Die Zeit heilt alle Wunden《完結》   作:ダイコクコガネ
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第一幕 漆黒の英雄 其之六

 

 ヘッケランは幽霊船の宝物庫らしきドアを開ける。その中から暗い室内だというのに、無数の煌びやかな輝きが放たれた。

「……すご」

 イミーナの言葉に、ヘッケランも同意する。おそらく、ロバーデイクやアルシェも同じ気持ちだろう。中からは金や銀などの無数の硬貨、更に冒険者や帝国軍の鎧といった、様々な装備品が積み上げられていたからだ。

「どれだけ溜めていたんでしょうかね、この幽霊船は」

「けっこう長い間噂になってたからなー。さすがカッツェ平野の幽霊船だぜ……」

 カッツェ平野の陸を奔る幽霊船は有名だ。噂になる前からの期間を考えると、十年以上――その間に殺して強奪したもの、交渉で手に入れたもの、冒険者達の骸から回収したものなど様々な宝物がそこには積み上げられている。

「集めたら、たぶん金貨五〇〇枚以上いく」

 アルシェはそう言うと、金貨の一枚を手に取る。いつもの無表情が少し動いた。しかし、ロバーデイクがアルシェがそれ以上動く前に止める。

「やめておいた方がいいですね。確実に身体検査がありますよ」

「……わかってる」

 ロバーデイクの言葉にアルシェは頷き、金貨を元の場所へ戻した。帝国軍の装備品はともかく、冒険者達の装備品や金貨などは全て、モモンガにまず所有権があるだろう。今回の自分達にそういった分け前は無い。

「そろそろ話は終わったかな?」

 ヘッケランの言葉に、全員先程の狂乱(・・)を思い出したのか渋い顔をする。

「なんというか……凄かったわね」

「ええ。……ああいう方だったんですか?」

 ロバーデイクの問いはアルシェに向かっている。アルシェは珍しく眉根を寄せ困った顔で、首を横に振った。

「知らない。たぶん、皆初めて知ったと思う」

「だろうなぁ……」

 あの狂態を思い出し、全員が納得の声を上げる。帝国軍は勿論、他の魔法詠唱者(マジック・キャスター)達でさえ瞳を丸くしてあの狂態を呆然と眺めていたのだ。少しの間弟子だっただけのアルシェだけでなく、付き合いの長い者達まで仰天していたのだから、アルシェが彼にああいう一面があったことなど知るはずがない。

「モモンガさん、可哀想……」

 アルシェの同情の言葉に、全員同意した。ヘッケランはぽつりと呟く。

「……俺ら、いつ目的を果たせるんだろうな」

 

        

 

 幽霊船に存在した偽りの生命を全て駆逐し終えた後、船から漆黒の戦士が飛び降りる。背後に漆黒の戦士に付き従うようアンデッドの騎士が続いた。

 帝国騎士達が漆黒の戦士とその背後のアンデッドの騎士を見て、ぎょっとした表情を作りながら警戒する。漆黒の戦士は彼らを特に気にせず、船尾まで歩いていく。そこには漆黒の戦士が投擲したのであろう、彼が持つものと同じデザインのグレートソードが一本刺さっていた。

 アンデッドの騎士がグレートソードを引き抜き、漆黒の戦士に恭しく献上するように差し出す。漆黒の戦士はアンデッドの騎士からそれを受け取ると、もう一本と同じように背負った。

