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食べてないのに突然発症!?食物アレルギーの新常識
健康

食べてないのに突然発症!?食物アレルギーの新常識

2018年1月31日(水)午後7時30分
2018年2月3日(土)午前0時10分

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NHKオンデマンドでご覧いただけます 番組内容を印刷する

一口食べただけでじんましんや呼吸困難などを起こす食物アレルギー。「小麦」「魚類」さらには「はちみつ」など様々な食べ物によるアレルギーの報告が相次いでいます。大人が突然、食物アレルギーを発症するケースも続出。実は近年、食べ物を「肌でさわる」ことが大きな原因の一つだということがわかってきました。肌荒れがあると特にリスクが高くなります。さらに子どもの食物アレルギーを克服するための最新情報や注意点もお伝えします。

※食物アレルギーは個人差が大きく、今回番組で紹介したのはあくまでも一例です。 詳しく知りたい方は専門医の診断を受けることをお勧めします。

今回のお役立ち情報
01

食物アレルギー表示について

消費者庁では容器包装された加工食品に対して、全国の調査を元にアレルギー症状を引き起こすことのある特定の原材料27品目の表示を奨励もしくは義務付けています。

  • 表示義務(特に発症数、重篤度から考えて表示する必要性が高いもの)
    卵、乳、小麦、落花生、えび、そば、かに
  • 表示を奨励(任意表示)(症例数や重篤な症状をおこす人の数が継続して相当数みられるが、表示義務のあるものに比べると少ないもの)
    いくら、キウイフルーツ、くるみ、大豆、カシューナッツ、バナナ、やまいも、もも、りんご、さば、ごま、さけ、いか、鶏肉、ゼラチン、豚肉、オレンジ、牛肉、あわび、まつたけ
    ※上記のものと同じ製造ラインで製造しているものについても表示が推奨されています。


これらは平成26-27年全国実態調査をもとに作られていますが、必ずしもこれらだけがアレルギーになるわけではありません。番組でもにんじんアレルギーやはちみつアレルギーになった方をご紹介しました。

02

大人が突然発症!食べなくても食物アレルギーに?

食物アレルギーの原因の一つとして今注目されているのが「食べ物の“さわり過ぎ”」。なかでもこれらの人は要注意と言われています。

  • 肌荒れ(湿疹など)がひどい状態で食べ物をさわり続ける
  • 自己流の美容法で食べ物を肌につけ続ける

一般的に食物アレルギーは体中のリンパ節にいるT細胞と呼ばれる免疫細胞が「口から取り込んだ」食べ物を敵だと認識することがきっかけで発症すると考えられています。
しかし最近の研究では肌荒れなど皮膚に炎症があると、表皮に存在する樹状細胞(じゅじょうさいぼう)と呼ばれる細胞が活性化し「さわっている食べ物」を捕まえてT細胞に敵だと報告することがわかってきました。
また、自分で気づいていないぐらいの肌荒れでも、長期間食べ物を肌につけ続けることは危険性があり、ふれる量が多かったり頻度が高かったりすると危険性が増すと考えられています。番組でも様々なケースをご紹介しました。

  1. ひどい手荒れの状態で10年以上料理をしていたことでにんじんアレルギーになった主婦
  2. ひどい手荒れの状態で1年以上、レストランで働いていて魚アレルギーになった料理人
  3. 美容目的でシャンプーや洗顔フォームなどにはちみつを混ぜて3年以上使用し、はちみつアレルギーになった女性

思い当たる節のある方はアレルギーが専門の皮膚科医などにご相談ください。肌荒れの治療をすることで食物アレルギーが改善するケースがあります。

※初期症状としてその食べ物にさわるとかゆみやじんましんが起きる場合があります。
※食べることが原因で発症する食物アレルギーもあります。
※すべての食物アレルギーが改善できるとは限りません。

03

天然由来成分の製品について

現在、肌に使用する天然由来成分の製品が多く売られています。これらの多くは食物アレルギーが出ないように注意深く精製されています。また、2016年からは産学官が連携し、化粧品などの製品によって食物アレルギーなどの健康被害が起きていないかをチェックしています。2018年1月現在、日本国内では化粧品などの製品による食物アレルギーで問題となっている事例はないとのことです。

04

意外な原因で食物アレルギーに

食物アレルギーになる原因物質は全く別のものに共通して含まれていることがあります。 番組では下記の食物アレルギーと原因を紹介しました。気になる方は専門医にご相談ください。

※肉、納豆アレルギーは食べてから症状がでるまで時間がかかるため気づきにくい

05

子どもの食物アレルギー対策・最新情報

2016年の食物アレルギーガイドラインによると、子どもの食物アレルギーについて、原因である食べ物をすべて除去するのではなく、「可能な範囲で摂取することを目指す方針」へと大きく変わりました。しかし、アレルギーの程度は一人一人違うため、どのくらいなら食べても症状がでないか正確に知る必要があります。そこで今、経口負荷試験と呼ばれるテストがすすめられています。

※アレルギー物質の摂取は、自己判断では絶対に行わないでください!
必ず食物アレルギーを専門にしている医師がいる医療機関で行ってください

【経口負荷試験(保険適用)】

  • 医師の管理のもと、実際に原因となる食品を少しずつ摂取し、 どの程度なら食べても安全かを見極めるテスト
  • アレルギーを専門としている病院の小児科などで受けられる。

一方、去年11月にこの経口負荷試験や臨床研究中の治療で一時、呼吸困難などの重い症状が出たケースがあることが日本小児アレルギー学会の報告でわかりました。学会では全国の病院など各施設に注意喚起を行うとともに、より安全に検査や治療が受けられるようにそれぞれの事例について調査していく予定です。

NHK健康チャンネルにも子どもの食物アレルギーについて予防や対策について詳しく書かれています。

子どもの食物アレルギー 新しい対策

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