【ドラニュース】松坂、3勝目 柳田2K斬り 古巣に復活見せつけた2018年6月9日 紙面から
苦しんで、粘って、恩返しを果たした。中日は8日、日本生命セ・パ交流戦のソフトバンク戦(ナゴヤドーム)で松坂大輔投手(37)が再三のピンチをしのぎ、5イニングを3安打、4四球、6奪三振の1失点。在籍3年で登板わずか1試合だった古巣との初対戦で復活を示し、3勝目を挙げた。1点差で逃げ切ったチームは4位に浮上した。 苦しんだ末の「恩返し」だった。ピンチの連続もプロ20年目の経験と投球術で乗り越えた。松坂が昨季まで3年間在籍したソフトバンクに5イニングを3安打1失点。粘りでつかんだ3勝目も、右腕に笑顔はなかった。 「昨日(7日)ピッチャーをたくさん使っていたし、長いイニングを投げるつもりで。結果5回で降板する形になって申し訳ない」 5イニングで104球を要した苦しいマウンドだった。1回はいきなり2死満塁。ここは松田を中飛に打ち取って難を逃れた。2回も2四球と野選で1点を失い、再び1死満塁。今度は崩れてしまうのか…。「ピンチで彼らに回ると、いつもよりはプレッシャーはあったかもしれない」。そう言いながらも中村晃、柳田を2者連続三振に仕留めた。 マウンドでの険しい表情には理由があった。体から異変の「サイン」が出ていたからだ。「いつも以上に汗をかいている気がした」。水分を多めにとり、サプリメントで対策を施した。それでも5回2死で左臀部(でんぶ)が気になり、グラブでたたいた。5回を投げ終えて処置を受けたが、つったような感覚はおさまらない。「余計にストレスがたまった」。余力はあったが、交代を受け入れた。 古巣との対決。少なからず意識していた。「いつも通りいかないといけない、と思った時点で意識したんでしょうね」。右肩の不調もあり、ソフトバンクでの3年間で1軍登板は1試合。3年総額12億円プラス出来高ともいわれた大型契約に見合う活躍はできず、退団した。
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