 ――そんな漆黒の戦士にレイナースは声をかける。

「失礼いたしますわ。……“漆黒”のモモンガ殿でよろしいでしょうか?」

「うん?」

 漆黒の戦士――モモンガが振り返り、レイナースの姿を確認する。そして頷いた。

「ええ。確かに私はモモンガです。帝国軍の方々ですね? 先程は助かりました、感謝します」

「いいえ、お気になさらないでください。私どもの仕事でもありますから」

 モモンガが頭を下げるのに合わせ、レイナースも頭を下げる。続いて、レイナースはモモンガの背後に控えているアンデッドの騎士に視線を向けた。

「……ところで、そちらのアンデッドは?」

「ああ、これですか? 私が召喚したアンデッドです。そろそろ規定の時間が過ぎるので、全員消えると思いますよ」

 モモンガが召喚したアンデッドは、骨の鳥達数体とアンデッドの騎士。そして骨の獣だという。召喚されたモンスターは規定の時間を過ぎると跡形もなく消えてしまうのだ。ちょうどモモンガが告げるとともに、アンデッドの騎士の姿が解けるようにその場から消滅した。どうやら、このアンデッドの騎士が一番に召喚されたもののようだ。ほどなくして、他のアンデッドも消えるだろう。

 ただ……このアンデッド達が召喚モンスターだとすると、とんでもない事実が判明してしまう。

「モモンガ殿は魔法詠唱者(マジック・キャスター)、なのですよね?」

「御存知ですか? 評議国以外だと評判は悪い自覚があったんですが……帝国にも私が魔法詠唱者(マジック・キャスター)だと知っている人間がいるとは驚きました。法国くらいだと思ってましたよ」

「帝国にはパラダイン様がいらっしゃいますから」

「ああ……あの“三重魔法詠唱者(トライアッド)”は帝国所属でしたね。彼の年齢なら確かに、私を知っていてもおかしくない」

 モモンガも、帝国にある程度自分の情報があるのを納得したようだ。それより、彼自身知名度が低い理由を自覚しているのが驚いた。モモンガの強さを考えると、自身の知名度の低さに苛立っていてもおかしくはないはずなのに、欠片もそんな様子は窺えない。本当に、金や名誉に全く興味が無いのだろう。

「ところで、不躾だとは思うのですが……何故この幽霊船を追っていたのでしょうか? もしよければ、理由を伺いたいのですけれど」

「ああ、それはですね……」

 モモンガが口を開こうとした瞬間――レイナースにとって聞き覚えのある叫び声が聞こえた。

「デス・ナイトはどこにいった!?」

「師よ! 先程確認した時は船尾の方に――」

 フールーダとその弟子達だ。レイナースはモモンガに「失礼」と一言告げて、フールーダの声がする方へ向かう。

「パラダイン様、落ち着いてください。どうされました?」

「ロックブルズ殿! そのように呑気している場合ではないですぞ! あの危険なアンデッド――デス・ナイトを探さねば……!」

「あのアンデッドの騎士ですか? それなら、モモンガ殿が召喚していたものらしく、先程時間制限で消えましたわ」

「――――ぇ?」

 レイナースの言葉に、フールーダだけでなく弟子達まで動きが止まった。その気持ちがレイナースにも分かる。あのアンデッドの騎士は、とても恐ろしい存在だ。レイナースの実力でも、一対一では確実に勝てないだろう。あの周辺国家最強の戦士でさえ、勝てないかもしれないとレイナースは思う。

 そんなアンデッドを召喚したというのだから、確かに驚きだ。更に言えば、あの骨の獣もまたかなり強い。アンデッドの騎士と同じくらい、強力な存在だろう。それだけの強力なアンデッドをモモンガが召喚したというのだから驚きだ。彼は魔力系の魔法詠唱者(マジック・キャスター)だというから、十三英雄の一人と同じように、ネクロマンサーとしての能力が高いのだろうか。

 レイナースはそう、モモンガの魔術師としての高い資質に驚嘆する程度で済んだが……フールーダとその弟子達はその程度の衝撃では済まなかったらしい。かつてのフールーダの弟子だという少女のいる四人組がこちらを見つけ、近寄ったのと同時に、フールーダ達の叫び声が響き渡った。その声に全員が驚いていると、フールーダがレイナースに掴みかかる。老人とは思えない力だ。レイナースはぎょっとする。

