糺の森にかつて多くのホタルが乱舞していたことにちなみ、糺の森財団が1991年から毎年開催。重要文化財の橋殿と細殿に茶席が設けられ、ホタルが入った虫かごが置かれた。
暑さもゆるんだ夕刻、和服姿の女性や親子連れが訪れ、ホタルの光を眺めながらお茶やお菓子を味わった。境内には琴の音色が響き、菓子や漬物の出店が並んで、大勢の参拝者でにぎわった。
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旧優生保護法(1948~96年)下で障害や疾患を理由に不妊手術が繰り返された問題で、全日本ろうあ連盟(東京都)は9日、京都など少なくとも11道府県の男女70人が断種や不妊、人工妊娠中絶の手術を強いられた可能性があるとの調査結果を発表した。このうち3人が国に損害賠償を求めて提訴する方針を示した。聴覚障害者が提訴すれば初めて。
連盟によると、5月25日時点で大阪府や兵庫県などの加盟団体から中間報告が寄せられた。手術が同法に基づくかは不明だが、男性18人、女性52人が証言したという。京都の内訳は男性3人、女性9人。連盟は調査期間を8月末まで延長し、被害状況を掘り起こす。
同日、大阪市で開かれた全国ろうあ者大会で、大阪府と兵庫県、福岡県の被害者や家族6人が記者会見に応じ、神戸市の高木賢夫さん(79)、妙子さん(77)夫妻と福岡市の吉瀬陽子さん(76)が提訴の意向を手話で表明した。同問題で名乗り出た被害者の多くは仮名か匿名で、実名での会見は異例。
石野富志三郎理事長(66)=大津市=は「知的障害者、精神障害者だけでなく聴覚障害者も出産したい、子どもを育てたいとの当たり前の希望を奪われた。二度とこのようなことを起こさないため背景を正しく知ってほしい」と求めた。
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和装と洋装の競演を通じて新たな服飾文化を発信する「ファッションカンタータ」が9日、京都市下京区の京都劇場で催された。テーマは「ロック」で、日本の伝統美と革新的なデザインを融合させた着物のショーに、公募の招待客ら約3千人が見入った。
舞台では、京都の友禅やろうけつ染めの作家ら5人による和装26点、デザイナー山本里美さんが手掛けた洋服20点が披露された。
ロックの本場・米英両国の国旗を大胆に描いたり、西アフリカの伝統柄をあしらったりした着物を、モデルが身にまとって登場した。洋楽の名曲に合わせ、女優の黒木メイサさんらがポーズを決め、歌手の大黒摩季さんが歌声を響かせた。
ファッションカンタータは26回目で、和装団体などでつくる開催委員会と京都商工会議所が主催した。
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2008年北京五輪以来の金メダルへ-。3大会ぶりに五輪実施競技に復帰するソフトボール女子で、京都西山高出身の長崎望未(トヨタ自動車)が主軸として存在感を放っている。類いまれな打撃センスで「天才」と評される25歳の強打者は「五輪にソフトボール人生を懸けられる。一つ一つ結果を出し続けて東京へ向かっていきたい」と決意を語る。
愛媛県新居浜市の大島で育ち、小学3年から本格的に競技を始めた。将来の実業団入りを夢見て強豪の京都西山高へ。当時率いていた吉田茂樹・現龍大監督の人柄に引かれたといい、「よそよそしくなくて親身になってくれる印象があった。実際も厳しい中に愛情があった」と感謝する。外野手として高校1年の全国高校総体で同高初の優勝に貢献し、トヨタ自動車へ進んだ。
160センチ、57キロと小柄だが、鋭いスイングで長打を量産する。日本リーグで1年目にいきなり本塁打王、打点王、ベストナイン、新人賞の「4冠」を獲得。14年に初めて日本代表入りし、宇津木麗華監督からも才能を認められ、主力を担う。
日本リーグで8年目を迎えた今季も、4割近い打率をマークするなど走攻守で2年ぶりの優勝を目指すチームを引っ張る。課題としていた精神面については「調子が悪い時でもできるだけ、ポジティブに考える。自分が思っているより上のプレーができると、いい意味で勘違いする」ことで安定感が増した。
8月に千葉県で開幕する世界選手権の代表として、2大会ぶりの優勝に挑む。五輪の代表争いにも影響する重要な大会。「短期決戦でいかに自分が結果を出せるかにこだわりたい」と必勝を誓う。最大の持ち味である「チャンスの一振りで決める」勝負強さを発揮し、全力プレーで会場を沸かせる。
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世界の食通が注目する「京料理」の源流は、北部の海や丹波の森にあります-。京都府は9日までに、食にスポットを当てた観光振興事業「食の京都」を新たに始める方針を決めた。これまで府内3エリアで実施してきた「海」「森」「お茶」をテーマとする観光振興策をベースとし、3エリア共通の「食」を切り口として情報の発信を強化。観光客を「料理の宝庫」である京都市内から、「食材の宝庫」の府域へといざないたい考えだ。京都市以外では伸び悩む観光消費額のアップにもつなげる狙いで、年度内に取り掛かる。
府は2013年3月に府北部の魅力を発信する「海の京都」構想を掲げて以降、府中部で「森の京都」、府南部で「お茶の京都」を打ち出し、旅行商品の開発・販売などに取り組むDMO(観光連携組織)を各地に設立し、地域観光の活性化に取り組んできた。
