一流のプロの味を家庭で楽しむことができたら、家族も大喜び。そんな〝ぜいたくな″料理を作ってみませんか?
教えてくださるのは、元ホテルオークラ総料理長の根岸規雄さん。8回連載でお届けします。
第1回は、「世界一のフレンチトースト」と呼ばれる絶品フレンチトースト。表面はサクッと、中は溶けてしまうほどやわらかな口どけ。日本を代表するホテル・ホテルオークラの看板メニューのひとつです。
「以前アメリカの大統領が来日したときにお出ししたら、『世界一の味』とおほめの言葉をいただきました。コツは前の晩から卵液に十分に浸し、じっくり焼くこと。普通の厚切り食パンでおいしくできます」
では、早速作っていただきましょう。
【材料】2人分
4枚切りの食パン…2枚、牛乳…400ml、卵…2個、砂糖30g、サラダ油少々。
お好みでバター、メープルシロップ、ラズベリーやブルーベリーなどのフルーツなど。特別な材料や道具がなくても、ホテルと同じ味のフレンチトーストが作れます。
【作り方】
1 パンは耳を切り、半分に切ります。
2 ボウルに卵を割り入れ、ほぐします。
3 牛乳、砂糖を加えて混ぜ合わせて、浸け込み液を作ります。
4 漬け込み液を一度こします。
※「こす」ことで仕上がりの舌触りが格段によくなります。
5 パンを浸け込み液に浸し、冷蔵庫に入れて寝かせます。
※途中でひっくり返し、液をまんべんなく浸すこと。
6 液がほとんどなくなった状態になるまで、一晩かけてパンを浸けます。
7 フッ素樹脂加工のフライパンに、油をキッチンペーパーにつけたもので軽く塗り、パンを並べて弱火で6~7分焼きます。※焦げつかないよう、弱火で。
8 片面が焼けたらひっくり返します。※崩れやすいのでていねいに。手を使うといいでしょう。
9 ふたをして、弱火で6~7分焼きます。
10 色よく焼けたらでき上がりです。器に盛ってお好みでバター、メープルシロップ、季節のフルーツ、ミントの葉などを添えてください。
「パンの耳を切るのがホテルオークラ風。よりやわらかく焼き上げることができます。ただし、家庭では手軽に耳つきのまま焼いてもおいしくできますよ。パンの種類によっては浸け込み液が余ってしまうことがあるかもしれません。そのときは、ココットに余った浸け込み液と小さく切ったパン、レーズンを入れてオーブンで焼いてパンプディングにするのもいいですね」
ポイントを押さえて作れば、だれでも失敗なくプロの味が再現できます。
ホテルオークラ仕込みのフレンチトーストのほか、『夫はホテルオークラ元総料理長、妻は料理家 ふたりのごはん』には、根岸さんと料理研究家の奥さま・石原洋子さんが作る毎日のごはんが50品以上紹介されています。
おなじみの食材を使ったなにげないふだんの料理も、プロのワザでランクアップするコツを覚えて、家族を驚かせてみてはいかが?