「ろ、ろっくぶるずど、の!? 今、今召喚したと言いましたか!? モモンガ殿が!?」

「え、ええ。モモンガ殿が召喚したのだと、先程彼の口から――ち、ちょっとやめてくださいませんかパラダイン様! そう揺さぶらないでください!」

「そのようなこと言っとる場合かぁ――ッ!!」

 異常に興奮したフールーダに、首をがくがくと揺らされるレイナース。本来師を止めるはずの弟子達もまた魂が抜けたように呆然としているので、慌てて元弟子の少女とその仲間が止めに入った。

「ちょ、お、落ち着いてください!」

「パラダイン様! その人味方! 味方ですよ!」

 数人の帝国騎士達も加わり、興奮するフールーダを止めに入る。そこに、更に暢気な声が加わった。

「急に叫び出してどうしました? 何か出ましたか?」

 モモンガである。騒ぎを聞きつけて船尾の方から歩いて来たらしい。モモンガの登場に、フールーダの動きがピタリと止まり、首が奇妙な動きでぐるんとモモンガの方へ曲がる。その様子を見たモモンガが一瞬体をびくんと揺らしたが、おそらく驚いたのだろう。

 そして――フールーダがモモンガの方へその身を投げ出した。

「モ、モ、モ、モモンガ殿!」

「え、あ、はい」

 身を投げ出し、自分の前に膝をつく老人の姿にモモンガはドン引きしている。

「先程伺いましたがデス・ナイトを召喚したのだとか!」

「うん? デス・ナイトを知ってるんですか? かなりマイナーなアンデッドのはずですが、どこで――」

 しかしモモンガが全てを口にする前に、フールーダが言葉を重ねてくる。

「ど、どうかそれをご教授願いたい! ど、どうやってデス・ナイトを召喚しておられるのですか!? 探知防御をしているようですが――まさか、貴方は……いや、貴方様は第七位階かそれ以上に到達しておられるのでは!?」

「は!?」

「どうか! どうかそれを私に伝授してくだされ! 我が師よぉッ!!」

「ち、ちょっとおち! 落ち着いてください! ――だ、誰かこの狂人を止めろォッ!!」

 自らの足に縋りついて哀願してくる老人に、鎧ごしとはいえおぞましさを感じたのか、モモンガが叫ぶ。そのフールーダの奇行に全員が愕然としていたのだが、モモンガの叫び声に慌ててレイナースはフールーダを取り押さえようと近寄った。

「パラダイン様! 落ち着いてください! モモンガ殿が驚いていますわ!」

 というか、自分達の話が済むまで魔法の件については自分から質問しないと誓ったはずだ。そんなことは完全に頭から抜け落ちているのか、今のフールーダには理性のりの字も見当たらない。

「だ、黙れ小娘が! これが! これが落ち着いていられるか!? 今、私は更なる魔法の深淵を覗けるかもしれない場所にいるのだ! そのためならば何を犠牲にしようとかまわん!!」

「犠牲にする前に目の前のことをきちんと認識していただきたい!」

 何かを犠牲にする前に、自らの理性を犠牲にしてどうするというのだ。というか、そもそも肝心のモモンガに完全に引かれている。もし肌が見えたのなら、確実に彼は鳥肌を立てているだろう。このままではモモンガの中で帝国の印象は最悪だ。レイナースは必死にフールーダを抑えた。視界の隅で、ひそひそとかつての弟子だったという少女や仲間の四人組が、フールーダを見て小声で話し込んでいる。部下達もフールーダの奇行に驚き、引いてしまっていた。