この結果、京都市内を除く府域の観光客数は、16年に3219万人となり、13年比で22%増えた。一方、16年の1人当たり観光消費額は1817円にとどまる。13年比で80円程度しか増えておらず、1人当たり2万円近く消費されている京都市内とかけ離れ、最大の課題となっている。
今回打ち出す「食の京都」では、まず情報発信力を強化する。府の観光サイトなどで、京都各地の食材や丹後ばらずしなどの郷土料理、新鮮な食材を楽しめる飲食店などを京都の著名料理人が紹介し、会員制交流サイト(SNS)の活用も推進する。食材の産地は遠いイメージもあるため、行き方や周遊ルートが簡単に分かる経路検索システムを今夏にも開発する。
食文化については、21年度末までに京都に移転する文化庁も振興策を拡充する方針のため、連携を強化する。府商工労働観光部は「食は旅行者にとって外せない要素。地元の店や食材の掘り起こし、メニューの開発などにもつなげて魅力を高め、観光客が周遊する流れをつくっていきたい」としている。
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滋賀県知事選(24日投開票)の期日前投票所が設けられている守山市役所で9日、守山高3年の松岡若奈さん(18)が投票立会人を務めた。投票箱の前に約6時間座り、有権者が1票を投じる様子を見守った。
2016年に選挙権が18歳に引き下げられたのを受け、若い世代の社会参加につなげようと、市選挙管理委員会が初めて高校生を投票立会人に起用。市内の高校に協力を呼び掛けた。
松岡さんは投票開始前に投票箱に何も入っていないことを確認し、投票者が用紙を持ち帰らないか目を凝らした。「思っていたよりも手続きが簡単で、参加しやすいと感じた。学校でも選挙について話し、福祉のことを考えてくれる候補者に投票したい」と語った。
市選管によると、同市の10代の有権者数は1768人。16日には守山北高3年の力有輝さん(18)が投票立会人を担当する。
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6月10日の12星座占いダイジェスト
<おひつじ座>
夏に向け新しい何かが入ってくるスペースを作っておきたい。
<おうし座>
遠慮し合い、牽制し合っている様子ならまずあなたが発言し行動することで良い方向に。
<ふたご座>
夜の散歩はインスピレーションを刺激。くちなしの香りに誘われそぞろ歩いて
<かに座>
食事をしながらの話し合いも吉。
<しし座>
軽いスポーツなどで体を動かして巡りよく。
<おとめ座>
早計な判断は禁物。
<てんびん座>
昔話には要注意。話しが食い違いやぶへびになることが。
<さそり座>
人脈開拓にも好機。SNSなどは積極的に利用して。
<いて座>
緑や茶色などナチュラルカラーが幸運色。
<やぎ座>
意外なことが現状打開の引き金になる一日。
<みずがめ座>
不用意な発言は波紋を呼びそう。
<うお座>
スケジュール帳など再確認を。
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京都府警科学捜査研究所(京都市上京区)の若手研究員が、犯行現場に残された血液や唾液のDNAから簡単に年齢を推定できる新たな鑑定手法を考案した。従前より安価な費用で短時間に解析できるといい、府警は「事件発生直後の犯人像の絞り込みも可能」と実用化に期待を寄せている。
法医担当の濱野悠也専門研究員(31)が考案した。DNAには加齢により構造が変化する特徴がある。濱野研究員は、人と動物の違いを見分ける際に日常的に使用していた「融解分析」の手法を活用。DNAの二重らせん構造を高温下でほどくことで、加齢による変化を容易に解析することに成功した。
たばこの吸い殻に付着した唾液など微量な遺留物でも鑑定できる。費用は1回数百円で、解析時間も半日ほど。誤差は平均6歳程度にとどまるという。
DNAによる年齢推定はこれまでから、国内の限られた研究機関で行われていた。しかし、数十万円の費用が必要で、結果が出るまでに約1週間かかるなど実用化には課題が多かった。
濱野研究員は科捜研勤務のかたわら、京都大大学院で、法医学の権威玉木敬二教授の指導の下、年齢推定の研究を続けてきた。研究成果は昨年9月に英科学誌に掲載され、今年3月には府警職員として初の医学博士号を取得した。
濱野研究員は「ドラマ『科捜研の女』に憧れ、今の仕事を志した。今後も、捜査の現場で活用される技術の精度を高めたい」と話している。
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滋賀県日野町西大路の滋賀農業公園「ブルーメの丘」で、約200種1200株のバラが見頃を迎えている。赤、ピンク、黄色などの花々が来場者を楽しませている。
中世ドイツの街並みをモチーフにした園内では、深紅の「ニコロ・パガニーニ」や上品なピンクの「スーリール・ドゥ・モナリザ」などが咲き競っている。来園者は、花が放つ甘い香りを楽しみながら、スマートフォンなどで撮影していた。
6月中旬から下旬ごろまで楽しめる。10日は午後1時半から造園スタッフによるバラのガーデンツアーがある。
水曜定休。入場有料。同公園0748(52)2611。