「人間のくず」ボルトンが米朝会談を左右する 制裁強化を主導した人物は会談に同席するか

東洋経済オンライン / 2018年6月8日 20時20分

米朝首脳会談の開催場所はシンガポール・セントーサ島のカペラホテルに決まった。写真は同ホテル(写真:ロイター/Capella Singapore/via REUTERS)

6月12日、ドナルド・トランプ米大統領による筋書きのない世紀のライブショーが行われる。ショーの相手は北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長だ。1回だけの会談では踏み込んだ合意は難しく、「非核化」の大枠合意で終わり、本格的な協議は次回の会談に持ち越されるとの見方も出ている。

■交渉のはカギは「ボルトン」「CVID」「終戦宣言」

ただ勝負師気質が強い2人が、「世紀のビッグディール」を成し遂げる可能性もまだ残っている。対北朝鮮強硬派のボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当、交渉のキーワードであるCVID(完全で検証可能かつ不可逆的な非核化)、朝鮮戦争終結の前段階となる「終戦宣言」の3つの視点で、交渉の行方を占ってみる。

会談場所はシンガポールのセントーサ島にあるカペラホテルとなった。世界の注目を浴びているこのホテルの歴史は19世紀末まで遡る。英国の植民地時代に英国軍人らが使った2つの建物がホテルの母体だ。

2つの建物は現在もそのまま保存され、さらに、英国出身の世界的な建築家ノーマン・フォスターが設計したモダンな新館が並んでいる。112の高級客室があり、そのうちスイートは51。最高では1泊82万円だという。

会談開始は、現地時間の午前9時、日本時間では午前10時だ。米国の東部時間では午後9時となり、多くの国民がテレビの前に座って会談の推移を見守ることだろう。会談はどのような様子で進むのか、占ってみたい。

まずは「交渉の達人」を自任するトランプが、ファーストコンタクトの大切さを見逃すはずはない。得意のトランプ式握手をするだろう。

相手の手を握って離さず、時に引っ張る。そして反対側の手で、握手したままの相手の手を上からポンポンと叩く。時にはそのまま相手の肩を抱くこともある。

昨年2月10日に会談した安倍晋三首相は、19秒もの長い時間トランプ氏に手を握られ、ちょっと困ったような表情を見せていたが、正恩氏はどんな表情を浮かべるだろうか。

■「人間のくず」ボルトンは同席するか?

とにかく朝鮮戦争後65年間対立し、何回も戦争直前までいった2つの国の首脳が会うことだけでも意味がある。ただ初対面だけに、米朝双方とも、会談には必要最小限の人員が参加し、非核化問題を集中的に討議することになるだろう。

米国側は、北朝鮮の交渉をまとめたマイク・ポンペオ国務長官、米朝交渉の裏方である米中央情報局(CIA)コリア・ミッションセンターのアンドリュー・キム・センター長の2人は間違いなく同席する。

トピックスRSS

ランキング