「――ふぅ。とりあえず、一言告げておきましょう」

 フールーダを引き離してもらい、落ち着いたのだろうモモンガが妙に冷めた口調で告げる。先程とは声の調子が全く違う。この一瞬ですぐさま精神を落ち着かせたらしい。

「私が召喚した先程のアンデッド達は、私の魔法で召喚したわけではありません」

「――――え」

 モモンガがそう告げた瞬間、フールーダの動きがピタリと止まった。そして、呆然とモモンガの顔を見上げている。レイナースも驚いた。

「どういうことですの、モモンガ殿?」

「ちょっとした能力ですよ。一日に複数回、アンデッドを召喚出来るんです。彼らはその能力で召喚したもので、私が魔法で召喚したアンデッドではないんですよ」

 ――生まれながらの異能(タレント)と呼ばれるものがある。文字通り、その人が生まれた時に得る才能のことであり、天気予報や魔力探知など様々な異能が確認されている。

 例えば、ここにいるフールーダは魔力系魔法詠唱者(マジック・キャスター)の修める位階を知ることが出来る、看破の魔眼とも言うべき魔力探知の異能を持っている。

 その異能が自身の才能と噛みあうかはどうかは、天のみぞ知るところであるが――世の中にはこのように、不思議な異能を持って生まれてくる存在がいるのだ。

 どうやらモモンガはその類――アンデッド召喚系の異能を持っているらしい。先程のモモンガの発言はそうとしか考えられない。

 つまり――別にフールーダ以上の魔法を修めているわけではない。そうレイナースは理解し……フールーダも理解したのか、いつも通りの真顔になった。落ち着いたようなので、レイナースはおそるおそるフールーダを放すが……フールーダの先程の狂態は完全に身を潜めていた。着ていたローブの乱れを正し、いつも通りの落ち着いた表情に戻るとモモンガに話しかける。

「ふぅ……誠に申し訳ない。少々取り乱してしまいましたな」

 まったくだよ。この場の全員の心が一つになった瞬間である。今、彼らの心は職業どころか種族の垣根を越えて一つになったのだ。

「さて――改めまして、失礼を。私の名はフールーダ・パラダインと申します。モモンガ殿の噂は昔からよく聞いておりました」

「――はぁ。まあ、いいか。はい、さっきまでのは忘れることにしよう。……こちらも改めまして、“漆黒”のモモンガです。こちらもパラダイン公の噂はよく聞いていますよ」

 “漆黒”と言っても、自分でつけた名前じゃないんですけどね。そうモモンガは告げ、フールーダが差し出す手を握り握手をする。モモンガがフールーダの手を握る寸前、一瞬モモンガの手が躊躇するように震えたのはきっと気のせいではないだろう。レイナースは勿論、帝国騎士達も一瞬身構え、フールーダを凝視してしまった。

「ところでモモンガ殿、どうやらかなり特殊な生まれながらの異能(タレント)をお持ちの様子。少し聞きたいことが――」

「――おほん!」

 フールーダが再びモモンガに質問攻めをしようとしたところに、レイナースは咳を一つして止める。フールーダはレイナースの姿を見ると、口をもごもごと動かし――沈黙した。ようやく、皇帝や自分との約束を思い出したらしい。

「――その話はまた後でお願いしますわ、パラダイン様……。――先程は、本当に――本当に! 失礼いたしました。名乗るのが遅れましたが、私は帝国騎士のレイナース・ロックブルズと申します」

「――ああ、うん。もう気にしていないので顔をお上げください、ロックブルズ殿」

「感謝いたしますわ、モモンガ殿」

 レイナースは顔を上げる。そして、先程フールーダとの騒ぎが起きる前の質問をすることにした。

「ところで――話を戻すのですが、モモンガ殿はどうしてこのようなところに? 幽霊船を追っていらしたようですけれど」

「そういえば、先程までその話をしようとしていましたね。まあ……ちょっとした形見の回収ですよ。知人がこの幽霊船と交戦し、帰らぬ人となったので。その形見を回収に来たというのが真相です」

「それは……申し訳ないことを訊いてしまいましたわ。お悔み申しあげます」

「お気になさらず。こういう生活なので、よくあることですよ」

 モモンガは本当に気にした様子が無い。わざわざ形見を回収に来るということは、かなり深い仲のように思えるが――彼からはそういった辛気臭い感傷が皆無だった。本当のところは、モモンガではなく別の知り合いの友人に頼まれて回収に来た、というのが真相なのかもしれない。

