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新幹線で男性刺され死亡 岡崎の22歳容疑者逮捕

新大阪行きのぞみ265号車内で乗客が刺される事件が発生し、騒然とするJR小田原駅の構内=9日夜(乗客提供)

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 九日午後十時ごろ、神奈川県の東海道新幹線新横浜-小田原間を走行していた東京発新大阪行きのぞみ265号で、男が複数の乗客を刺し、三十代男性が死亡した。二十六歳と二十七歳の女性二人も重傷を負ったが、いずれも意識はあり、命に別条はない。神奈川県警は殺人未遂容疑で、愛知県岡崎市蓑川町、無職小島一朗容疑者(22)=住所、氏名などは自称=を現行犯逮捕した。「むしゃくしゃしてやった。誰でもよかった」と供述しているという。

 小島容疑者は「新幹線内で殺意をもって人を刺したことは間違いない」と容疑を認めている。死亡した男性については「知らない」と供述、車内でのトラブルは確認されていない。なたで、男性の首の付け根付近を切り付けたとの情報がある。

 現場には少なくとも二本の刃物があり、県警は事件があった車両を静岡県三島市のJRの車庫に搬送後、実況見分して詳しい状況を調べる。JR東海や乗客によると、事件が起きたのは十二号車とみられる。車内では午後九時四十七分ごろに非常ブザーが鳴った。事件との関連は調査中としている。

 県警によると、死亡したのは大阪市にある会社に勤務する男性とみられ、確認を急いでいる。首の右側に、致命傷とみられる深い傷があった。東海道新幹線は事件発生を受け、東京-小田原間の下りで一時、運転を見合わせた。

 JR東海によると、のぞみ265号は十六両編成で、乗客は約八百八十人だった。

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◆容疑者親族「3年ほど前に家を出た」

 自称小島一朗容疑者の親族の女性は十日未明、愛知県岡崎市内で取材に応じ、小島容疑者について「三年ほど前に『おれは自殺するんだ。生きている価値がない』と言って(岡崎市内の)家を出て行った」と話した。

 家にいた頃の様子については「引きこもっていて、靖国神社や出雲大社などの神社の本をよく読んでいた」と説明。事件については「警察から連絡が来ていない」と言葉少なに話した。

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