 基本的に冒険者は組合を通さない依頼は受けてはいけないことになっているが、知り合いの頼みをロハで引き受けることが冒険者達には稀にある。今回はその類なのだろう。あまりつっこんで訊ねない方がいい、とレイナースは判断した。

「では私どもが周囲の警戒をしていますから、その間に中を探索なさっては?」

 レイナースがそう提案すると、モモンガは驚いたようだった。

「よろしいんですか? そちらも忙しい身でしょうに」

「かまいませんわ。この幽霊船も、モモンガ殿がいなければ討伐出来なかったでしょうから。そのお礼と思っていただければ」

 これは事実だ。実際、モモンガが幽霊船を追い立て、アンデッド達の注意を惹いていなければ、レイナース達では遠距離攻撃でかなり不利な立場に立たされたはずだ。フールーダ達もいるが、下手に空を飛ぶと地上から撃ち落されることもある。モモンガが彼らの注意を惹いていたからこそ、フールーダ達も簡単に接近して魔法を撃ち込めたのだ。

「話は終わりですかな!? では私も少し質問が――!」

 その後の話になるのを察したのか、フールーダが身を乗り出して迫る。レイナースは自分の顔がひくりと歪むのが分かった。顔から膿が垂れる。モモンガもフールーダの形相に押されたように仰け反り気味になり――そこで別の声が入った。

「あの……幽霊船の中も罠がたくさんあるかもしれませんし、俺らが見てきましょうか?」

 レイナース達が視線を向けた先にはあの四人組。モモンガは今気がついたと言わんばかりに、首を傾げている。

「おや? 君達は――?」

「俺ら、“フォーサイト”って言います。はじめまして、モモンガさん」

「ああ、はじめまして。それで、先程の話だが――」

「俺らは探索者(シーカー)含めた四人組なんで、探索するのに長けてますから。帝国騎士とかじゃ気づかないことにも気づけますし、一応幽霊船なんで俺らが探索した方がいいんじゃないかと思って。――あ! 勿論、中の物を勝手に取ったりしませんよ!」

「――ふむ」

 確かに、帝国騎士では探索に向いていない。周囲の警戒が関の山だ。モモンガも聞いた話では魔法戦士――モンスター退治ならばともかく、探索となれば難しいだろう。

「では、お願いしてもかまわないだろうか? その――まあ、さすがに彼の老人をこのままひっつけて歩きたくないしな」

 最後の方はぼそりと呟いたに過ぎないが、レイナースや“フォーサイト”にはしっかり聞こえた。聞こえた全員の顔が引き攣る。先程のフールーダの狂態を見るに、モモンガの気持ちが痛い程分かったからだ。確かに、いつまでもぬらぬらと狂人を憑れて(・・・)歩きたくはないだろう。

「じゃあ、俺らが責任持って探索してきまーす……」

 そして、そそくさと“フォーサイト”が幽霊船に入っていく。その姿を見送ってから、レイナースは改めてモモンガを見た。

「では……その、申し訳ありませんけれど、パラダイン様のお話に付き合っていただけますか。本当に、本当に! 申し訳ないのですけれど――」

「ああ、いえ。はい。私も実は訊ねたいことがあったのでかまいませんよ。では、少しばかり話をしましょうか」

 モモンガの言葉に満面の笑みを浮かべるフールーダを横にしながら、レイナースはモモンガに何度も頭を下げた。モモンガは気疲れしたような声色で、フールーダと会話をはじめる。

 レイナースは、フールーダが再びモモンガに対して狂った行動を取らないよう、横で彼らの会話をハラハラと聞き続けた。

(皇帝陛下――本当に、恨みますわ)

 フールーダの世話を自分に押し付けた皇帝に対して、レイナースは心の中で罵倒する。今日の日記には、どこかの権力者と魔術師について書こうと心の中で誓うのだった。

 

 

 








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